配信日時 2026/05/10 22:00

第867回 「正しさ」という狭い檻から、自由になるために


〇〇〇〇さん

起業家・経営者の皆さま、本日もお疲れ様です。坂佐井です。

先日、私たちが運営するコミュニティ「まちビズ」で交流イベントを開催しました。

多くの熱気と笑顔が溢れる素晴らしい時間でしたが、終了後、ある参加者の方から非常に鋭い「苦言」をいただきました。


それは、「一部の会員の態度が悪く、人の話を聞いていない。そんな姿は子どもたちに見せられないし、新しく人を誘うこともできない」という趣旨のものでした。


運営代表として、耳の痛いお話です。

マナーの向上は常に考えなければならない課題です。

しかし同時に、私は経営者として、あるいは一人の人間として、別のことも考えていました。


それは、「私たちは、たった一面を切り取って、すべてを判断してはいないか?」ということです。


■ 「正しさ」は、見る角度で姿を変える

「騒がしくて話を聞かない大人」という切り抜き方をすれば、確かにそれは「不真面目」に見えるかもしれません。

しかし、別の角度から見れば、それは「立場を超えて本音で語り合い、エネルギーが爆発している場」とも言えます。


他にも、受付のスタッフが心を込めて用意したチラシを無意識に受け取らずに通り過ぎていました。

スタッフから見れば、それは「配慮に欠ける行動」に映ったかもしれません。

ですが、私はそれを責めるつもりはありません。

なぜなら、人間は誰しも「自分の正義」というフィルターを通してしか世界を見ることができないからです。


■ 完璧な人間なんて、どこにもいない

私の亡き母は、よくこんなことを言っていました。

「世の中に『良い人』も『悪い人』もいない。いるのは『良い心』を持っていて、同時に『悪い心』も持っている、ただの人間なんだよ」


この言葉は、今の私の経営哲学の根幹にあります。

ビジネスコミュニティも、会社も、そして社会も、完璧な人間が集まる場所ではありません。


仕事はできるけれど、少しガサツな人。

礼儀正しいけれど、新しい一歩が踏み出せない人。

熱すぎるあまり、周りが見えなくなってしまう人。


そんな「凸凹(でこぼこ)」を持った大人たちが、お互いの欠損を許容し合い、それでもなお「働くって楽しいよね」と笑い合っている。

それこそが、子どもたちに見せるべき「リアルな大人の背中」ではないかと私は思うのです。


■ 切り捨てるのではなく、視点を広げる

「あんな態度はダメだ」と一部分だけを見て切り捨ててしまうのは簡単です。

しかし、経営者にとって大切なのは、その裏側にある背景や、相手が持つ別の「良い心」を想像する力ではないでしょうか。


100点満点の人間関係も、100点満点の組織も存在しません。

だからこそ、私たちは「自分の視点だけが正解ではない」という謙虚さを持ち続けたいものです。


「正しさ」を振りかざして誰かを裁くよりも、「多様さ」を面白がって共に進む。

そんな器の大きなコミュニティを、これからも皆さんと一緒に作っていきたいと考えています。


最近、ジュニア起業部の活動などを通じて子どもたちと接する機会が増えています。

彼らに「大人は自由で、不完全で、でも最高に楽しそうだ!」と思ってもらえるよう、まずは私自身が一番、凸凹を楽しんでいこうと決意を新たにしました。


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