配信日時 2023/06/08 22:00

【号外版】「ローマ帝国滅亡編」~第8話~ ローマ帝国の滅亡



〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
「ローマ帝国滅亡編」~第8話~ ローマ帝国の滅亡



 西暦732年 トゥール・ポワティエ間の戦いで、イスラム軍を破った。
 西暦751年 カールの子であるピピンによって、メロヴィング朝を廃し「カロリング朝」をおこした。
 西暦800年 教皇レオ三世がカール大帝(ピピンの子)にローマ皇帝の帝冠を授ける。  
 西暦843年 ヴェルダン条約を結ぶ。
 西暦870年 メルセン条約を経て、王国は3国に分裂。



=衰えながらも続いた東ローマ帝国=


 
4世紀末以降のゲルマン民族の大移動で、西ローマ帝国は滅亡したが、黒海北岸の穀倉地帯と結びつく経済都市コンスタンティノポリスを首都とする「東ローマ帝国」は、財政・軍事が安定していた。

 

そして西が滅亡した後も、「ビザンツ帝国」として、1000年もの長きにわたって、存続することになった。

 

皇帝権の継承者として、ビザンツ帝国は旧ローマ帝国領の東部だけではなく、滅亡した西ローマ帝国の後釜に座った西欧のゲルマン諸部族にも、権威を認めさせていたのである。

 

前回紹介したカール大帝も、東ローマ皇帝に従属し、その権威を利用したのである。

 

そんなビザンツ帝国は、前に伝えた6世紀半ばの皇帝ユスティニアヌス帝が、ローマ帝国を再建したり、7世紀にはイスラム勢力の征服活動に悩まされたが、高度の軍事体制を整え、キリスト教世界の防波堤の役割を果たしていた。

 

11世紀になると、バルカン半島でスラブ民族の南下が進み、帝国のスラブ化が進んでしまう。
東方ではセルジューク朝の勢力が強まって、小アジアの奥深くまで侵入してきたが、十字軍の力を借りなければ、撃退できなかった。

 

それでも12世紀のコンスタンティノポリスは、大経済都市として繁栄し、約100万人の人口を擁したという。
 
 
 
=十字軍の遠征により、混乱する東ローマ帝国=


 
セルジューク朝とは、11世紀に中央アジアのトルコ人が、イスラム世界に侵入して建国した遊牧トルコ人の国家である。
 
 

そのセルジューク朝は、イスラム教の「カリフ」(神の使徒=マホメットの代理人)に歓迎を受け、「スルタン」(権威の意味)の称号をいただくまでになる。

 

スルタンは、トルコ人将校に土地の支配権を与え、兵士を養わせた。
その結果トルコ人は大領地を獲得して、イスラム世界の支配民族となる。

 

イスラム世界を制覇した遊牧トルコ人は、領地を求めてビザンツ帝国領の小アジアへの侵入を繰り返した。それにより、エジプト・シリアを奪い、キリストイスラム教の聖地エルサレムまで占領したのである。

 

これに対抗できないビザンツ皇帝は、宗教上の対立関係にあったローマ教皇に支援を求め、その結果、派遣されたのが十字軍なのである。

 

このときの教皇ウルバヌス2世は、非常に野心家であったと伝えられている。
ウルバヌス2世は、東西教会の統一と、西ヨーロッパ世界における教皇権の強化を目的として、1096年夏の遠征開始を決議した。

 

ウルバヌス2世は雄弁に「聖地エルサレムは、乳と蜜の流れるところ、この地で不幸なものは、彼の地で幸せを得るであろう」と説いた。

 

そして群衆は「神はお望みだ」と叫んで熱狂し、以後13世紀までイスラム教徒に対する聖戦(十字軍)が続けらることに・・・

 

十字軍は十字のしるしをつけ、イエスの受難(十字架の道行き)を追い体験することで、自分の罪をあかなおうとする武装した聖地巡礼だった。

 

第1回目の遠征こそ、エルサレムの奪回に成功したが、それは聖戦とはいえないような残虐なものであった。
イスラム教徒の住人5万人のうち、4万人を殺害したえげつない戦いであったといわれている。

 

その後2回・3回と遠征するも失敗し、4回目には、ビザンツ帝国の首都、コンスタンティノポリスを占領し、ヴェネツィアやジェノバの商人が経済の覇権を握り帝国は、バルカン半島のほんの一部を支配するにすぎなくなる。

 

スラブ民族の侵入に対し十字軍を送り込んで、侵入を防いだまではよかったが、その十字軍に占領されるとは皮肉なもんである(笑)

 

そして十字軍はというと、その後、少年十字軍を結成するも、悪徳商人の手で、奴隷として売り払われてしまう。
さらに5回・6回・7回と十字軍が派遣されたが、いずれも失敗に終わった。

 

この結果、一時教皇権は強大になったものの、聖地の奪回に失敗したことから最終的には失墜した。
ビザンツ帝国も衰退した。では誰が潤ったのだろうか?

