配信日時 2022/09/01 22:00

【号外版】「イエス・キリスト編」~第9話 キリストの奇蹟その2


〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み



~第9話 キリストの奇蹟その2



 四 病気を癒すイエス2



これも同じカペナウムでの出来事だが、ローマの百人隊長がイエスのもとにやって来て、



「主よ。私の部下が中風を病んで苦しんでおります」



と訴えた。



百人隊長はさしずめ小隊長と言った役どころであるが、ローマ人そのものが植民地的な支配をおこなっている土地では、それなりの権力は持っていた。

 

その百人隊長がわざわざイエスを訪ねてきたのである。



よい人柄の男だったろう。
 


敬虔な気持ちが彼の態度によく現れていた。



イエスは感ずるところがあって、

 

「じゃあ行って治してあげましょう」

 

と告げたが、百人隊長のほうは、

 

「主よ、私はあなたを自分の家にお迎えできるような者ではありません。



ただ一言おっしゃってください。



私も権威のもとにある者ですが、部下に対して、行けと言えば彼は行きますし、来い、と言えば来ます。」

 

さらに、

 

「これをやれ、と命じれば、そのとおりに動きます。お言葉だけをくだされば充分です」

 

と、あくまでも謙虚である。

 

立場だけで考えれば、ローマの軍人はユダヤ人に対して、権威を振りかざし、さぞかし威張り散らしていただろうし、一方イエスのほうは、偉い預言者かもしれないが、異教徒から見ればただの放浪者のようなものである。

 

そのローマ軍の百人隊長がイエスの前に頭を垂れたのだから、イエスは、この男、神を敬う心を持っていると、思ったにちがいない。

 

イエスは周囲を見まわして叫んだ。

 

「はっきり言っておく。イスラエルの中でさえ私はこれほどの信仰を見たことがない。」

 

そして、

 

「東の国から西の国から大勢の人がやって来て、いつか天国の席に加わるだろう。よくよく聞いておいてほしい。イスラエルの民といえども、神を損なう者はそのときになって歯ぎしりをするばかりだろう」

 

それから百人隊長の方を振り向いて、

 

「さあ、帰りなさい。あなたが信じたとおりのことが起こるように」

 

と告げ、神に祈った。
 


ちょうどそのとき、百人隊長の家で部下の病いが治ったのである。


 
教儀史的に見れば、このエピソードはイエスの説く神が旧約の時代のように、ユダヤ人にだけ手を差し伸べるものではなく、広く、平等に、すべての人々に及ぶものであることを示しており、画期的な意味を、持つものであった。

 

旧約とちがって、新約は万民のものなのである・・・
 


この考えが、キリスト教が大きくなった一番の理由である。


 
五 湖上を歩くイエス


 
イエスはガリラヤ湖に弟子たちを連れて行った。



それからすぐ、イエスは弟子たちを強いて舟に乗せ、向こう岸へ先に行かせ、その間に群衆を解散させられた。
 


群衆を解散させてから、祈るためにひとり山にお登りになった。

 

夕方になっても、ただひとりそこにおられた



ところが、舟は既に陸から何スタディオンか離れており、逆風のために波に悩まされていた。



夜があけるころ、イエスは湖の上を歩いて弟子たちのところに行かれた。

 

弟子たちは、イエスが湖上を歩いておられるのを見て、「幽霊だ」と言っておびえ、恐怖のあまり叫び声をあげた。イエスはすぐ彼らに話しかけられた。

 

「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」

 

すると、ペテロが答えた。

 

「主よ、あなたでしたら、わたしに命令して水の上を歩いてそちらに行かせてください」

 

イエスが、

 

「来なさい」

 

と言われたので、ペテロは舟から降りて水の上を歩き、イエスの方へ進んだ。
 


しかし、強い風に気がついて怖くなり、沈みかけたので、

 

「主よ、助けてください」

 

と叫んだ。



イエスはすぐに手を伸ばして捕まえ、

 

「信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか」

 

と言われた。



そして、二人が舟に乗り込むと、風は静まった。



舟の中にいた人たちは、

 

「本当に、あなたは神の子です」

 

と言ってイエスを拝んだ。



福音書に記されている奇蹟は、約60件ほど。



重複しているものも多いから、実数としては30件ぐらいだろうか!!

 

区分けすると、パンや葡萄酒など飲食物を増やす話、中風や癲癇など病気を治す話、嵐や日照りなど災害を取りのぞく話などに分けられる。
また死者を蘇らせたこともある。

 

まあ、科学が発達している現代では、聖書の内容は眉唾ものが多い、だが、奇蹟は聖書に記された通りではないかもしれないが、そんなことはさして重要ではない。

 

大切なのは原因はなんであれ、人々に奇蹟を信じさせるような偉大なイエスが実在したことのほうである。



事実に近い奇蹟もあったろうが、まったくの作り話もあっただろう。

 

今でいうマジシャンのようなネタもあったかもしれない。



いずれにせよ、奇蹟のエピソードは一つの比喩であり、イエスの偉大さを伝えるためには、こうした伝達方法が適していた。

 

事実の報告だけが伝達の手段ではあるまい。



俳優や女優が演じることにより、自分というものを伝えていくというものが現代でもあるではないか。

 

ずいぶん前になるが、パッションという映画を観た。



これはイエス・キリストの最後の十二時間をリアルに描いたメル・ギブソンの渾身の一作だが、観ていてイエスの苦痛を感じた。

 

映画という枠を超えて、イエスが受けた苦痛を、強く心に感じたのである。
 


イエスは俳優が演じているのだと、思っていても苦痛を感じるのだから実際のイエスの偉業も、同じような経緯で伝達されたとは、言えないだろうか・・・つづく

 
 
さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の第10話、「エルサレム入城」をお送りする。
いよいよ、イエスの終焉の入り口に当たるエピソードである。お楽しみに~



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