配信日時 2023/01/26 22:00

【号外版】「ローマ帝国とキリスト教編」~第13話~ 5賢帝・ハドリアヌス帝

 ☆西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
 「ローマ帝国とキリスト教編」~第13話~ 5賢帝・ハドリアヌス帝



 西暦100年 北アフリカのタムガディ(ティムガッド)にローマの殖民都市
       が建設される。

 西暦101年 ダキア戦争が始まる(~106年)

 西暦117年 トラヤヌス帝が死去する。

 
 

 =ハドリアヌスの即位=



この5賢帝の時代は、平和な世の中ではあったが、皇帝の後継者選びには若干の問題があった。

 

トラヤヌス皇帝は、後継者の指名をしないまま亡くなったことに、様々なスキャンダルネタが取り沙汰されている。

 

実はハドリアヌスが選ばれた理由には、一見すると、トラヤヌスの従姉弟の子供であり、ローマで様々な教育を受け、政治的な才能もあったので、端から見ても、不思議ではなかったが、男女関係が理由という説がある。

 

ハドリアヌスの妻となったサビーナは、美女であったと伝えられている。
しかしハドリアヌスには、別に好きな女性がいた。
それがなんと、トラヤヌス帝の妻、プロティナであった!!

 

なんだか、おもしろい話しになってきたと思いませんか(笑)

 

前回お話ししたと思うが、トラヤヌスは男色であった可能性がある。
それが理由で、トラヤヌス帝には子供が出来ず、後継者選びが出来なかったと言われている。

 

男色の夫では、男と女の関係にはならず、トラヤヌスの妻、プロティナは、恋を寄せるハドリアヌスに、気持ちが揺らぐのも仕方がない。

 

また、そんな妻とハドリアヌスの事を、皇帝という権力を持つトラヤヌスが知らないわけはない。

 

実は3~4世紀にかけて書かれた歴史書には、次のようなくだりがある。

 

「ハドリアヌスはトラヤヌスにとって、妹の孫娘の夫であると同時に、従姉弟の子供でもあったが、トラヤヌスは、彼を養子にするつもりはなかった」

 

「トラヤヌスは、ハドリアヌスを養子にしなかった。トラヤヌスの死を看取った妻プロティナが、遺書を改ざんしたのだ」

 

上記の内容を全て信じるわけにはいかないが、無視はできない話ではある。
今となっては、真実がどこにあるかは分からないけどね(笑)

 

とにかく、ハドリアヌスと愛人関係にあったプロティナが、皇帝に就けるよう取り計らった可能性があったということだ。
そしてそれが事実かはともかく、ハドリアヌスは40歳で帝位に就いたのである。


 
=ローマ不在で旅行しつづけた皇帝=


 
ハドリアヌスもトラヤヌス同様、まず元老院議員を殺さないという誓いを立て、さらに、彼らの上にたつコンスルにも、21年間にわたる在位期間のうち、2度しか就任しなかった。

 

そして市民にも10億セステルティウス(約1250億円)を市民に分け与え、税金を引き下げ、競技会を盛んに開催した。

 

もちろん機嫌取りだけやってれば、賢帝の名を残せるわけではない。
トラヤヌス時代の領土拡大政策を中止して、国境と帝国内の安定を目指した。
 
 

そのため官僚を組織化し、法律を整備して貨幣制度の統一などを行った。
さらに、地方都市を保護し、未だに残っていた属州に対する差別の撤廃につとめたのである。

 

ハドリアヌスの素晴らしいところは、政策のほとんどが、温厚なものが多かった。
そのため治世中に起こった戦争は一度だけであった。

 

その一度の戦争が、ユダヤ人を流浪生活に追い込んだ、エルサレムでのユダヤ人の反乱である(西暦132年)

 

この反乱を鎮圧するため、3年にも及んだ戦いの末、彼はユダヤ人たちを同地から追放したのである。

 

こうして政治基盤を固めたハドリアヌスは、西暦121年になると属州の視察に出発する。
これが「ハドリアヌスの大旅行」である。

 

まずは、ガリア、ゲルマニアとローマ軍の最前線を回り、翌年には、ブリテン島に渡り、北から侵入してくるケルト人から防衛するため、120キロにわたる防衛線を作った。これを「ハドリアヌスの長城」という。

 

その後、スペインからシリアを経てトルコへ入った。そこでハドリアヌスは、アンティノウスという美少年と出会い、一目惚れしてしまい、旅に連れて行くことにする(笑)

 

そしてギリシャへとやって来た・・・
当時のギリシャはローマの支配下であった。かつてここは文明の中心だったのに、荒廃が激しかった。

 

この光景を見たハドリアヌスは、ギリシャに莫大な援助金をして、修復に励んだのである。
その結果、現在も見ることができるゼウス・オリンポス神殿はこのとき修復されたものである。

 

ハドリアヌスには若い頃、ギリシャで学んだことから、その恩に報いるために、援助したのである。
そういう意味でも、彼は賢帝であった。

 

さて、旅を続けてから5年後の西暦126年に、ようやくローマへ帰還した。
しかし、それは記念祭のために戻っただけで、すぐに旅行へと旅立った。

 

今回は北アフリカの属州の視察で、その後エジプトを視察した。
全ては順調だったが、美少年アンティノウスが事故死してしまう。

 

ハドリアヌスの悲しみは尋常ではなく、アンティノウスを偲んで、ナイル川の東岸に、アンティノポリスという都市を建設し、彼を神格化したのであった・・・つづく



さて、次回は、21年間もの長きに渡り、皇帝を務めた5賢帝の3番目、ハドリアヌス帝の晩年と、歴史のないピウスの治世のお話しです。お楽しみに~



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