配信日時 2022/09/08 22:00

【号外版】「イエス・キリスト編」~第10話 エルサレム入城


〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み



~第10話 エルサレム入城


 
イエスは、フィリポ・カイザリア地方に行ったとき、弟子たちに向かって、



「人々は、私のことを何者だと言っているのかね」

 

フィリポ・カイザリアは、ガリラヤ湖北方の山岳地に位置する町である。
 


そこでイエスは、世間の噂を尋ねてみたわけだ。

 

イエスに洗礼を授けたヨハネという者もいれば、エリヤやエレミヤなど旧約聖書の登場人物を言う人もいる。

 

つまり、イエスは誰とは知れないが、聖なる人物の生まれ変りである、それが町の噂である、という返事だった。



「じゃあ、あなたたちは私を何者だと思っている?」

 

イエスは追い討ちをかけるように弟子たちに尋ねた。

 

ほかの弟子たちはためらっていたが、ペテロが進み出てはっきりと答えた。



「あなたは救世主です。神の御子です」

 

救世主とは、洗礼者や預言者よりも上を指しており、さらに高いものと告げた。



イエスは深く頷いて、ペテロに向かい、



「その通りだ、それがわかったあなたには神の恵みがくだるだろう。このことは生身の人間が言うのではなく、私の父である神があなたに啓示して伝えることである」

 

さらに、イエスは、



「私も言っておこう、あなたの名はペテロ。知ってのとおり岩のことだ。私は岩の上に私の教会を建てる。地獄の力もこれには勝てない。私はあなたに天国の鍵を与えよう。あなたが地上で禁ずることは天上でも禁じられる」

 

さらに、さらに、



「地上で許すことは天上でも許される。そのような権威を持つものとして、しっかりと神の教えを実現してほしい。ああ、それから、私が神の子であり、救世主であることは、ほかの人には話すなよ」

 

と告げた。

 

自分は神の子であるという強い確信を自覚したイエスは、その確信を少しずつ周囲にあらわにし始める。ある日のこと、弟子たちに向かって、



「私はエルサレムに行き、そこで殺され、三日後に復活する」

 

と宣言した。



一番弟子のペテロはそれを聞いて、



「とんでもない。そんなことがあってはなりません」

 

と叫ぶが、イエスの返答は手厳しいもので、ペテロに向かって、



「サタンよ。引き下がれ。私の邪魔をするのか」

 

ペテロは驚いた。イエスは言葉を続けて、



「神のことを思わず、人間のことを思っている」

 

と、ペテロを戒めた。

 

神のことを思わなければ、イエスの行動は理解できない。神の子であることの証明がなければ、イエスのそれまでの言動は大幅に意味を失う。
 


そう言われても仕方がないだろう。

 

イエスの行動に矛盾はない。復活を予告したあと、イエスはもっとも信頼している三人の弟子ペテロ、ヤコブ、ヨハネを連れて高い山、ナザレの東にあるタボル山(海抜588m)に登った。

 

登りつくと、弟子たちの前でイエスの姿が変わった。



顔は太陽のように輝き、衣服は光のように白くなった。



弟子たちは師の様子がただことではないことを感じた。



それもそのはず、イエスの確信はゆるぎない極点に達していた。

 

「私は神の子なのだ」

 

その自覚が言葉となってほとばしり、態度となって溢れる。



今までに見たこともないほど、神々しい師の姿であった。
弟子たちは思っただろう、



「まるで神様が乗り移ったみたいだ」

 

やがて、モーセとエリヤが現れ、イエスを囲んで語り合う。天から声が聞こえた。



「これは私の愛する子。私の心に適う者」

 

と。ひれ伏しておののく弟子たちにイエスが近づいて声をかけた。



「おそれることはない」

 

弟子たちはイエスのその姿に、おそれおののきながらも、



「まさしく神の御子だ」

 

と感じた。



こうして弟子たちはイエスの変容を見たのであった。
 


イエスが神の子であるという証明の、第一弾であった。

 

タボル山のあと、イエスは二度、三度と自分の死と復活を予告して聖都エルサレムに入城する。

 

神殿にたむろする商人たちに八つ当たりのような暴力をふるって追い出したのは、神の聖域が侵されていることに、よほど腹に据えかねるものがあったからだろう。



「エルサレム、エルサレム 預言者たちを殺し、自分に遣わされた人々を石で打ち殺す者よ、めん鳥が雛を羽の下に集めるように、私はお前の子らを何度はぐくもうとしたことか」

 

そして言う。



「だが、お前は応じようとはしなかった。



見よ、お前たちの家は見捨てられ、荒れ果てる」

 

と、エルサレムのために嘆いたイエスの声は痛ましい。



歴史を眺めれば、エルサレムはその通りの都であり、そしてまたあらたにもう一人、神から遣わされた人を殺そうとしているのであった。

 

終焉の日は刻一刻と近づいていた。
イエスは決められた日を心に記して敢然と歩み続けるのであった。



本文前半部におけるイエスとペテロの会話の、イエスの言葉の中に「私は岩の上に私の教
会を建てる。地獄の力もこれには勝てない。私はあなたに天国の鍵を与えよう。」と告げている。

 

今日の芸術作品に見るペテロの像が、しばしば鍵を持っているのは、このイエスの言葉に由来している。

 

また、ペテロは、二百数十代を数えて今日に繋がるローマ法王の、その初代のポストを占めているが、それもまた、このときのイエスの言葉に根拠を持っている。



イエスはペテロという岩の上に教会を造れと告げたのだから・・・

 
 
さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の第11話、「最後の晩餐」をお送りする。
いよいよ、あの有名な場面が登場です!!お楽しみに~



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