配信日時 2018/08/17 20:00

【加藤大尉の軍隊式英会話】◆「ロシア軍最強兵器編─スホイ27戦闘機」(1)

────────────────────
ライターの平藤清刀です。陸自を満期除隊した即応予備自衛官
でもあります。
お仕事の依頼など、問い合わせは以下よりお気軽にどうぞ
 
E-mail hirafuji@mbr.nifty.com
WEB http://wos.cool.coocan.jp
────────────────────

〇〇〇〇さま

こんにちは。エンリケです。

加藤さんが翻訳した武器本シリーズ最新刊が出ました。
今回はAK-47です。

『AK-47ライフル』
G.ロットマン (著), 床井 雅美 (監修), 
加藤 喬 (翻訳)
http://amzn.to/2FVniAr
※大好評発売中


きょうも面白いです。

さっそくどうぞ。


エンリケ


追伸
ご意見ご質問はこちらから
http://okigunnji.com/url/169/


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
加藤大尉の軍隊式英会話     Takashi Kato

◆「ロシア軍最強兵器編─スホイ27戦闘機」(1)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

□今週の「トランプ・ツイッター」

 「海外派遣された自衛官に死傷者がでたら、時の内閣が吹っ飛ぶ」
と、政治家らが漏らしたそうです。情けない発想だと、わたしは
思います。自衛隊は「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責
務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」との決意をもっ
たプロフェッショナル集団。海外派遣であろうとなかろうと、戦
闘状態であろうとなかろうと、現代の防人たちは最悪の事態も想
定済み。軍人とはそういうものです。

 国が将兵を危険な任務に送り出す以上、負傷したり戦死したり
する者はいつか必ず出ます。このような事態に直面した際、帰還
兵や戦傷復員兵、戦死者の家族らがまずなにより望むのは、日本
国と同胞市民からの理解であり、感謝と尊敬であり、補償でしょ
う。精神、物質両面で官民一丸の支えがあってこそ、兵士らは命
懸けの献身ができるのです。

 政治家、ことに最高司令官たる内閣総理大臣には、自衛官らが
いだくこういった希求を裏切らない度量と勇気、そして自衛隊任
務貫徹をバックアップする揺るがぬ決意が求められます。

 今回のツイッターでトランプ最高司令官が言及しているのが、
まさにこの点です。パープル・ハートとは、作戦行動によって死
傷した米軍将兵に授与されるメダルで「名誉戦傷章」と呼ばれま
す。同勲章が制定されてから236年目の記念日にあたり、大統領
自ら、死傷した米軍人に敬意を表し、国家と国民への貢献に感謝
しているのです。

Today, on the 236th anniversary of the Purple Heart, we 
honor the members of our Armed Forces for serving as the 
vanguard of American democracy and freedom around the 
world. #PurpleHeartDay

(本日、名誉戦傷章制定から236年目の記念日にあたり、アメリ
カ民主主義と世界における自由の前衛となった米軍将兵に敬意を
表する)


 それでは本編に入りましょう。

 中国が外洋海軍(blue-water navy)を目指し空母(aircraft 
carrier)の配備を進めています。ウクライナから購入、改装した
「遼寧(りょうねい)」は練習空母として2012年就役。現在は駆
逐艦やミサイル・フリゲート艦などを従えて遠洋訓練を実施して
いるようです。

 純国産空母は4隻が建造中または計画中で、内2隻は原子力推
進になる可能性があるとか。どうやら中国はアメリカの空母打撃
群(carrier strike group)を念頭に、戦略海軍部隊の構築を目
指しているようです。

 「遼寧」の艦載機に選ばれたのが殲撃-15(J-15)。本ビデオに
登場するスホイ27の艦上戦闘機版スホイ33をもとに中国が開発し
た機体です。

 スホイ27はアメリカのF-15の対抗馬として開発され、長大な航
続距離と機動性、武器搭載能力を誇ります。ステルス性能では第
5世代ジェット機に遠く及ばないものの空戦機動には優れたもの
があり、有視界飛行に持ち込むことができれば太刀打できる可能
性があります。

 そのひとつが空戦機動「コブラ」。航空ショー向けのパフォー
マンスとも言われますが、水平飛行中に高度と方向を変えずに急
減速するマニューバーで、後ろについた敵機をかわす場合に有効
だと思われます。

 殲撃-15がスホイ27の空戦性能を受け継いでいるとすれば、空自
のF-15にとって侮れない存在と言えるでしょう。


教材ビデオ:
https://www.youtube.com/watch?v=-24MjcONrQ0&t=5s

基本語彙(カタカナ発音表示はおおざっぱなものです)
Counter(カウンター)対抗する
Formidable(フォーミダブル)手強い
Variants(バリアント)改良型
Backbone(バックボーン)基幹、中心、屋台骨

シナリオ(カウンターを 00:50に合わせてください)

Developed to counter the F-15, Su-27 design has evolved into 
one of the most formidable fighter aircrafts in the world. 
(F-15に対抗するために開発されたスホイ27は、世界でもっとも
手強い戦闘機体系に進化していった)

The current variants, the Su-30, Su-34 and Su-35 will form 
the backbone of the Russian Air Force into the next few 
decades.
(最新の改良型であるスホイ30、34および35は、次の数十年間、
ロシア空軍の主力となろう)

英語一言アドバイス:
backboneは「基幹」とか「中心」、「主力」とかいった意味です。
屋台骨という訳もあります。たとえば「今日でも、米軍の大陸間
弾道弾は国防の主力だ」なら “Even today, America’s ICBMs 
are the backbone of national defense”になります。
“Father was once called the backbone of the family”は、
「その昔、父は一家の大黒柱と呼ばれた」と言うところでしょうか。

