〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



西欧の神話・歴史・宗教まとめ読み



ダビデは前回触れたとおり、イスラエル王国の長男ユダの子孫で子供ながらに、戦いの才能を発揮して、当時最強だったペリシテ人の巨人ゴリアトを倒した。



そこから一気にスターダムにのし上がり、当時の王サウルを押しのけて王になる。



王になってから、バトシェバという女性と浮気してしまい、子供ができてしまった。



このことを、隠そうとして、結局バトシェバの夫を、わざと厳しい戦地に行かせて、戦死させたりしたために、神の怒りに触れて、最愛の息子を亡くしてしまう。



それからは、ダビデも心を入れ替えて、人の心が解かる王となり、イスラエル王国を繁栄に導いたのである。



そして、そのバトシェバとの間に生まれた子供が、今回の主役ソロモン王である。



ソロモン王という人物を知る上で、有名なエピソードがある。



同じ家に住む遊女二人が、ほとんど同時にそれぞれ子を生んだ。
　


生まれてすぐに、一人の子が死んでしまう。



どっちの子が死んだのか分からず、二人の遊女は、生きている子を取り合いになった。
結局決着がつかず、ソロモン王の裁きを受けることになり、ソロモン王は二人の言い分を聞いてから、こう言った。



「では、生きている子を二つに引き裂いて、半分ずつ持ち帰るがよい」



これを聞いた、一人の遊女が、



「どうか、それだけは勘弁して下さい。私が間違っておりました。子供を引き裂くのだけはおやめください」


　
と懇願した。



それを聞いたソロモン王は、



「そうか。子供の死を恐れたほうこそが本当の母親だ。母親の愛情を持つものだ。その女に、その子を与えよ」



と命じた。



ソロモン王がどれほどの知恵を、神から授かったか、その英知を知る一例として、聖書に記されている有名なエピソードである。



ソロモン王は、知の人であり、知識人であり和の人であったといえる。



また、文人としても優れていた。



ソロモン王の偉業は、到底語り尽くせないほど、たくさんある。



外交においては、父ダビデ王以来の武力を背景に、通商の道を伸ばし、妻は700人、側女300人と、政略結婚により、周辺の諸国との友好を保った。



内に向かっては、宗教を精神的な支柱にして内政の飛躍的な充実を計った。



かつての十二部族は、形を変えて管区となりソロモン王の腹心が代官として置かれ、中央集権国家を形成した。



領土も広がって、新しい国は年毎に豊かになり、神殿も作られた。



あらゆる資材と技術が集められ、銅やレバノンの杉、エジプトの金、そして石工や青銅の技術者も動因して、７年の歳月をかけて壮大優美な神殿が完成した。



その神殿には、モーセがシナイ山から持ち帰った、石版が納められた。

　

そしてさらに、13年の歳月を要して、神殿のすぐ近くに、宮殿を築いた。



幅は25メートル、高さ15メートル、奥行き50メートルある豪華絢爛たる建造物だったそうである。

　

この２つの建物を、柱廊でつないで、市街地を囲んで、堅固な城壁を作った。



史上にかつて例を見ないような、それは見事な都が出来上がった！！

　

シバの女王が、ソロモン王を訪ねて来たのはこの時期だったろう。


女王の故郷は、エチオピアの始祖という伝説もあるが、現在のイエメンのあたりに、繁栄した古代王国だったとされている。

　

女王は、一目見て圧倒されたという。



宮殿の床は鏡のような輝き、それは水晶の床だった。



それと同様にシバの女王の美しさもまた、宮殿を凌ぐ美しさで、その脚線美は、山羊のようだったという。

　

シバの女王が訪ねて来たのは、表敬訪問のようなものだっただろう。



女王はアラビア産の香料や、宝石、黄金などを贈り物として、持って来たが、ソロモン王も、女王の望むものをなんでも与えたと、聖書は記している。



ついでに、子種もあげたらしい（笑）



女王は、ソロモン王に、狂おしく乱れ、惑わされ、そして懐妊し、男子を生んだそうな。



優雅で穏やかな時間が、イスラエル王国には流れていた・・・



しかし、やがて繁栄を誇るイスラエル王国にも、翳りが見え始め、崩壊へ向けて、一歩一歩進んでいくのであった・・・つづく



お楽しみに～




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