〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み



マリアが十二歳になったとき、夫選びのコンクールが行われた。



「マリアを妻としたい者は杖を持って集まれ」

　

それは神の意志であった。



大祭司の祈りに応え、神が夫となるべき男に印を示してくれるはずであった。

　

美少女マリアを妻にしようと、多くの男たちの杖は、何の変化もなかったが、大工のヨセフの杖から鳩が現れ、ヨセフを祝福した。

　

こうしてマリアの許婚としてヨセフが選ばれたのである。

　

よほど、マリアは美しかったのだろう！！

　

そしてしばらくの後、天使ガブリエルは、ヨセフという人の許婚である乙女のところに遣わされたのである。



その乙女の名はマリアといった。
　


天使は彼女のところに来て言った。



「おめでとう。恵まれた方。主があなたと共におられる」

　

マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。
　


すると天使は言った。



「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子といわれる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」



　マリアは天使に言った。



「どうしてそのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに」

　

天使は答えた。



「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリザベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六ヵ月になっている。神にできないことは何一つない。」

　

マリアは言った。



「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」

　

そこで天使は去っていった。

　

やがてこのことは噂となって広がり、許婚のヨセフの耳に入った。ヨセフは



「聖霊によって身籠った？そんな馬鹿な」

　

と、信じなかったが、彼は人柄のよい人だったから、マリアを傷つけようとせず、そっと身を引いて婚約を解消しようとした。

　

それは誰でもそうだろう。言葉は悪いが、処女が受胎するわけない。誰か別な人ができたと思うのが、普通だろう。

　

ところが、そのヨセフのもとにも天使が現れた。



夢の中ではあったけれど、夢のお告げは当時あなどれなかった。ヨセフはそのお告げを信じた。
　


いい人だ、ヨセフという人は・・・



なのでこれから生まれるイエスには父親はいないことになる、



実はスターウォーズもダースベイダーであるアナキンの父親はいない設定になっているがもしかするとイエスの出生と同じ設定にしたのではないだろうかと思ってしまう。


　
話しを元に戻そう。



エリザベトは、マリアの親戚筋の女性で、お姉さんのような人だった。
　


この人は長く子宝に恵まれなかったが、ある日、夫のザガリアが聖所で香を焚き、神への祈りを捧げていると、天使が現れ、



「ザガリアよ、お前の願いは聞き入れられたあなたの妻は男の子を生む。ヨハネと名付けるがよい。その子は母の胎内にあるときから聖霊に満たされ、大切な神への役割を果たすであろう」

　

と告げられる。

　

このエリザベトの子ヨハネは、イエス・キリストに洗礼をおこない、イエスの水先案内人とも言うべき役割をまっとうする。



実は彼が率いていた教団のおかげで、イエスの教団が大きくなっていくのである。

　

天使の声を聞いたマリアは、一応は信じたものの、疑いは晴れなかった。
　

そこで同じような体験を持つ、エリザベトのところへ行って、様子をうかがってみようと考えた。



「ねえエリザベト。天使様が現れて、あなたの妊娠を予告したって本当なの」



「本当よ。触って。もう六ヵ月になるのよ。あなたが見えたんで、喜んで踊っているわ」

　

エリザベトの子ヨハネと、マリアの子イエスとは、母の胎内にあったときから感応しあっていたわけである・・・事実かどうかはともかくとして（笑）



「すばらしいわ」



「あなただってそうよ。心配いらない。聖霊によって身籠ったのね。りっぱな赤ちゃんが生まれるわ」



「ええ…」

　

マリアは三ヵ月間エリザベトの家に滞在して、家に帰った。身心の準備期間であった。


　
新約聖書は、この受胎告知から始まるが、この受胎告知が描かれているのはマタイとルカの福音書だけである。

　

イエスが誕生したそんな大事なことを、なぜ四つの福音書に明記されていないのか！？答えは簡単である。

　

これは後世の人たちが、英雄にはそれらしい出生があるべきだという要望が強まって、受胎告知というエピソードが生まれ、それをマタイとルカが記したのではないだろうか！？・・・つづく



さて次回第3話は、「キリスト降誕」をお送りします。いよいよ、イエスの誕生です。お楽しみに～




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