発音サイト: backboneの発音 https://www.howtopronounce.com/backbone/

参考サイト: 
スホーイ27
https://ja.wikipedia.org/wiki/Su-27_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
空戦機動「コブラ」 
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%96%E3%83%A9_(%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%90)
空戦機動「コブラ」動画
https://www.youtube.com/watch?v=kcLavSl58yQ
スホーイ30
https://ja.wikipedia.org/wiki/Su-30_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
スホーイ35
https://ja.wikipedia.org/wiki/Su-35_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%E3%83%BB%E5%88%9D%E4%BB%A3)



加藤喬(たかし)


●著者略歴
 
加藤喬(かとう・たかし)
元米陸軍大尉。都立新宿高校卒業後、1979年に渡米。アラスカ
州立大学フェアバンクス校他で学ぶ。88年空挺学校を卒業。
91年湾岸戦争「砂漠の嵐」作戦に参加。米国防総省外国語学校
日本語学部准教授(2014年7月退官)。
著訳書に第3回開高健賞奨励賞受賞作の『LT―ある“日本
製”米軍将校の青春』(TBSブリタニカ)、『名誉除隊』
『加藤大尉の英語ブートキャンプ』『レックス 戦場をかける
犬』『チューズデーに逢うまで』『ガントリビア99─知られざ
る銃器と弾薬』(いずれも並木書房)がある。 
 
 
追記
『AK-47ライフル』
http://amzn.to/2FVniAr
※大好評発売中

『M16ライフル』発売中♪
http://amzn.to/2yrzEfW

『ガントリビア99』発売中!
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633456/
 
『アメリカンポリス400の真実!』発売中
https://www.amazon.co.jp/dp/4890633405
 
『チューズデーに逢うまで』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063326X
 
『チューズデーに逢うまで』関係の夕刊フジ
電子版記事(桜林美佐氏):
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150617/plt1506170830002-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20150624/plt1506240830003-n1.htm
 
『レックス 戦場をかける犬』発売中
http://www.amazon.co.jp/dp/489063309X 
 
『レックス 戦場をかける犬』の書評です
http://honz.jp/33320

オランダの「介護犬」を扱ったテレビコマーシャル。
チューズデー同様、戦場で心の傷を負った兵士を助ける様子が
見事に描かれています。
ナレーションは「介護犬は目が見えない人々だけではなく、
見すぎてしまった兵士たちも助けているのです」
http://www.youtube.com/watch?v=cziqmGdN4n8&feature=share
 
加藤さんが監訳され、大反響を巻き起こしている
『チューズデーに逢うまで─介助犬と帰還兵の深い絆』
の映画化が決まりました!!
 
http://okigunnji.com/url/j06kg2eq/
 
 
監訳者の加藤喬さんが全4回にわたり
『チューズデーに逢うまで─介助犬と帰還兵の深い絆』
の魅力をお伝えするメルマガはこちらです
 ⇒ http://okigunnji.com/url/ljhct2ax/ 
※無料です
 
 
 
きょうの記事への感想はこちらから
 ⇒ http://okigunnji.com/url/169/
 
 
---------------------------------------
 
日本語でも英語でも、日常使う言葉の他に様々な専門用語があ
ります。
軍事用語もそのひとつ。例えば、軍事知識のない日本人が自衛
隊のブリーフィングに出たとしましょう。「我が部隊は1300時
に米軍と超越交代 (passage of lines) を行う」とか「我が
ほう戦車部隊は射撃後、超信地旋回 (pivot turn) を行って離
脱する」と言われても意味が判然としないでしょう。
 
 同様に軍隊英語では「もう一度言ってください」は
 "Repeat" ではなく "Say again" です。なぜなら前者は
砲兵隊に「再砲撃」を要請するときに使う言葉だからです。
 
 兵科によっても言葉が変ってきます。陸軍や空軍では建物の
「階」は日常会話と同じく "floor"ですが、海軍では船にちな
んで "deck"と呼びます。 また軍隊で 「食堂」は "mess 
hall"、「トイレ」は "latrine"、「野営・キャンプする」は 
"to bivouac" と表現します。
 
 『軍隊式英会話』ではこのような単語や表現を取りあげ、
軍事用語理解の一助になることを目指しています。
 
加藤 喬
----------------------------------------
 
 
PS
弊マガジンへのご意見、投稿は、投稿者氏名等の個人情報を伏
せたうえで、メルマガ誌上及びメールマガジン「軍事情報」が
主催運営するインターネット上のサービス(携帯サイトを含む)
で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承くださ
い。


最後まで読んでくださったあなたに、心から感謝しています。
マガジン作りにご協力いただいた各位に、心から感謝しています。
そして、メルマガを作る機会を与えてくれた祖国に、心から感謝
しています。ありがとうございました。

-----------------------------------------
メールマガジン「軍事情報」
発行:おきらく軍事研究会
(代表・エンリケ航海王子)

メインサイト:
http://okigunnji.com/

問い合わせはこちら:
http://okigunnji.com/url/169/

メールアドレス:
okirakumagmag■■gmail.com(■■を@に置
き換えてください) 
------------------------------------------

配信停止はコチラから
https://1lejend.com/d.php?t=test&m=example%40example.com
 
----------------------------------
投稿文の著作権は各投稿者に帰属します。
その他すべての文章・記事の著作権はメー
ルマガジン「軍事情報」発行人に帰属し
ます。

Copyright (C) 2000-2018 GUNJIJOHO All rights reserved.