〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
　「ローマ帝国とキリスト教編」～第20話～　キリスト教を迫害し続けた皇帝ディオクレティアヌス



　西暦212年　カラカラ帝がアントニヌス勅令を出し、帝国の全住民に
　　　　　　　 ローマ市民権をあたえる。

　西暦216年　カラカラ浴場が建設される。

　西暦235年　アレクサンデル帝が暗殺され、セヴェルス調は途絶える。

　西暦235年　軍人皇帝の時代が始まる（～284年）

　
　

　＝ディオクレティアヌスの統治＝

　
　
西暦235年から284年にかけての50年間に、公式の手順をふんで皇帝になったものは、およそ20数名。
それぞれの治世は短く、多くは非業の死をとげた。

　

20名の皇帝のうち、暗殺などの非業の死をとげた者13人、戦死が3人、自殺が2人、捕虜となって死んだ者1人、病死したのはわずかに1人である。

　

まあひどい世ですな・・・この50年間は、ローマ史上最低最悪の時代である。

　
　

50年間にもわたった軍人皇帝の時代を終結させ、疲弊しきったローマ帝国を、立て直したのが、ディオクレティアヌスだった。

　

彼はなんと、解放奴隷の子という出身であり、皇帝になるなんて、到底叶わない地位にあった。
しかし、彼には溢れんばかりの才能と、まあ運も強かったというのもあるでしょう。

　

モエシア属州の総督、コンスル、親衛隊長といった要職を歴任した。
なかでも素晴らしかったのが、ペルシアとの戦いでみせた業績で、これが前帝のヌメリアヌスの目に止まり、皇帝に推挙されたのである。

　

皇帝となったディオクレティアヌスは、政治の安定化を図るために、皇帝を、ユピテル神やヘラクレスを守護神として、地上へ降り立った神の代理人に、自ら格上げし、権力と威厳を集中させたのである。

　

彼は自分を「主にして神」と呼ばせ、元老院を形骸化させ、会議は参加者全員を、起立させたまま行った！！
この政治体制を、専制君主制という。

　

この政策は、再びローマ帝国をまとめるには、有効な手段ではあったが、ここで問題になるのが、キリスト教であった・・・

　

一神教のキリスト教にとって、、ディオクレティアヌスを「神」と呼ぶのは、とてもじゃないが、承服できる言葉ではない。

　

またディオクレティアヌスも、キリスト教を認めることはできなかった。
ディオクレティアヌスは、教会の破壊、聖書の没収、聖職者の逮捕・追放など、多岐に渡り、激しい弾圧が行われたのである。


　
＝ローマ帝国の四分割統治＝


　
ディオクレティアヌスは、いかに皇帝の権力をもってしても、広大なローマ帝国を、一人で支配するには、無理だと考えた。

　

そこでローマ帝国を東西に分け、自らは東ローマを統治し、僚友のマクシミアヌスを西ローマ専従の皇帝に任命、コンスタンティニヌスとガレリウスの二人を副帝に任命し、正帝を補佐させる四分割統治を、考え出した。

　

そして、ディオクレティアヌスの副帝ガレリウスを養子とし、コンスタンティニヌスを、マクシミアヌスの養子にさせ、その上で副帝たちを離婚させ、自分の娘と結婚させたのである・・用意周到ですねえ

　

東のディオクレティアヌスは、トラキア・エジプト・アシア。副帝のガレリウスはイリュリクム諸属州を、西のマクシミアヌスはイタリア・アフリカ。副帝のコンスタンティウスはガリア・ヒスパニア・ブリタニアを担当した。

　

四分割統治といっても、あくまでもディオクレティアヌスの下にマクシミアヌスが位置し、副帝も含めてディオクレティアヌスが、指導する立場にあった。

　

また属州の総督から軍事的権限を奪い、軍隊は全く別系統の指揮下に置かれることになった。
これにより、軍部の反乱を未然に防ぎ、他州が蛮族に侵攻されたり、反乱が起きたときには、迅速に軍隊を派遣できるようになった。

　

これだけローマも大きくなると、内から崩れることを、防衛しなければならなくなっていたんですね・・・

　

キリスト教を迫害し、自分を「主にして神」と呼ばせたディオクレティアヌスも、健康を害し、西暦305年に退位することに・・・

　

このとき、キリスト教のサンタ・ルチアが、ローマ帝国にまさに、最後の抵抗をしていた・・・

　

　
さて次回の「西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み」は、キリスト教がローマ帝国に、認められるまさに、最後の殉教者となったサンタ・ルチアのお話しを、お送りする。
お楽しみに～



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