〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。
古事記は素敵なファンタジー
大和に逆らう東国を征伐するために、休む間もなく出発したヤマトタケルは、尾張の国でミヤズヒメと結婚をするつもりだったが、婚約だけして、東国に侵攻した。
逆らう賊を次々に平定して、相模の国にやって来た。
野の中の大きな沼の神がひどく暴れているので、ヤマトタケルは、草を分けて入っていくと、そこの国造の作戦にはまり、四方から火をかけられた。
「謀られた・・・」
ヤマトタケルは、一瞬焦った・・・しかし、叔母からもらった袋のことを思い出すと、それを開けた。
中には火打石が入っていた・・・すぐにヤマトタケルは周囲の草を、身に着けていた草薙の剣で、なぎ払うと、火打石で、こちらも草に火をつける。
身の周りを燃やしてしまい、逆にその火気で寄せてくる火を逆に追いやり、国造たち一党をことごとく焼き殺した。
実は草薙の剣とは、この一件で草薙の剣と言われるようになるのだ。
それまでは、違う呼び名だったんでしょうね。
そして焼き払ったこの地を焼津という。
現在の静岡県焼津市である。
次にヤマトタケルは、関東は三浦半島にやって来ていた。
ここから房総半島へ渡る予定でいたが、海神の怒りで、波は大きくうねり、とても船を出せる状態ではない。
しかし、ヤマトタケルは東国征伐をするには、絶対に渡らなけばならなかった。
ここで登場するのが、恋人オトタチバナヒメである。
ヤマトタケルの困惑をそばで見ていたオトタチバナヒメは、
「私が海に入って海神の怒りを鎮めましょうあなたは立派に使命を果たして下さい」
女人を人身御供に差し出すことは、科学などないこの時代では、そんなに珍しいことではなかった。
こういう時代に生まれなくてよかった(笑)
畳を合計24枚を海の上に広げて、その上にオトタチバナヒメは坐して、入水した。
そして最期の歌を詠む。
「燃え盛る火の中に立って、私に呼びかけて下さったあなた・・」
どうやら二人は、焼津で知り合ったらしい
流され行くオトタチバナヒメを、乳母達は追いかけながら、ついには一緒に流されて行った・・・
これにより、7日たって波は静まった。
静かになった海岸に、オトタチバナヒメの櫛が、岬の海岸に流れ着いたという・・・ヤマトタケルはそれを手厚く葬ったという。
オトタチバナヒメのおかげで、無事ヤマトタケルは、海上を走るように船を進めて、房総半島に渡ることができた。
上陸したヤマトタケルは、太田山に登り、オトタチバナヒメを偲び、そこから立ち去ることができなかった・・・
君去らず・・・そこから木更津という地名が生まれた。
オトタチバナヒメとは別に、尾張の国でミヤズヒメと婚約しているのにと思うが、心情はどうだったんだろうか!!
ヤマトタケルはミヤズヒメより、オトタチバナヒメの方に気持ちがあったように、思えてならない。
またオトタチバナヒメも、婚約者の存在は知っていたのだと思う。
彼女が海に入ったのも、女として、愛の深さでは負けないという想いが、彼女を入水へと導いたのかもしれない。
悲しいけど、現代に生きる我々でも、昔のことではあるけれど、なんかせつなく感じる。
恋は今も昔も、それほど変わらないからではないだろうか・・・そう自分は感じてならない。
さて、なぜかこの後、足柄へ行き、甲斐に行き、吾妻の国で、オトタチバナヒメを偲んで、「吾妻はや」つまりわが妻よ・・・とせつなく口にする。
オトタチバナヒメへの思いは強い。
それから、信濃を経て、尾張に帰ってきた。
ミヤズヒメが迎え出ると、ヤマトタケルは、彼女と結婚することを決意し、結婚した。
しかし、すぐに草薙の剣をミヤズヒメの元に残すと、伊吹山の神を従えるために出発する
伊吹山へは、「山の神を素手で倒してやる」と息巻いていたが、途中で白いイノシシに出会い、殺さないであとで殺すなどと、あなどっていたために、失神させられてしまう。
白いイノシシを、ヤマトタケルは、神の使いぐらいに考えていたが、実は山の神そのものだったのだ。
毒気を含んだ雹(ひょう)を浴びて、崩れ落ちてしまった。
清水のほとりでようやく回復するものの、健康状態が急速に悪化していった。
足が歩くこともままならなくなり、杖をついて歩く有様だ。
歩くたびに足が三重に曲がったように痛んだ
そこで、その地が三重となったらしい・・・さて大和の近く、鈴鹿で詠んだ歌は、
