こんにちは、エンリケです。
きょうから、創設以来最大規模の、
陸自大改編の話が始まります。
お知り合いやご家族に説明するときの
ことばを、渡邉さんの記事からGETして
お使いください。
さっそくどうぞ
エンリケ
▼渡邉さんへのメッセージは
http://okigunnji.com/url/169/
から。
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『ライター・渡邉陽子のコラム (196)
― 陸上自衛隊大改編(1)―
渡邉陽子
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〇〇さま
こんばんは。渡邉陽子です。今週から、今年3月に行なわれた陸上
自衛隊の大改編について、その詳細から課題までをご紹介します。
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○ライター・渡邉陽子とは?
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■陸上自衛隊大改編(1)
今年3月27日、25大綱で「統合機動防衛力」構築が打ち出されて以
来、陸自が取り組んできた大改革がついに始動しました。
25大綱とさっくり書いてしまいましたが、「?」という方のために
ご説明しておきます。
25大綱とは、「平成25年に決定した防衛計画の大綱」を略して表記
したものです。25大綱とか、防衛大綱とか、短く縮めて称されるこ
とが多いです。
では「防衛計画の大綱」とはなにかと言うと、おおむね10年程度の
期間を念頭に、わが国の防衛力の在り方と保有すべき防衛力の水準
を規定したものです。もう少し細かく言うと、装備品の取得や自衛
隊の運用体制の確立は一朝一夕にはできるものではなく、中長期的
な見通しで行なうことが必要です。この観点から、これからのわが
国の基本方針や防衛力の役割、自衛隊の具体的な体制の目標水準な
どを示したものです。
そしてこの大綱に示された防衛力の目標水準などを踏まえ、5ヵ年
間の経費の総額(の限度)と主要装備の整備数量を明示したものが
中期防衛力整備計画、いわゆる中期防です。
防衛大綱は1976年(51大綱)以来、5回策定されてきました。そし
て今年末に5年ぶりに見直される予定となっています。
新しい大綱では従来の尖閣諸島など南西地域の防衛や弾道ミサイル
防衛に加え、宇宙・サイバーなどの新領域への備えを強化、「多次
元横断(クロスドメイン)防衛構想」という新たな概念を提唱する
としています。
なお、25大綱は防衛省のHPで誰でも見ることができます。ご参考ま
でに。
平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について」及び「中期防衛力
整備計画(平成26年度~平成30年度)について
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/guideline/2014/index.html
さて、話を戻します。
わが国の防衛力のあり方は、51大綱の「基盤的防衛力構想」が長年
踏襲されてきました。
これは
“わが国に対する軍事的脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空
白となって我が国周辺地域の不安定要因とならないよう、独立国と
しての必要最小限の基盤的な防衛力を保有する”
という考えです。まさに冷戦時代ならではの方針といえます。
その後、冷戦が終結しわが国に対する本格的な侵略事態が起こる可
能性は低下する一方、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、
国際テロ組織などの活動を含む新たな脅威や多様な事態への対応が、
国際社会の差し迫った課題となりました。
そこで22大綱(民主党政権時代に策定されました)で新たに示され
たのが、警戒監視など普段からの活動を継続することや有事の際に
切れ目なく対応すること、さらに外国と協調した平和活動を推進す
ることを重視し、自衛隊の運用を高めることに重点を置いた「動的
防衛力」です。
さらに25大綱(自民党政権となったので22大綱からわずか3年で策
定されました)では、運用を重視した「統合機動防衛力」として、
安全保障環境に即した部隊配置と機動的な部隊展開能力の構築を目
指しました。ストレートに言えば、「中国との緊張が高まっている
ため、その現場となっている南西諸島方面の防衛力を強化」すると
いうことですね。テロも弾道ミサイルも危険ですが、なんといって
も現在の日本の最大の脅威は中国です。
ここで特に重視されたのが、島しょ部に対する攻撃への対応です。
現在は、尖閣諸島周辺における中国船籍の領海侵入が恒常化してお
り、これは異常な事態といえます。領空侵犯した航空機は撃墜され
るもあるというのに。
この現状に対応すべく、即応機動する陸上防衛力を目指して、部隊
等の新編・改編を行なうこととなったのです。
具体的には「指揮統制能力の強化」、「作戦基本部隊の改編」、
「水陸両用機能の整備」、「警戒監視能力等の強化」、「体制改革
を支える教育訓練研究体制の充実」の5点を柱としています。次週
から、これら5点についての詳細をご紹介します。
(以下次号)
(わたなべ・ようこ)
□著者略歴
渡邉陽子(わたなべ・ようこ)
神奈川県出身。大学卒業後、IT企業、編集プロダクション勤
務を経て2001年よりフリーランス。2003年から月刊
『セキュリタリアン』『MAMOR』などに寄稿。
現在は自衛隊関連の情報誌などで記事を発表。メルマガ「軍事
情報」で自衛隊関連の記事を配信中。
2016年6月、デビュー作
『オリンピックと自衛隊 1964-2020』
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を刊行。
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