配信日時 2018/10/26 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話】◆「アメリカ最強戦闘機(4)─第5世代ステルス機F-35」

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ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
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こんにちは。エンリケです。

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エンリケ


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加藤大尉の軍隊式英会話     Takashi Kato

◆「アメリカ最強戦闘機(4)─第5世代ステルス機F-35」

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□今週の「トランプ・ツイッター」

 トランプ大統領の移民政策は「米国市民の安全と、アメリカの
国益にとって有害な外国人の入国を阻止する」と極めて明快です。
国境警備と入国審査をこれまでより厳重にしたのは至極まっとう
な政策だと思います。

 いわゆるリベラル派は「アメリカは移民の国」との観点からこ
れに反対。逮捕された不法移民の家族が収監される際、子供たち
が親から引き離されることを「非人道的行為」だとしてトランプ
政権を非難しました。トランプ嫌いの主流メディアがこれを偏向
報道し、反対世論を形成しようとしたのは記憶に新しいところで
す。

 アメリカが広く移民に門戸を開く国であることは、日本から移
住して米陸軍士官になった私がいちばんよく知っています。アメ
リカが「国に尽くす機会」を与えてくれたおかげでいまの自分が
あるのも本当です。トランプ氏はこれを否定しているのではあり
ません。また不法移民の家族分断ですが、法を犯したアメリカ人
が刑務所に送られる場合も同伴の子供らは大人とは別の施設に送
られます。子供の安全を考慮しての処置なのです。

 身の安全や基本的人権、自由、機会均等が自国では手に入らな
い人々がアメリカを目指したがるのは人情。それは分かります。
ですが同時に、私も含めた大多数の移民は厳格なルールに従って
まず就労ビザを申請し、取得から数年後、アメリカの政治制度な
どに関する英語での面接試験を経てようやく米国市民になったの
も事実。順法精神が移民にも求められるのは当然で、いま大挙し
て南米諸国から合衆国に向かっている人たちは、この大原則を鼻
から無視していることになります。トランプ氏の厳しい移民政策
には一理ある、と私は考えます。

 本日のツイッターのキーワードは inform。この文脈では「知ら
せる」「通知する」という意味です。

We have today informed the countries of Honduras, Guatemala 
and El Salvador that if they allow their citizens, or 
others, to journey through their borders and up to the 
United States, with the intention of entering our country 
illegally, all payments made to them will STOP (END)!

「本日、われわれはホンジュラス、グアテマラおよびエルサルバ
ドルの各国に以下のように通知した。アメリカに不法入国する意
図を持つ自国民らに対し、国境を越えアメリカに向かうことを許
容した場合、貴国へのアメリカからの支払いは中断(終了)する!」


 それでは本編に入りましょう。

 航空自衛隊でも配備が始まったF-35ライトニングIIは第5世代
ステルス機。統合打撃戦闘機 (Joint Strike Fighter: JSF)とし
ても知られています。この場合のjointは空軍、海軍、海兵隊など
異なる軍種 (military branches) で使用する機体という意味です。

 共通の戦闘機で三軍の要求をすべて充たすことができれば非常
に効率的です。実際、ケネディ政権で国防長官 (Secretary of 
Defense) を務めたロバート・マクナマラはこれを断行しました。
開発費高騰を抑制するため、海軍の「艦隊防衛戦闘機」と空軍の
「戦術戦闘機」を一本化したのです。しかし完成したF-111は重す
ぎて艦載機や制空戦闘機としては使い物にならず、後年、戦闘爆
撃機として活路を見いだした経緯があります。

 F-111の轍を踏まぬため、F-35には空軍向けの「通常離着陸モデ
ル」A型、海兵隊仕様「短距離離陸・垂直着陸モデル」B型, そし
て艦載機として機体や降着装置を強化した海軍向けC型があります。
航空自衛隊が採用したのはもっとも簡素なF-35Aです。それでも、
ヘルメットのバイザーを通じ機体の全周囲を「透視」できる頭部
装着ディスプレイ(Helmet Mounted Display: HMD)など、これまで
にない最先端技術が盛り込まれています。

 もっとも、本ビデオで紹介されている「音声認識」機能は採用
されなかったとする情報もあります。技術的に未完成だというの
が理由で、念のためロッキード・マーチン社の公式サイトを見て
みましたが、やはり見当たりません。

教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=qb_Hkzhphyw

(F-35の飛行シーンは 3:06から始まります)

基本語彙(カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)
Voice recognition (ボイス レコグニッション)音声認識
Focus on (フォーカス オン)集中する 

シナリオ(カウンターを 3:15に合わせてください)

It (F-35) is the first U.S. Airforce plane designed with 
voice recognition allowing pilots to keep their focus on 
the battle rather than on an instrumental panel.
(F-35は音声認識機能を念頭に設計された米空軍初の機体だ。こ
れによってパイロットは、計器パネルではなく戦闘に集中できる
のだ)

(飛行シーンは4:13まで続きます)

英語一言アドバイス:
focus は「焦点を合わせる」ですから focus onは「〜に焦点を
合わせる」「〜に集中する」「〜を重視する」という意味になり
ます。たとえば「トランプ大統領は北朝鮮との対話に重点を置い
ている」なら“President Trump is focusing on dialogue with 
North Korea”でよいでしょう。多くの懸案があるのに時間が限
られている場合は“We must focus on priorities”「優先事項
に集中しなければ」で通じます。

発音サイト
focus onの発音
https://www.howtopronounce.com/focus-on/

参考サイト
F-35ライトニングII戦闘機
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-35_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F)

F-111戦闘爆撃機
https://ja.wikipedia.org/wiki/F-111_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

ロバート・マクナマラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%9E%E3%83%A9

F-35ライトニングII ロッキード・マーチン社公式サイト 
https://www.f35.com/about/capabilities



加藤喬(たかし)


●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。アラスカ
州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省外国語学校
日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―ある“日本
製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、『名誉除隊』
『加藤大尉の英語ブートキャンプ』『レックス 戦場をかける
犬』『チューズデーに逢うまで』『ガントリビア99─知られざ
る銃器と弾薬』『M16ライフル』『AK―47ライフル』(いず
れも並木書房)がある。 
 
 
追記
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『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
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『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
加藤さんが監訳され、大反響を巻き起こしている
『チューズデーに逢うまで─介助犬と帰還兵の深い絆』
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監訳者の加藤喬さんが全4回にわたり
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きょうの記事への感想はこちらから
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日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専門用語があ
ります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日本人が自衛
隊のブリーフィングに出たとしましょう。「我が部隊は1300時
に米軍と超越交代 (passage of lines) を行う」とか「我が
ほう戦車部隊は射撃後、超信地旋回 (pivot turn) を行って離
脱する」と言われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」は
 "Repeat" ではなく "Say again" です。なぜなら前者は
砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍では建物の
「階」は日常会話と同じく "floor"ですが、海軍では船にちな
んで "deck"と呼びます。 また軍隊で 「食堂」は "mess 
hall"、「トイレ」は "latrine"、「野営・キャンプする」は 
"to bivouac" と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取りあげ、
軍事用語理解の一助になることを目指しています。
 
加藤 喬
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