〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み



アキレウスは怒っていた。なぜ、怒っているのか・・・

　

簡単に言えば、ギリシャ軍の総大将、アガメムノンとの確執である。
　


トロイアに近い町に、アポロンの神殿があり、ギリシャ軍はこの町を攻め、戦利品として、神官の娘が、アガメムノンの所有となった。

　

神官は、娘を助けたい一心で、守護神のアポロンに祈ると、ギリシャ軍に疫病を蔓延させた。



驚いたギリシャ軍が、占い師を通じて、惨事の原因を求めると、それがアポロンの怒りで、神官の願いがあったことを知る。

　

そこで、アキレウスが中心となって、神官の娘をアガメムノンの手から解き放って返すことを提言した。

　

しかし、アガメムノンは、妻より、気に入ってしまっていて、頑固に反対するが、アキレウスの戦利品であるブリセイスをよこせば、返そうと言い、しかもそれをすぐに実行してしまったのだ。

　

リーダーがそんなことするなんて、むちゃくちゃな話しである。これでは軍はまとまらなくなってしまう・・・

　

当然、アキレウスは怒ってしまい、全てにおいて、やる気を失ってしまった。

　

周囲の武将たちも、このアガメムノンの行動には、納得がいかなかったが、とにかくそれよりも、疫病の蔓延を、なくすことが優先だったため、仕方がないと思ったようである。

　

アキレウスは、ここで孤立してしまう。そして、もうアガメムノンの指示には従わない。



ギリシャ軍がトロイア軍にやられても、オレは知らないよとなってしまった。

　

少し士気が下がり気味な、ギリシャ軍の様子を見ていた大神ゼウスは、アガメムノンに夢を見させて、「今こそトロイアを攻めよ」という忠告を与えた。



全ては戦争をさせるためである。あ～おそろしい・・・

　
これを見たアガメムノンは、決心した。



だが問題はどうやって、みんなに戦わせる方向に向かわせるか・・・そこで、アガメムノンは、逆に、「戦争はやめよう」と発言した。



逆の心理をついたのである。

　

だが、兵士たちは喜んで、帰ろうとする奴が後をたたなかった（笑）
　


作戦は失敗かと、思いきや「ギリシャの美女ヘレネをトロイアへ奪われこのままなんの雪辱も果たせずに、故国へ帰れるのか」

　

ギリシャ方の智将オデュッセウスに発言する者がいた。
　


これは戦争をやめさせないための、女神アテネの作戦である。

　

その作戦を知ってか知らずか、オデュッセウスは、触発されて、皆にこう告げた。

　

「思い出してみよう。トロイアの出陣を企てて、われらがアウリス港に勢揃いしたとき、大蛇が現れ、鈴懸の木に宿る九羽の鳥を飲み込んだではないか。
するとたちまち蛇が石に変わった。
これこそ大神の仕業であろう。
いよいよトロイアの滅亡が迫っているのだ。
ここで逃げ帰っては、今までの苦労が無駄になる。
各々方、輝かしい成果があがるまで、戦おうではないか」

　

と訴える。そしてこのときぞとばかり、アガメムノンも叫んだ。

　

「いざ、立てよ、ギリシャの勇者たち」

　

「おおー」

　

ギリシャ軍が戦う姿勢を見せた。
　


そして、雄雄しく、総大将アガメムノンを中心にして、トロイアのある方角を見据えたのである。



トロイア戦争は、ギリシャとトロイアの戦いではあるけれど、「イリアス」では神々同士の戦いでもある。



むしろ、神々同士の戦いと言った方がいいかもしれない。



神々の争いにより、人間たちが振り回されているという図式が正しいかもしれない。

　

そう、もう一度思い出してもらいたいのは、リンゴで争った3人の女神たちが、パリスに、誰が一番美しいか、確認する。



そこでトロイアのパリスは美の女神アフロディテを選ぶのだ。選ばれなかったヘラとアテネが、恨んでギリシャ方に肩を持つ。

　

つまりは、神々の争いなのだ。
　


しかし、この物語の進行は、神々ではなく、人間たちに焦点を当てて、今後伝えていく。



その方が、物語としては、分かりやすくまとめられるので・・・（笑）

　

以上のようなことを、ふまえて、トロイア戦争をお伝えしていくので宜しくお願いします



「次回予告」

トロイア戦争編～第3話～パリス対メネラオス

　
さて、次回はギリシャ軍が、トロイアへ向かい、そして、戦争の火蓋が切られます。
そのオープニングを飾るのは、そもそもの原因であるヘレネを奪ったトロイアの王子パリスと、奪われたスパルタの王メネラオスの一騎打ちから始まります。




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