配信日時 2022/03/10 22:00

【号外版】トロイア戦争編~第8話~決着は着いた!!


〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み



アキレウス対ヘクトルの戦いは山場を迎えていた。



ヘクトルの武具は、パトロクロスの屍から奪ったアキレウスの武具だが、見事な細工の割には、鎖骨が、肩と喉とを分ける急所が、露わになっていた。

 

そこを、アキレウスは見逃さなかったのである・・・



アキレウスの槍は、ヘクトルの急所をズブッと、貫いた!!
 


ヘクトルは、二三歩よろめいたあと、膝が折れて倒れた。

 

「思い知ったか、ヘクトルよ。パトロクロスを倒して調子づいていたお前も、これで終わりだ」

 

と、意気揚々とアキレウスが言った。

 

「俺を、野犬の餌にするのだけは、やめてくれ・・・トロイアへ返してくれ」

 

息も絶え絶えのヘクトルは、なんとかアキレウスに懇願した。

 

「パトロクロスを殺したおぬしの亡骸など、鳥の餌にこそふさわしい。願いは聞かぬ」

 

「お前はそういう奴なのか・・・最低だな・・・おぬしの命も短いぞ」

 

と言って、トロイアの王子ヘクトルは死んだ


 
アキレウスは大声で、勝ちどきを上げると、ヘクトルのかかとに穴を開け、牛皮の紐を通して、戦車に縛り付ける。無残な姿で引きずられていく、勇者ヘクトルの屍。

 

それをトロイアの城壁に立って、見つめるトロイア王プリアモス、そして妃ヘカベや、ヘクトルの妻アンドロマケが、悲しみに暮れる・・・

 

トロイア戦争の中でも、特に胸を打つ情景として、印象に残るシーンである。

 
 
アキレウスは、パトロクロスの葬儀に取り掛かった。



たくさんの薪を積み、その上にパトロクロスの屍が鄭重に置かれた。

 

生贄を捧げ、火が燃え始めた・・・

 

パトロクロスの骨は黄金の壷に納められ、陣屋に安置された。

 

そして、アキレウス主催の葬送競技会が催された。



ギリシャ人はこれが好きだったようである。



当然、賞品もたっぷりとある。

 

オリンピック競技の伝統も、このへんにあったのだろうと考えられる。

 
 
一方、ヘクトルの屍は、犬にでも食わせてしまえという、方針だった。
 


そこへ、トロイアの王、プリアモスが単身でしかも無防備な姿で、訪ねてきたのだ。



そして、アキレウスに向かって、弱弱しく言った。

 

「どうか私の一番の大切な息子の亡骸を、返していただきたい。その命を奪った者の前に手をついて頼む私の心境を、察してくれはしないか」

 

そういうと、贈り物をアキレウスに渡した。
 


アキレウスは驚いた。そしてまた、胸を打たれ「承知いたしました。
ヘクトルの亡骸は返そうヘクトルの葬儀にはどのくらいの日時が必要であるか?」

 

「九日間を館で弔い、十日目に葬り、十一日目には墓を造りたい。できれば十一日間、戦闘を休止してほしいのだが・・・」

 

「よかろう、それにしてもヘクトルは、いい父親をお持ちだ」

 
 
トロイア城へ帰ったヘクトルの亡骸を見て、妻のアンドロマケが涙を流す。
 


そして、妹のカッサンドラ、母ヘカベ。
そして戦の原因でもあるヘレネ。
 


ヘクトルは、ヘレネに対して、トロイアの中で唯一優しかったのである。

 

亡骸は九日間、館に置かれて弔われ、葬儀の準備を進める。
そして十日目にヘクトルは、うず高く積まれた薪の上に置かれ、炎に包まれた。

 

トロイア人は泣きながら、その炎を見つめたのである。

 

このようにして馬を馴らすヘクトルの葬儀は終わった・・<イリアス 完>



ホメロスが詠ったイリアスは、ヘクトルの葬儀でもって、終わっている。
 


あれっと思われる方もいるかもしれない。



そう、あの有名なトロイの木馬が出てきていない・・・

 

ほとんどの人は、トロイア戦争といえば、トロイの木馬を思い出すのではあるまいか!!



しかも、ホメロスのイリアスには、戦争の結末も描かれていない。

 

では、トロイの木馬は、どこから湧いて出てきた話なのだろうか!!

 

結論を言おう、答えはホメロスが詠ったイリアスではなく、トロイアの環と言われる他の作品群の中に、描かれているのだ。

 

次回は、そういったホメロスが詠ったイリアスの、その後のトロイア戦争のお話しをしたいと思う。



そして、いよいよ次回が、この白熱のトロイア戦争の最終章に入る・・・盛り上がりを見せるトロイア戦争の結末を楽しみにお待ちください・・・次回につづく。
 


「次回予告」

トロイア戦争編 ~9話~英雄の最後

さて、トロイア戦争も終盤に突入し、盛り上がりも最高潮に達します。
いよいよトロイア戦争も結末を迎えます。トロイアの哀しみのラストをどうぞ、お見逃しなく
!!




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