配信日時 2018/11/01 20:00

【ライター・渡邉陽子のコラム (205)】平成30年西日本豪雨災害派遣(5)

こんにちは、エンリケです。

平成30年西日本豪雨災害派遣の第五話です。

さっそくどうぞ

エンリケ


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『ライター・渡邉陽子のコラム (205)
 ― 平成30年西日本豪雨災害派遣(5)―
         渡邉陽子
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〇〇さま

こんばんは。渡邉陽子です。現在発売中の『丸』12月号に「北海道
胆振東部地震自衛隊災害復興支援」の記事が掲載されました。また、
同紙3か月に一度執筆を担当している「世界の軍備」のページでは、
今回は高等工科学校について書きました。

『月刊丸』2018年12月号
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以下、私信です。
Fさま
元上司のご子息のお話、大変興味深く拝読しました。とても腑に落
ちます。自衛隊とはそういう組織なのですよね。文字起こしの件も
ご理解ありがとうございます! 1日も早く、これまでにない高性
能の文字起こしアプリやソフトが出て欲しいと渇望する日々です。

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■平成30年西日本豪雨災害派遣(5)

先週に続いて第7師団司令部が回答してくれた平成30年7月豪雨に
おける災害派遣のQ&Aです。

Q 活動内容と実績
A 入浴支援隊は7月12~25日までの14日間、15~23時
に野外入浴所を運営(12日のみ17~23時の運営)、約4200人
が入浴されました。
給水支援隊は愛媛県西予市、大洲市、宇和島市に対し、自治体から
示された給水ポイント9~10か所に展開して7~20時に給水活
動を実施しました。約14万L、約5000人に生活用水を提供しまし
た。

Q 現地の住民の反応
A 「私たちのところに早く来ていただき本当に助かります」と言
っていただきました。(給水支援隊長)
地域一帯が断水状態であったため、入浴所の開設は非常に感謝され、
自分達のモチベーションも維持できました。さらにたくさんの励ま
しやいたわりの言葉をいただき、われわれが逆に元気や勇気をいた
だきました。(入浴支援隊長)

Q 隊員隊達の休息場所
A 給水支援隊が展開した愛媛県西予市及び宇和島市、入浴支援隊
が展開した広島県三原市においては、自治体の配慮により公共施設
の一部を提供していただきました。そこで休養や入浴できたおかげ
で、猛暑を克服しつつ英気を養うことができました。改めて、自治
体のご配慮に感謝します。

Q 隊員たちの食事と水分補給
A こまめに水分を補給するよう指導していましたが、「水トレー
ラーの水はあくまでの地元の方々の水である。一切手を付けるな!」
も徹底していました。(給水支援隊長)
携行食による食事をとり、定期的に増加食と呼ばれるスポーツ飲料
やミネラルウォーターの支給による水分補給や、発汗により失われ
た塩分補給のため、タブレットやサプリメント等により補助的な栄
養補給を行なっていました。また、野菜不足を補うための野菜ジュ
ースや栄養ドリンクの支給はありがたく感じていました。補足しま
すが、最近の携行食は加熱剤を使用して常に温かい状態で食べるこ
ともできますし、種類も豊富なため、食べ飽きることなく食事を取
れます。

Q 暑さ対策
A 両部隊長とも、こまめな水分補給を指導するとともに、適度に
休憩を取らせながら活動を指導していました。特に、愛媛県で活動
していた給水支援隊は西予市と宇和島市の10か所に部隊が展開し
ていたことから、隊長自ら頻繁に現場や隊員の状況を確認し、健康
状態等の把握に努めていました。

Q 体調を崩した隊員の有無
A 幸い、体調を崩したりメンタルに支障をきたしたりした隊員は
いませんでした。現地では衛生科隊員のほか、カウンセラーの方々
が巡回しつつ状況の把握や指導をしてくださっていたので、万が一
の場合においても安心感はありました。 

Q 子ども達からの手紙などについて
A われわれへのお礼が書かれた手紙や活動の様子を描いてくれた
絵などは、入浴に来られた時などにいただきました。活動をしてい
ていちばんうれしい瞬間です。こういう時に自衛官としてのやり甲
斐や誇りを感じるとともに、猛暑の中で活動する原動力となりまし
た。また、復興に向けて住民のみなさんも大変な思いをしながら必
死に頑張っていらっしゃる姿に接し、被災された方々の目線に立ち、
少しでもお役に立てればという思いに駆られました。

Q 災害派遣中の留守家族へのフォロー
A 自衛隊は災害派遣や国際平和協力活動等、さまざまな活動によ
り家庭を留守にする状況が生起しますが、災害派遣のように不意の
派遣にも迅速かつ適切に、留守家族に対するフォローが行なえるよ
う、日頃から部隊ごとに留守家族に対する支援組織の整備及び準備
を行なっています。今回の派遣についても、現地における隊員の活
動状況をご家族の方々にお伝えできるよう広報紙を作成しました。



(以下次号)


(わたなべ・ようこ)


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□著者略歴

渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
 
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
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を刊行。

 
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