「倭は国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる 倭し 美し」
大和は美しい国だと詠っている・・・もう死期も近かった。
ついに、力尽きる時が来た・・・ヤマトタケルの最期の歌は
「嬢子(をとめ)の床の辺に 吾が置きし つるぎの太刀 その太刀はや」
と、自分の太刀をなつかしがって、その生涯を閉じたのである。
悲報はすぐに都に伝えられた。
ヤマトタケルの家族が馳せ参じて、御陵を造り、泣きに泣いて、歌を詠んだ。
ヤマトタケルは、大きな白鳥になって、
海辺へと飛んで行った。
妻子たちは、疲れも忘れて、白鳥を追った。
海につかってまでも、追った。
そして、白鳥が岩場に憩うのを見て、また歌を詠む・・・
ヤマトタケルが化した白鳥は、最後は河内の国の志幾(現在の柏原市)まで飛んだという。
そしてその地に、ヤマトタケルの御陵が造営された。
だが、ここからもまた飛び立って、白鳥になってもなお、諸国の賊を平定しようと・・・そんな風に見えたという。
父であり、天皇でもある景行天皇に愛されなかった、悲劇の英雄、ヤマトタケルの物語はこうして、幕を閉じている。
=次回予告=
「第19話 母は強し、神宮皇后は行く!」
さて、次回は、神宮皇后のお話です。
子を身籠った母は、新羅に攻めこみます。
後ろ盾もないまま、敵から子を守る勇ましい皇后の活躍を、お楽しみに~
~マメ知識~ 古事記と日本書紀の記述の違い!!
本文中に書いた、オトタチバナヒメが入水した場所は、走水神社が建立されている。
この辺は、神社よりも横須賀は観音崎が観光のスポットになっており、そっちのほうがにぎやかである。
走水神社も、ヤマトタケルの祀る神社にしては、ずいぶんと閑散としていて、寂しい印象を受けた。
近所にあるような神社と、なんら変わらないのだ。
それでもオトタチバナヒメが描かれたレリーフなどを見ると、古事記の世界がよみがえって来る。
オトタチバナヒメがここで、入水し、ヤマトタケルは悲しんだ。
そんな地だからこそ、ひっそりとしていてもいいのかもしれない。
さて、ヤマトタケルの物語は、いかがだろうか!!
今回お話した内容は、古事記のものであるが、日本書紀にもヤマトタケルではなく、日本武(ニホンタケル)という名で登場している。
内容はほぼ重なるが、トーンが違う。
日本書紀では、古事記のような悲劇で悲しみを感じる場面は皆無といっていい。
お国のためなら、たとえ火の中、水の中!!
また、古事記では天皇に疎まれて、いろいろと征伐をしに行かされるが、日本書紀では、自らすすんで征伐しに行く。
父、景行天皇に疑うこともなく、命も惜しくない勢いで、ただ、天皇に会えないのが悲しいと、忠節な将軍として死んでいく。
天皇は、それを聞いて夜も眠れず、食も喉を通らない。
ヤマトタケルを手厚く葬っているが、古事記では天皇が何を考えているのかさえ、書かれていない・・・
どっちが正しいのか、分からない(笑)
そもそも存在すら疑わしいし、それは前回のマメ知識でも書いた。
三浦半島から木更津に行って、それから筑波行って、足柄だなんて、1人で行く距離でないし、辿るコースもおかしい。
つまり、この時代の様々な人の英雄譚がヤマトタケルという1人の英雄の物語としてまとめられたのではないだろうかと・・・
しかし、でもしかし、言わせてもらいたい。
もしかしたら、ヤマトタケルは実在したのではないかとも思うのである。
それはヤマトタケルがいなければ、天皇制が繋がらなくなってしまうのだ。
ヤマトタケルの父はご存知第12代の天皇景行天皇である。
そしてヤマトタケルの息子が第14代仲哀天皇となるのである。
つまりは、ヤマトタケルがいなければ、天皇制は繋がらないことになる。
そして、古事記と日本書紀とそれぞれ伝えるヤマトタケルについては、実は日本書紀のヤマトタケルよりも、古事記のヤマトタケルに近い感情があったのだと思われる。
なぜなら、日本書紀は当時の朝廷が作成した正史である。
正史だからといって正しいわけではなく、編纂した人の都合の良い解釈で、作成されたものである。
当然、トーンもお国のためという思いが強い
つまり、当時の匂いが色濃く残っているのは、実は古事記の方が強いのではないかと、自分は思っている。
古事記こそ、古代を知るには、参考になるのではないだろうか!!
【古事記オンライン動画】ヤマトタケル編
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