〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。
西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み
~第7話~十二人の使徒
一. ピリポとバルトロマイ
ペテロたちを弟子にした翌日、イエスはガリラヤの湖畔から内陸部へと向かい、その道中でピリポという男に会った。ピリポはギリシャ系の名前である。
イエスはこの男にも、
「私について来なさい」
と告げた。
ピリポの方も、イエスについて噂ぐらいは聞いていただろうが、いきなりそんなことを言われても困ってしまう。
仲間のナタナエルを訪ねて、
「イエスって人に会ったよ。偉い預言者らしいぞ。弟子になれって言うんだ」
と相談した。
そのときナタナエルはイチジクの木の下に立っていた。
「イエス?、だれだ、そいつは」
「聞いてないのか。ナザレの大工のせがれで、奇蹟を起こしたりして…救世主かもしれん」
「ナザレからいいものが出たこと、あるか」
ナザレはひどい田舎だから、ろくなものが出ないと、思われていたらしい。
「まあ、一緒に来て見ろよ」
ピリポがナタナエルを連れてイエスのところへ来ると、イエスは二人を見たとたんに、
「ナタナエルよ」
と呼び、
「あなたはまことのイスラエル人だ。悪巧みを持たない人だね」
さながら占い師みたいにキッカリと言い切った。
初対面の相手にいきなり名前を呼ばれ、そのうえ出身地から性格まで言い当てられては驚いてしまう。
ナタナエルは自分がイスラエルの血を繋ぐ、心の正しい者だとひそかに自負していたにちがいない。
「えっ、どうして私のことがわかるんですか?」
「わかるさ。それだけじゃない。ピリポに話しかけられたとき、あなたはイチジクの木の下にいただろ。私はそれを“見た”んだから」
「本当に!!」
とナタナエルは狼狽する。
「あのときそばに誰かいただろうか…」
とナタナエルは首を傾げる。誰も見ていなかったと思うのだが…。そして
「この人なら日ごろの俺の悩みに応えてくれるかもしれない」
と察知した。
イエスはさらに続けた。
「もっと偉大なものを、あなたたちは見るだろう」
「なんですか」
「天が開け、神の御使いが行き来するのを見るだろう。その日はもうすぐやって来る」
「本当ですか」
「私について来なさい」
イエスは深い鳶色の眼をしていたとか。じっと見つめられると、従わずにはいられないような不思議な力を秘めていた。
「はい、わかりました」
ピリポも同音に答え、二人そろってイエスの弟子となった。ナタナエルはバルトロマイの名で十二人の直弟子に加わっている。
二. マタイ
マタイは徴税人であった。民衆から直接、税をしぼり取るのが彼の仕事だった。
ユダヤ人でありながら支配者ローマの手先となって税を徴収するのだから、ユダヤ人たちのあいだで評判のいいはずがない。
非情で、卑しい仕事とみなされていた。
しかし、マタイには見所があったのだろう。
イエスはマタイを見て弟子に加えた。
誘いの文句はいつも通り、
「私について来なさい」
である。
マタイも他の弟子たちと同様に、すぐさま仕事を捨て家族を捨てイエスに従う決意をする
「門出を祝して乾杯」
マタイはイエスを招いて盛大な宴会を催したマタイ自身が徴税人だったから、集まって来る連中にも同業者が多い。
ほかにも犯罪者まがいの、ろくでもない連中が含まれている。
かねてからイエスの足を引っ張ろうとしていたユダヤ教の律法学者たちがこれを見て、
「どうしてあなたは、あんないかがわしい奴等と飲んだり食ったりするんですか」
と激しく非難した。
聖人であるならば、もう少し慎むべきであろうということである。
しかしイエスはさらりとこう答えた。
「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人である。私が来たのは、正しい人を招くのではなく、罪人を招いて、悔い改めさせることである」
まことにごもっともな答えである。
これでアンデレ、ペテロ、ゼベダイの子ヤコブ、ヨハネ、ピリポ、バルトロマイ、マタイの七人が決った。
これ以外のトマス、小ヤコブ、タダイ、シモン、ユダについてはどういういきさつで、イエスの弟子になったか、福音書は語っていない。
トマスは後にも登場するが、復活したイエスに会った貴重な弟子である。
彼には神秘的な噂があって、トマスとはアラム語で「双子」という意味になる。名前ではないというのだ。また別の表記には、「双子のトマス」と書かれている。
彼はどうやら双子らしいのだが、誰との双子なのかは、福音書には書かれていない。
これはよほど有名人の双子なので、書く必要がなかったということではないだろうか!
そう考えると、双子の誰かとは、イエスその人しかいないだろう・・・(笑)
これは私が言っているのではなく、トマスに関してはさまざまな伝説があるのだ。
しかも「トマスの福音書」という第5の福音書がエジプトで発見もされている。
ここで書かれているトマスは、ペテロやヨハネよりも地位が高く、イエスに匹敵するほどの教養と見識を持ち合わせ、別格の人物として、扱われている。
トマスの謎は尽きない・・・
小ヤコブは文字通り体が小さかったらしい。
シモンは熱心党という当時の政治団体に属していたらしい。
タダイはこれといったエピソードがない。
そして最後にイスカリオテのユダ。
これは後にも登場するが、イエスを裏切ったという、たった一つのエピソードで後世に名を残している。
彼はイエスを中心とする集団の中で財務を担当していた。
大蔵大臣はどんな社会でも重要なポストである。
彼はほかの弟子たちとちがってガリラヤの出身ではなかったろう。
そうであるにもかかわらず、強い同志的結合の中で重要な役割をまかせられていたのは、才覚のあるエリートだったのではないだろうか?
そんな彼がなぜ、裏切ることになるのか、それはまだ先のことである。・・・つづく
さて、次回の西欧の神話・歴史・宗教まとめ読みは、イエス・キリスト編の第8話、「キリストの奇蹟その1」をお送りする。
いよいよ、これは神が行ったことなのかそれともマジックなのか!!
さまざまなイエスの奇蹟をお伝えする~お楽しみに
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