配信日時 2021/07/18 22:00

第345回 初めての敗北


〇〇〇〇さん
こんにちは、坂佐井です。



生涯現役で働ける環境を作るためのプラットフォームとして、OICHIはNPO法人として設立しました。



NPO法人の設立総会は、渋谷でした。



設立当時は、青葉区ではなく、渋谷だったんです。



順調にNPO法人設立まではきていましたが、ここで初めてのつまずきが生じます。



任意団体の時の会費は年5000円でしたが、NPO法人設立に伴い年10,000円になりました。



ある程度会員は減ると思っていましたが、想定していたよりも多く辞められてしまったんです。



半分近く想定していたのが7割近く辞めてしまったんですね。



任意団体から法人になったからと言いましても、提供するサービスはそんなに変わりません。



サービスが変わらないのに、NPO法人になったというだけで会費が上がるというのは、主催者側の都合でしかないんですね。



今なら分かりますが、当時はそれが分かりませんでした。



しかしこのように、自分都合で、値段を上げてしまうというのは、けっこう普通に見かけます。



自分のスキルが上がったから値上げするとか、稼がなければならない環境になったので値上げするとか、自分の理由で値上げしてしまうパターンは、値上げの根拠としては薄いのでやめましょう。



私もこの経験があるから、分かることですが、当時はそれが分からず、会員数を減らしてしまったんですね。



そしてこの設立のタイミングで、これまでNHK出演やオーディオブック販売を共にしてきて、NPO法人設立まで一緒にやってきた仲間が、やめてしまったんです。



理由は本当に些細なことでしたが、根本としては大きな問題がありました。



その根本があったため、些細なことがきっかけでやめてしまったんですね。



根本というのは、3人で設立した3人の思いに微妙なズレがあったことです。



もともとは、オーディオブックでNHKに出演し、オーディオブックで売上が上がり、オーディオブック事業を広めていくことを目的にしていました。



しかし途中から方向性が変わり、3人で立ち上げたから成功したという協同モデルを推進するコミュニティ事業に力を入れていくことになります。



私ともう一人はコミュニティ事業に、やめていくことになるもう一人はオーディオブックに力を入れたかったんです。



この方向性の違いが大きな原因です。



NPO法人でも両方を両立して進めていくことでしたが、オーディオブックをやりたかった彼にしてみれば、少し疎外感があったのかもしれません。



彼はしだいに報告なく独断でオーディオブックの人脈を作っていき、NPO法人設立には、協力的ではなくなっていきました。



そして些細なことが引き金となって、彼はOICHIを辞めることになったのでした。



設立メンバーの一人が設立のときにやめてしまうというハプニングに、あんまりいいスタートをきれたとは感じませんよね。



しかも、設立した2か月後に東日本大震災が発生し、活動にも大きな影響が出てしまいます。



起業というよりも安定に舵を切る人が増え、OICHIの活動に共感する会社員が少なくなっていきます。



なかなかモチベーションを維持することが困難な時を迎えたのが、NPO法人設立した2011年でした。



さらに窮地に追いやられたのが、OICHIのメイン事業である異業種交流会が、都内の至る所で開催されていたのです。



それもリクルートや大手企業をはじめとした異業種交流会も多く、サラリーマン3人が主催している交流会では、太刀打ちできない状況になっていきした。



またこの頃には朝活とか女性をターゲットにした女性起業家交流会や、社長をターゲットにした社長さん会など、多様なバリエーションの交流会も多く、ただの異業種交流会を開催しても、集まらなくなっていたのです。



朝活に対抗して夜活という名前で開催したり、居酒屋交流会など最初から二次会形式で行ったりと、いろいろ試みましたが、徐々に参加者が集まらなくなっていきました。



この頃はまた、保険やネットワークビジネスの参加を断わる交流会も多かったのですが、集客目的にあえて、OICHIでは断わらずに開催する暴挙に出て、質を下げることもしてしまいましたねえ(笑)



しまいには無料の交流会なども価格設定で差別化を図ろうともしましたが、採算が合わなくなり、ついには開催を断念することにしたのです。



ここまで順調に進んでいた起業活動は、ここで初めて苦痛を味わうことになります。



初めて明確に感じた「失敗」です。



NPO法人を設立した当初は、迷走していましたね。



NPO法人は、設立して1年で半分はやめてしまうことが多いという話しも聞いていたのですが、まさにOICHIもそうなる危機を迎えていました。



しかし特に打開する策もなく、悶々とした日々が続く中、NPO法人設立に力を貸してくれていた、NPO法人横浜スタンダード推進協議会の活動に参加するようになりました。



また当時、神奈川県の議員さんの協力も頂いており、横浜で活動する人たちと懇意を深める機会も多くなっていきました。



このときのイベントで、横浜市経済局と横浜スタンダード推進協議会の課題解決ダイアログに参加をして、初めて自分の住む横浜に多くの地域課題があることを知りました。



そしてこの課題をビジネスで解決することが出来たら、それこそ事業になるのではないかと気づいたのです。



事業のタネは都内ではなく、地域にあるのではと思ったんです。



そしてOICHIの設立趣旨であります「生涯現役で働ける環境」というのは、自分の住む町に作ることではないかと思ったのです。



人は年を取りますからね。



老いていくときに、電車に乗って移動しないとビジネスにならないのは、物理的に大変です。



地域でビジネスを推進することは、OICHIの趣旨にも合っていたのです。



そんなときに、自宅の目の前の公園がなくなるという話しを聞きます。



このつづきはまた次回に話しますね



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2011年1月28日設立のNPO法人協同労働協会OICHIは
2021年1月28日で丸10年を迎えることとなりました。

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