〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　「ローマ帝国滅亡編」～第2話～　テオドシウス帝の治世



　西暦361年　軍人出身のユリアヌスが皇帝に就く。

　
　

＝テオドシウス帝とキリスト教＝

　
　
西暦379年、東の皇帝になったテオドシウス一世は、キリスト教ニカイア派を国教と定め、西暦392年には、他の宗教を全て、禁止した。



この時期、北方からの蛮族の侵入が活発で、ローマ帝国は混乱に陥っていたためである。

　

この衰退へと向うローマ帝国の皇帝にとって、自分の支配権の確保と、帝国の繁栄のためには、自らをキリスト教の伝道者と、位置づけることが必要だったのだ。

　

熱心な正統派キリスト教徒になり、国教と定めたテオドシウス帝は、異教ばかりか、キリストの神性を否定する同じキリスト教のアリウス派をも弾圧したのである。

　

コンスタンティヌス帝からキリスト教は国教とはなったが、どうも、皇帝たちは、キリスト教を政治の道具にしているように思える。
まさに政策の切り札！！

　

キリスト教徒たちは、どう思っていたんでしょうかね！？


　
＝西ゴート族全面降伏＝



蛮族の侵入の一番は、ゲルマン民族である。
彼らは安住の地を求めて、家族と家財を牛車に乗せ、家畜の群れを従えてローマ帝国内へと、侵入してきたのである。

　

老王アタナリック率いる西ゴート族も、そんなゲルマン民族の一派だった。

　

しかしアタナリックには、戦うことは望んでいなかった。
というよりも、東からやってきたフン族に追われて、仕方なしに移住して来たのである。

　

フン族とは、アジアの遊牧騎馬民族で、２世紀頃に東ヨーロッパに移動してきた。
更に４世紀には西進し、これがゲルマン民族の大移動の原因となったのである。

　

老王アタナリックは、和議に応じる姿勢を見せたため、テオドシウス帝とコンスタンティノポリス郊外で、会見をし、無用な争いを避けることで合意して、アタナリックをコンスタンティノポリスへ迎え入れたのである。

　

西暦382年、西ゴート族は全面的に降伏した格好となったのである。



＝ローマ帝国、ついに東西分裂に＝

　
　
西暦383年、西の皇帝グラティアヌス帝が戦いに敗れて死去した後、ヴァレンティニアヌス２世とマクシムスが、西の皇帝となった。

　

つまりローマ帝国は、東のテオドシウス帝と西のイタリア本土を統治するヴァレンティニアヌス２世と、アルプス北方を統治していたマクシムスという、３人の皇帝が統治する形となってしまった。

　

当然こんな3つどもえの時代が長く続くはずもなく、西暦387年、ついにマクシムスは、軍団を率いてイタリア本土へ侵入した。

　

マクシムスのこの行為に、テオドシウス帝が討伐に立ち上がった。

　

戦いはあっけなく終わり、マクシムスは捕えられ、斬首されたという。
こうして、東と西の皇帝による共同統治が甦ったが、東の皇帝、テオドシウス優位は、動かしがたかったのである。

　

だがこれで内戦が終わったわけではなかった。
今度はフランク族の出身の勇将アルボガステスが、西の正帝ヴァレンティニアヌス２世を殺害するという事件が起きた。

　

これにより再びテオドシウス帝は、軍団を率いてアルボガステス討伐に向った。

　

しかし戦いは、アルボガステス率いるガリア軍が優勢にたち、テオドシウス軍は敗走する。

　

だがここで、敵の中に内通者がいて、テオドシウス軍に寝返るという報告が入った。
これで息を吹き返したテオドシウス軍は、戦いに勝利し、アルボガステスは、自刃して果てたのである・・・

　

西暦394年、テオドシウス帝はミラノに入城し、ローマ帝国は、再び統一されたのである。

　

だがテオドシウス帝はすでに、病魔に冒されていた。
彼は死の間際に、長男アルカディウスを東の皇帝に、次男のホノリウスを西の皇帝に指名し、兄弟で帝国を二分して、統治するという遺言を残した。

　

この分割以後、東西のローマは二度と統一されることはなく、異国同士となるのである。

　

東ローマ帝国は、皇帝の力が強くなり、安泰の道を辿っていくのに対し、西ローマ帝国は、蛮族の侵入に怯え、軍部や大地主や教会までが、政治に口を出してくる。
皇帝の力が弱くなっていったのである・・・

　

そしてこの東西ローマ帝国は、まったく異なる運命を辿っていくのである。・・・つづく

　

さて次回は、東西に分かれたローマ帝国のその後を追っていく。
お楽しみに～




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