〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。


今回は、旧約聖書に登場するモーセの後継者、「ヨシュアの物語」から、一神教と日本の多神教の文化や価値観の違いを考察します。


モーセの後継者、ヨシュアの使命

預言者モーセは、神との約束の地カナンを目前にしてその生涯を終えます。

その後を継いだのがヨシュアです。

彼の使命はただ一つ、カナンにいるすべての住民を追い払い、イスラエルの国を築くという神の命令を果たすことでした。


エリコ攻防戦：奇跡と「聖絶」の戦い

ヨシュアが最初に攻め落とそうとしたのが、堅固な城壁を持つエリコの町です。


城壁の崩壊：イスラエル軍は、神の指示に従い、契約の箱を先頭に角笛を鳴らしながらエリコの城壁の周りを7日間回りました。

7日目に一斉に叫び声を上げると、難攻不落の城壁が突如崩れ落ちるという奇跡が起こります。


考古学的な考察：この城壁の崩壊は、地質学的には「地震」や「地滑り」が原因であった可能性が指摘されており、聖書に記された出来事が史実と関連づけて論じられることもあります。

住民の皆殺し：崩壊後、イスラエル軍はエリコの住民を老若男女、さらには家畜に至るまで滅ぼします。

これは「聖絶（ヘレム）」と呼ばれる、神の敵を根絶やしにする行為であり、ヨシュアは次々とカナン地方の都市を攻め、最終的に31の王を滅ぼしてカナンを統一しました。


【考察】一神教の「正義」と日本の文化

ヨシュアの行動は、イスラエル民族にとっては約束の地を取り戻した**「正義」であり、神の命令を果たした英雄**として称賛されます。

しかし、この物語は、日本人（多神教・八百万の神の文化）にとっては、倫理的な疑問を投げかけます。


視点


一神教（イスラエル）の視点

正義の捉え方 神の命令は絶対的な「正義」。敵はすべて「悪」。
敗者への扱い 敵は徹底的に滅ぼす。
生き方 自分たちの正しさを追求する**「競争」**の思想。

日本（多神教）の文化

正義の捉え方　　敵であっても、命を奪うことには慎重。
敗者への扱い　　「たたり」を恐れ、敗者や滅ぼした民族を丁重に祀る（例：出雲大社が最古の建築物として壮大に造営されたのは、滅ぼした出雲族への配慮という説もある）。
生き方　　　　　「和を以て貴しとなす」の精神（聖徳太子）に見られるように、調和や協調を重んじる。



一神教の信仰が「自分たちの神が一番正しい」という思想を生み出す一方で、日本の多神教の文化は、異なる文化や信仰を柔軟に取り入れ共存させる姿勢（神仏習合など）を育んできました。

ヨシュアの物語は、単なる歴史や神話ではなく、現代にも続く世界観や価値観の根源を知るための重要な手がかりを与えてくれます。

皆さまは、この物語からどのような「生き方」を考えますか？


次回は、これまでの物語を振り返り、現代のビジネスや生き方につながる「一神教×多神教」の考え方をさらに深掘りしていきます。どうぞお楽しみに！


【次回予告】

5月開催予定：第7回 まとめ回（天地創造からヨシュアまで）



【動画で見たい方はこちら】

【西欧神話×生き方 入門6】「英雄」ヨシュアの物語に見る一神教と多神教の視点はこちら＞＞　https://www.youtube.com/live/47Ug2QxmZgo?si=yCux1eUDduCEgQzO




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