〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



古事記は素敵なファンタジー



さて前回、ニニギの命はコノハナノサクヤビメと一夜にして身籠り、3人の子を授かった。



因みにコノハナノサクヤビメは水の神であり噴火を鎮めるために富士山に祀られている神でもある。



その後、一人は古事記では確認できないが、長男ホデリの命は、海の幸をあさる海幸彦となり、三男ホオリの命は、山の幸を求める山幸彦となった。



昔話でよく知られる海幸山幸の物語である。



さてその物語のあらすじをおっていこう。



あるとき、弟のホオリ（以後山幸彦）は、いつも同じことをしていることに、つまらないと感じ、兄のホデリ（以後海幸彦）に道具を取替えっこしようとお願いした。



兄の海幸彦は、何度も弟のお願いを退けたがあまりにもうるさいので、4回目にして、ついに、



「大事に使えよな」



と言って、釣道具を渡した。



山幸彦は、海に出て釣りをしてみるも、一匹も釣れないばかりか、兄の大切にしていた釣り針を、魚に取られてしまった。



「ほらみろ、いわんこっちゃない。いいか、あの釣り針じゃなければ、ダメなんだ。絶対に返せ」



と、違う釣り針を作って渡しても、海幸彦は受け取らなかった。



兄の許しを得られず困り果てた山幸彦は、海辺でシオツチに出会い、事情を説明すると



「よいことを教えましょう。この船に乗って、海の道を通って海神の宮殿に着きます。



井戸の脇に桂の木がありますから、その枝に上がって、待っていらっしゃい」



言われた通り、海の神・ワタツミの宮へ向かう



そこで、待っていると、海神の娘、トヨタマビメの侍女が、器を持って水を汲みに来たのである。



山幸彦は声をかけると、侍女は驚きながらも、器を差し出した。



山幸彦は宮殿に招かれ、大歓迎を受け、お互いに一目惚れ・・・



トヨタマビメと山幸彦は、すぐにまぐわう。



こうして、トヨタマビメとの楽しい宮殿の生活が始まった。



やがて、3年の歳月が流れたある日のこと、ようやく兄の釣り針を探しに来たことを、思い出す。（遅すぎる～）



トヨタマビメにそのことを話すと、すぐに魚を集めて調べる。



すると鯛の喉に釣り針が引っ掛かっていた。



山幸彦は、釣り針を持って地上に帰ろうとすると、海神から釣り針に呪文をかける術を教わり、さらに海の潮を満たすしおみつ玉と潮を引かせるしおふる玉も手に入れ、ようやく地上へ戻った。



呪文をかけた釣り針を、意地の悪い兄の海幸彦に返すと、3年のうちに、海幸彦は貧乏になった。



豊かに暮らしていた山幸彦を妬んで、争いとなるが、海神からもらった玉で、潮の満ちる玉で溺れさせた。



これはかなわんと海幸彦があやまると、しおふる玉で、潮を引かせて、助ける。



こうして、海幸彦を苦しませると、ついに降参した。



これにより、山幸彦は大和朝廷の先祖となり海幸彦の子孫は朝廷を守る隼人となるのである。



その後、トヨタマビメは山幸彦の子を身籠っていて、海の世界から、山幸彦の元へやってきて、出産することにする。



「子を産むときは、決して覗かないで下さい。約束ですよ」



トヨタマビメはそう、山幸彦に固く願って産屋に隠れたが、この手の約束は、黄泉の国でのイザナキ・イザナミの例を出すまでもなく、守られることはない。



山幸彦は、不思議に思い、つい覗いてしまう



するとそこには、大きな鰐がくねくねと悶えながら、出産する本来の妻の姿を見てしまう。



姿を見られたことを恥じたトヨタマビメは、子を残して、故郷へ帰ってしまった。



一方、生まれた子供は、アマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアヘズと名付けられた。（長い～長すぎる）



トヨタマビメは、夫と子供に会えない寂しさから、せめてものよすがとして、妹のタマヨリビメを送り、生まれた子供の養育に当たらせた。



やがて成長した御子は、養育してくれたタマヨリビメとなんと、結婚し、4人の子供を産んだ。



長男イッセ、次男、三男は省略して、四男にカムヤマトイワレビコの命、この四男が、後の神武天皇となるのである。



以上が神代の物語である。



そして古事記上巻の終わりでもあり、これ以降、物語は神々の時代から、歴史時代へと移っていく。・・・つづく



＝次回予告＝

「第13話　神武天皇誕生、いざ　東へ！！」

さて、古事記中巻は、神武天皇の東征から始まる。
この東征中には、八咫烏 （ヤタガラス）や浦島太郎などが、登場する。お楽しみに～




～マメ知識～　古事記上巻の真実



この話で、古事記の上巻が終わった。



なるべく、分かりやすいように努めたつもりである。



初めて古事記を目にした人は、新発見も多くけっこう楽しめるのが上巻だと思う。



上巻は神話のもっとも神話らしい部分でありそこには歴史的事実を求めるのは、難しい。



天皇の先祖が鰐だなんて、信じられるはずもない。



まあ、これは天皇家というのは、山の神と海の神の結合から、陸と海の力を手に入れたことを、意味しているのだろう。



イザナキ・イザナミから始まって、天照大神が誕生し、その息子アメノオシホミミから、ニニギの命が天孫降臨し、そして、ホオリ（山幸彦）の命を産んで、ウガヤフキアヘズから神武天皇が誕生するという系譜を伝えているのが、古事記の上巻である。



つまり、天皇家は、日本国を治めるのにふさわしいという正統性を、伝えている。



実在したことなのかどうかは、上巻に関しては相当あやしいけど、全くのフィクションかというと、そうでもないと、自分は思っている。



天岩戸の伝説も、皆既日食があって、なんらかの歴史を伝えていると思うし、オオクニヌシの国譲りに関しては、出雲地方にいた国との、なんらかの争いが生じた歴史的一部分だと思う。



ギリシャ神話のトロイの遺跡の例もあるし、意外と神話だからといって、全てをフィクションと片付けるのは早計である。



内容は違えど、おおむねこんなことがあったんだろうなあという程度で言うなら、まさに古事記は歴史の一部分を、伝えているかもしれない・・・



【古事記オンライン動画】古事記の基礎5 神様の姉弟ケンカ：大国主の国譲り

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