配信日時 2022/10/06 22:00

【号外版】「イエス・キリスト編」~第14話 ビア・ドロローサ(悲しみの道)


〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
~第14話 ビア・ドロローサ(悲しみの道)



イエスの十字架刑を知ったユダは、そのときになって裏切りに対する後悔が、どうしようもない重荷となってユダをさいなむ。

 

ユダは走った。



そして、せめて裏切りの代償として受け取った銀貨を祭司長たちへ返そうとして、



「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」

 

と言った。しかし彼らは、



「我々の知ったことではない。お前の問題だ」

 

と言った。



裏切り者は、彼を雇った人たちにとってもいまわしい存在である。
 


もうユダには絶望しかなかった。



そこでユダは銀貨を神殿に投げ込んで、立ち去り、首をつって死んだ。

 

イエスの死より少し前、城壁外の南の谷、白楊の木の枝…。



ユダの死体は無残にはらわたをさらけだし、血をしたたり落としていたという。

 

ピラトの命を受けたローマ兵士がイエスを引き立て、狂乱した群衆があとを追っていく。



兵士たちはイエスに紫の服を着せ、茨の冠をかぶせ、さながら道化のような服装をさせた上で、



「ユダヤの王、万歳」

 

と、からかいながら大袈裟に敬礼し、頭を小突き、唾を吐きかけ、思うままもてあそぶ。



それから紫の服をもとの服に着せ替え、十字架を背負わせ刑場へと追い立てる。

 

ピラトの館からゴルゴダの丘まで。ゴルゴダは古いヘブライ語でしゃれこうべのことであった。

 

大勢の野次馬に混じって、苦しむイエスをからかってる者がいた。



道端に彼の家があり、イエスが一瞬その軒下で足を止めたが、



「なんだ、お前。早く行け」

 

と、彼は無情に追い立てた。



イエスは鳶色の眼差しでじっと彼を見つめてから、



「行けというのなら行かないまでもないが、あなたは私が帰ってくる日まで待っていろよ」

 

おごそかに呟いた。

 

一種の呪いだろうか。



こうしてこのユダヤ人はイエス来臨の日まで…人類最後の日まで死ぬことができず時代を超えて地上をさまようこととなる。

 

イエスはおびただしい責め苦にあい、充分に疲労していただろう。



イエスの母マリアが群衆の中にいたかどうか、やはり福音書にはなにも記していない。

 

ローマ人兵士は、イエスが刑場に着く前に疲れ死んではつまらないと思ったのか、それともなにほどかの同情があったのか、あるいはただの気まぐれだからか、田舎からエルサレムに出てきたシモンという男に、イエスの十字架を担がせた。

 

ほんの短い距離ではあったが、イエスの苦痛はその分だけ軽減されただろう。
 


野次馬の中にもイエスを慕う人がいなかったわけではあるまい。



弟子たちはどうしていたのか。

 

イエスに病気を治してもらった人もいただろう。



ただ彼らはことの成り行きに呆然とし、後難を恐れて遠巻きに涙の視線を送るだけだった



とりわけ女たち…

 

ベロニカという女の人がハンカチを差し出したのは、人間としての自然な感情だったろう



それともイエスより、恩恵を受けた人だったのか。

 

イエスは女たちに呼び掛ける。



「エルサレムの娘たちよ。私のために泣くな。むしろ自分と自分の子供たちのために泣け。子供を持たない女がさいわいだという日がきっと来る」

 

エルサレムに未来はない、この都が末期的な状態であることを警告する。
 


一歩、また一歩…。



ふたたび十字架を背負わされたイエスは息も絶え絶えに倒れながら、ようやく刑場にたどりついたのである。・・・つづく


 
さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の第14話、「ビア・ドロローサ(悲しみの道)」をお送りする。十字架刑を背負いながらゴルゴダの丘を目指すイエスの苦悩をお楽しみに~





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