〇〇〇〇さん
こんにちは、坂佐井です。




最近、まちbizの会員さんが、個人から法人を設立するケースが増えてきました。



理由は様々ですが、今回はこの個人と法人の違いについて、お話ししたいと思います。



個人事業主とは？



個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人を指します。



税務署に「開業届」を提出して事業開始の申請をすれば、個人事業主として独立したとみなされます。



似た言葉で「フリーランス」がありますが、開業届を提出せずに個人として独立して仕事を請け負う働き方の人をフリーランスと呼びます。



税務上では個人事業主と同じくくりです。



法人とは？



法人とは「法律によって人と同じ権利や義務を認められた組織」のことをいいます。



会社をはじめとするビジネスで得た利益を特定の構成員（社員や株主等）に分配することを目的とした法人は営利団体と呼ばれ、株式会社や合同会社がこれにあたります。



相性のいいビジネスというのは、起業支援サービスに利用できそうなお仕事をされている方ですね。



まずこれが定義になります。



個人と法人の違いとしては、下記10項目にして簡単にお知らせします。



1.事業開始までの手続き


個人事業主：開業届を提出、青色申告を希望する人は「青色申告承認申請書」も提出

法人： 法人登記が必要です。会社設立に必要な書類や会社印の用意が必要



2.事業開始までにかかる費用


個人事業主：0円

法人：　法定費用＋資本金が必要

設立する会社形態に応じて登記にかかる費用（法定費用）が変わりますが、最低でも株式会社は約25万円、合同会社は約10万円以上が必要となります。

また、会社印の購入や社会保険への加入も必須です。

ほかにも、法人では資本金が必要になります。

2006年の新会社法施行以降、法律上は1円以上で会社設立が可能ですが、資本金は「会社の体力」とも呼ばれ、会社の信用度もこれに比例します



3.事業の廃止


個人事業主：廃業届出を出す

法人：解散登記・公告等が必要（数万円かかる）



4.税金


個人事業主：所得税　個人住民税　消費税　個人事業税
※所得税はもうかるほど税率が高く控除が少なくなる

法人：法人税　法人住民税　法人事業税　消費税 など



この納税で個人と法人のどちらがいいかを判断する人が多いですね。



というのも、所得税は累進課税となっており、もうけが大きくなるほど税率も高くなります。



例えば資本金1億円以下・所得800万円の法人に課せられる法人税は15%ですが、個人事業主の所得が800万円の場合、所得税は23%となり、控除分を差し引いても個人の税額のほうが高くなります。



ただ、個人事業主であれば赤字経営となってしまった場合は所得税や住民税の負担はありません。



一方、法人に課される法人住民税は、資本金などをもとにした均等割部分がたとえ赤字であっても発生します。



これはあなたの事業の売上に応じて考える必要がありますが、詳しくは税理士さんに相談するといいでしょう。



5.経費


個人事業主：事業にかかる費用は基本的に計上できますが、自分への給与や生命保険料は経費にできません

法人：事業にかかる費用の他にも自分の給与や退職金も経費として計上できる。
　　　経費に認められる範囲が広く柔軟です。



法人では、個人事業主が計上できる経費に加え、給与や賞与などの費用も経費として計上することができます。



個人事業主は売上から経費を差し引いた分が事業所得となり、「給与」という概念がありません。



そのため、自身に入る収入を経費として計上することはできません。



法人の場合は給与所得となるため、自身に支払った給与も利益から控除する経費として計上ができます。



賞与や退職金も経費として計上ができるため、かなりの節税になります。


その他の違いとしては


6.赤字の繰越

個人事業主：3年（青色申告の場合）

法人： 10年



7.社会的信頼度

個人事業主：法人に比べて低いが事業を行う上での支障は特にない

法人： 高い。新規の契約や融資にも有利に働くことが多い。



8.会計・経理

個人事業主：個人の確定申告

法人：法人決算書・申告（税理士が必要なことが多い）



9.生命保険

個人事業主：所得控除

法人：全額経費又は2分の1経費など



10.社会保険（従業員分含む）

個人事業主：事業者負担分なし（5人未満の場合）

法人：会社負担分あり



簡単ですが個人事業主と法人の違いをサラッとお伝えしました。



もうけが増えるほど所得税の税率が上がるから法人にしようというのが、わりと一般的な考え方かもしれません。



しかし法人設立とは、そのような考え方で設立するようなことではないと思います。



私も法人を運営していますが、法人は節税というのもありますが、社会的信頼度が高いというメリットがあります。



しかしその社会的信頼度が高いということは、それだけ責任も高くなるということです。



個人事業主ならば、自分のことだけを考えればいいわけですが、法人を作ると自分だけのことだけを考えるわけにはいきません。



従業員を雇えば、その従業員だけでなく、従業員の家族のことも含めて、経営していかなければなりません。



法人になることで、ステークホルダーや関わる人も増えますし、自分がというよりも会社がどういう評価をされているのかを考える必要があるのです。



法人の経営者になるということは、自分の実入りだけを考えていてはダメなんです。



会社を守るためには、経営者は会社の信用を高くして、いざというときには資金調達ができるように考えたり、自分自身で会社存続のために貯蓄する人もいます。



法人を設立したら、人のせいにもできません。



全ては自分の責任として、会社を運営していくだけの覚悟がなければ、私は簡単に法人は設立するものではないと思っています。



節税や経費などの部分で考える人は多いと思いますが、法人を作るにあたって経営理念をしっかり作って、続ける覚悟があるのか、まずはそれを考えましょう。



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