〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み



前回、ロムルス王から続いた王政が、廃止されるところまでを、お伝えした。その後・・


　紀元前509年 王政が廃止、共和政が始まる
　紀元前494年 護民官が設置される。
　紀元前450年 十二表法が制定される。
　紀元前396年 ローマがエトルリアの都市、ウェイイを攻略。
　紀元前367年 リキニウス・セクスティウス法が制定され、二名の執政官のうち、一名を平民から選出することに。
　紀元前343年 サムニウム戦争が勃発～290年
　紀元前340年 ラテン戦争が勃発～338年
　紀元前312年 アッピア街道とアッピア水道が建設される。
　紀元前287年 平民会の立法権が認められるホルテンシウス法。
　紀元前275年 ローマがギリシャのピュロス王を破る。
　紀元前272年 ローマがイタリア半島を統一する。



上記のように歴史を辿り、そしてイタリア半島を統一したローマの次なる征服地は、シチリア島だった・・・



シチリア島は、地図で見ても分かるとおり、ブーツのような形をしたイタリア半島のつま先の先に、まるでつまずかせるように、置いてある石のような形をした部分が、シチリア島である（笑）

　

そのシチリア島には当時、東半分を、メッシーナとシラクザが、西半分をカルタゴが、分け合っていた・・・


　
＝第一次　ポエニ戦争＝



一つの島に3つの部族がいれば、どうしたって争いが起き、全てを手中に治めたいと思う者が出てくる。



シラクザは、カルタゴと和平協定を結んでいた。



そのこともあって、紀元前265年、シラクザはメッシーナに攻め込んだ。



メッシーナは数キロしか離れていない、ローマに助けを求めた。

　

ローマは、シチリアを手に入れたいという野望を持っていたので、この話しに乗らない手はなかった。



しかし、メッシーナを助ければ、当然カルタゴを敵に回すことになる。カルタゴ軍は強国であった・・・

　

しかし、シチリア島がカルタゴの手に落ちることの方が、大問題である。
　


ローマは、悩んだあげく、軍を出動させた。

　

そうなると、シラクザは協定を活かして、カルタゴに協力を求め、ここに、第一次ポエニ戦争が勃発した。

　

ローマ軍は強かった。



簡単に東半分を占領すると、増強したカルタゴ軍にも、簡単に打ち勝ち、南岸の要所アクラガスを占領、またシチリア北部の海戦でも勝利した。

　

そして紀元前241年、アエガラスの海戦で勝利すると、カルタゴは無条件降伏した・・・

　

ローマは多額の賠償金をカルタゴから受け取り、さらにシチリア島も手に入れたのである


　
＝ハンニバル登場！！　第二次ポエニ戦争＝



紀元前236年、カルタゴの将軍ハミルカルは、祖国再建の決意を胸に、イベリア半島で、銀鉱の開発と傭兵の訓練に励み、カルタゴ軍の強化を図っていた。

　

そして紀元前218年、父ハミルカルのあとを継いで将軍となったハンニバルは、ローマへの戦いを開始した。



ハンニバルは軍隊に向けて言った。

　

「カルタゴ軍の強化はできた。宿敵ローマを粉砕するぞ！カルタゴ軍は無敵だローマをたたきつぶせ！！」

　

ハンニバルは、イベリア半島東海岸のローマ同盟市サグントゥムを攻撃し、ここに第二次ポエニ戦争が始まった。

　

サグントゥムをわずか８ヶ月で陥落させ、そこを拠点に、４万の兵士と37頭の軍象を連れて、アルプスを越えた。これはローマに気づかれないための、意表をつくハンニバルの作戦だった。

　

しかし、アルプス越えは想像を超える厳しさだった。



崖に沿った細い道は、一歩踏み外せば、谷底へまっさかさまというところばかりだった。

　

アルプス越えで、数千名の兵士の命が失われた。



ハンニバルは絶望する兵士たちを鼓舞するため、遥かな平原を指し、

　

「あれが、お前たちのものになるのだ」

　

と言ったという。ハンニバルは、兵士の士気を高めるのが、うまかったのだろう（笑）
　

　
結果的にアルプス越えは成功したが、軍勢は歩兵2万、騎兵が6千まで減っていた。



しかし、ハンニバルはここでも綿密な作戦で士気が高いローマを避けイタリア南部から攻撃を仕掛けた。
紀元前216年、カンネーの戦いである。

　

２倍以上の数のローマを前にしても、ハンニバル軍は怖じ気づくこともなく、中央突破を計ろうとしたローマ軍２万５千を包囲し、その全員を討ち取った。

　

続いて周囲の２万人を討ち、勝利を収めた。

　

この意表をつく戦いで、勝利を重ねていったハンニバルだったが、ローマの若き司令官のスキピオが、そのハンニバルのやり方を学んで、相手の本拠であるヒスパニアのカルタゴ都市を攻撃するという、意表をつく作戦を行った。

　

そして、ついにはカルタゴ本国を攻撃すると、南イタリアにいたハンニバルは、１万５千の兵とともに、母国カルタゴへ向かった。



これは、ハンニバルにして見れば、計算外のことであった。

　

そして、紀元前202年、カルタゴ郊外のザマでスキピオとハンニバルが決戦のときを迎えた・・・

　

このザマの決戦で、初めてハンニバルは敗れた・・・ローマ軍の勝利となり、第二次ポエニ戦争は終わった。

　

またもや敗北したカルタゴは、ローマに無断で戦争を行わないことと、船を造らないという条件を、受け入れたのである。


　
さてハンニバルは、少数の部下と再起を期して、シリア王国に逃れ、そこで指揮を取り、同盟を組んでいたマケドニアと共に、再びローマに戦いを挑んだ。

　

しかし、あっさりとローマが勝利すると、ローマはハンニバルの身柄引渡しを要求した。



しかし、間一髪でハンニバルは逃れ、クレタ島を経てビチニアに亡命したが、ここまでであった。

　

ハンニバルは、母国カルタゴの再興を願いながら、自害したのである・・・



　＝第三次　ポエニ戦争　カルタゴ、ローマの属州に＝


　
ローマにとって、カルタゴは潰しておかないとならない存在だった。
　


そのローマと利害一致していたのが、北アフリカのヌミディア王国だった。

　

ヌミディア王国のマシニッサ国王は、ローマとの無断戦争の禁止の条約があったことからカルタゴへ攻め込んだのだ。



相手はその条件により、反撃できないからである。

　

しかしカルタゴは、このままでは国が滅んでしまう。
　


ぎりぎりの選択により、約束違反であるが、やむ得ず応戦した。

　

待ってましたとばかりローマは、約束違反という大義名分により、カルタゴへ攻め込んだ



その数は８万ともいわれる大軍勢だった。

　

カルタゴには、船を造ることも禁止されていたし、ヌミディアとの戦いで疲労困憊だった


そこにローマ軍が押し寄せてきたのである。



勝敗は戦う前から決っていたといっていいだろう。

　

それでもカルタゴは、意地でも降伏しようとはしなかった。

　

ローマはカルタゴを包囲し、一斉攻撃した。



これにより、街は破壊しつくされ、武器を持つ者は皆殺しにされた。



そして生き残った者は全員、奴隷として売り飛ばされたのである。


　
紀元前146年、カルタゴはローマの属州となり100年に及んだローマとカルタゴの争いは終わったのである・・・


　

「次回予告」

さて、次回第5話は、「混迷するローマ共和政」をお送りします。
グラックス兄弟やマリウスが、改革に乗り出すが、様々な困難なことが起こります・・・



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