 

それは、十字軍兵士の輸送に携わったヴェネツィア・ジェノバなどのイタリア諸都市が、東方貿易で急速に成長したのである。

 

これが交易圏の拡大となり、後のルネサンスや大航海時代へと続いていくんですね。


 
=コンスタンティノポリスの陥落=
 

 
14世紀半ばになると、十字軍により衰退してしまったビザンツ帝国は、近隣諸国のかっこうの狙い場所となってしまう。

 

バルカン半島とアシアの一帯は、全てオスマン帝国の勢力化に入っていた。
2200年にも及ぶ長い歴史の中で、ローマ帝国は初めて、強大な勢力に取り囲まれたことになる。

 

当時皇帝であったマヌエル2世と、それに続くコンスタンティヌス11世は、自らヨーロッパ諸国を訪ね歩き援軍の要請を行ったが、東方正教を国教としていたため、カトリックを国教とする西ヨーロッパから賛同は得られなかった。

 

西暦1453年4月、オスマン帝国のスルタン・メフメト二世が、10万の大軍を引き連れコンスタンティノポリスへ進軍した。

 

東ローマ側はなんと7.000人の兵士しか残されていなかったという。

 

しかしコンスタンティノポリスの守りは固く、10万の兵をもってしても陥落は難しかった。

 

5月29日、夜明けとともにオスマン帝国軍の総攻撃が陸海両面から始まった。
 
 

堅牢な城壁をどう破ったのかは、諸説がいくつもある。

 

一つには、ボスフォラス海峡から金角湾にいたる数十キロの山道に密かに木道を作らせ、夜陰にまぎれて72隻の軍艦をたくさんの馬と人力で移動させて鎖で閉鎖されていた金角湾に浮かべるという戦術である。

 

城壁がなく一番弱い港からの奇想天外の攻撃を試みた戦法だった。
これが「トルコ艦隊山を越える」という有名な話しである。

 

もう一つは、給料面で折り合わずビザンツ帝国から、オスマン帝国に仕官したハンガリー技術者ウルバンが、モンスターと呼ばれる砲身が26フィート8インチ砲弾の重さが1344ポンドにも及ぶ巨砲を製造させたのである

 

当時の新型化学兵器ともいうべき大砲の登場である。
この巨砲は、60頭の牛と200人の兵士が引かなければ、てこを使っても動かなかったという。

 

これが難攻不落を誇ったコンスタンティノポリスの城壁に亀裂を入れさせ、トルコ兵士がなだれ込むきっかけをつくったという・・・

 

またこれには別の話があって、それでも城壁は耐えれるほど堅牢だったとも伝えており、真相は定かではない・・・

 

そして最後の一つが、なんと城門の一つのカギの閉め忘れであったという。 
そこからトルコ軍がなだれ込んだという話もある(笑)

 

ともかく、堅牢誇った城壁にも、トルコ軍の攻撃に耐え切れず、ついに城内へとなだれ込ませてしまった。

 

そのトルコ軍の兵士達の前に立ちはだかったのは、皇帝の衣装を脱ぎ捨てて剣を握り締めたコンスタンティヌス11世であった。

 

しかし兵士達はそれが皇帝だとは気づかずに、彼を撃ち殺した。

 

この瞬間に、トロイア戦争で生き延びたアイネイアスから始まり、カエサルアウグストゥスが帝政を作り出したローマ帝国は、その約2.200年の歴史に幕が下ろされたのであった!!

 

このころ、西ヨーロッパでは、ルネサンスが花開き、大航海時代が始まろうとしていた。

 

ローマ帝国最後の首都コンスタンティノポリスは、破壊されることなく、イスタンブールと改名されて、オスマン帝国の都となり、このローマ帝国第2の首都は、現在に引き継がれているのである・・・つづく
 


さて次回は、西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みの総括をさせて頂きます。
お楽しみに~



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