〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。
西欧の宗教・歴史・神話まとめ読み
さて、前回、彼女のためなら、たとえ騙されていたとしても、嫌われたくなかった。
ただその一点で、自分の弱点を白状したところで、終わったが、今回はその続きである。
サムソンは、デリラの膝の上で、髪を切られてしまう。
そこへ案の定、ペリシテ人が、踊りこんで来た。
サムソンは覚悟していただろう。
すでに力のなくなっていたサムソンは、あっさりペリシテ人に捕えられ、罵声を浴びせられた後、目をえぐられた。
そして足枷をはめられ、ロバのように牢屋で一日、粉ひきをさせられた。
ペリシテ人にとっては憎いこのサムソンを、苦しめてから殺したいと思っていた。
やがて、ペリシテ人が崇拝するダゴンの神の祭りが来て、サムソンはいけにえとして、捧げられることになった。
ダゴンの神の神殿に引き出され、さんざんにいたぶられ、あとは処刑を待つばかりであった。
ところで、このサムソンの話は、映画化されているのをご存知だろうか。
セシル・B・デミル監督作品で、サムソンとデリラという1949年、アメリカで作られた古い映画である。
アカデミー賞も、美術監督などいくつか受賞していると思うが、よくぞ当時の技術で、スペクタクルな映画を作れたもんだと、感心してしまうほど素晴らしい映画である。
500円で買えるので、興味のある方は、DVDで観て下さい!!
ヘディ・ラマール演じるデリラは、本編ではサムソンを騙した後は、後悔の連続だった。
目をえぐられ、粉ひきさせられるサムソンを見て、ペリシテ人にやめさせるよう、訴えたり、哀れに思うシーンもあった。
さすがの悪女でも、人の心はあるような演出だった・・・
実際はどうだったんだろうか!その辺のデリラの心情については聖書には、触れられていないと思う。
さて、サムソンは目が見えないなりにも、神殿の柱を探り、牢屋に繋がれているうちに、髪は伸びていたため、再び、神のご加護が戻っていた。
「神よ、もう一度私に力を与えてください。私の命はペリシテ人の命と引き換えでも構いません」
イスラエルの神にそう祈ると、サムソンは、思いっきり柱を押した。
全身全霊で神殿を支える柱を二本、押した。
すると神殿は、グラグラと揺れ動き、すさまじい音とともに、崩れ落ち、大勢のペリシテ人の上に、落ちたのである。
ペリシテ人の多くが、神殿の下敷きとなり、サムソンが今まで殺した数よりも多く死んだ
そして、サムソンもその人生に終止符をうったのである・・・
どうだっただろうか、サムソンのお話しは・・・このお話しがどうして旧約聖書に掲載されているのか、釈然としない。
サムソンは、ただ力が強く、女好きで、頭もそんなに良くはない。
アブラハムやモーセなどと比べても、イスラエルの民にとって、なにか功績があるわけでもない。
でも、なぜかサムソンのお話しには、人間の哀れさとか、心動かされるものがあるように感じてならない。
そして男はいつだって、好きな女性の前では弱い(笑)
強く印象に残るエピソードであると思う。
それだけでも、価値のあることなんではないだろうか(笑)
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