配信日時 2020/12/27 22:00

第288回 個人事業主は足し算ではなく引き算しよう


〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



ビジネスを考えると、私たちはもっとサービスを充実させようと、どんどんメニューを増やしていく傾向があります。



付加価値を作ることで、サービス単価を上げることが出来て、差別化を図ることができるからです。



この考え方に異論はないし、それで売上が上がるならいいでしょう。



しかし最近はその逆として、サービスを増やすのではなく、減らすことで成功しているサービスがあることをご存知でしょうか!



たとえば、iphone です。



みなさんもよくお世話になっているiphoneは、実はあるサービスを捨てて成功した事業モデルです。



それは「ボタン」です。



ボタンをなくして画面の中でボタンを操作することで、画面を大きくすることができたのです。



このように付加価値ではなく引き算で考えていくのです。



新機能をつけ、てコストがかかっていたのを、引き算でコストを抑えて、本当に必要なものが手に入るという考え方で、いくつも成功しているモデルがあります。



アイリスオオヤマのポータブルクーラーをご存知ですか?



このポータブルクーラーは、クーラーから室外機をなくして、置き型のクーラーを実現しました。



ポータブルクーラーなら室外機がないので工事費がいらないんです。



室外機がないのに、なんでクーラーが実現できるのでしょうか?



それは本体の中に室外機を入れたのです。更にファンも本体の中に入っています。



これはクーラーから、室外機をなくすアイディアから生まれた商品ですね。



安いと48000円くらいで買えるそうですよ。



また森永製菓では、あの有名なチョコボールから、なんとチョコをなくしてチョコボールの中身だけを商品化しました。



チョコボールの構成は、チョコとクリスプとピーナッツという3層になっています。



チョコなしでおいしいのは、実は工場の人だけが知っていたんです



それで商品化にしたんですね。



チョコボールの対象は歴史があるだけに、対象年齢も30代から50代が多いそうです。



その年齢を対象に、チョコボールの中身をお酒のつまみとして販売したところ、これが大ヒットしたんですね。



他にもキャノンは、デジタルカメラから液晶画面をなくして、インスピックレックというカメラを作りました。



液晶画面がなく、代わりにただ枠があるだけの構成のカメラです。



このカメラのアイディアは、スマホカメラの課題である「高機能なだけに落としたらこわい」という問題の解消から生まれました。



最近のスマホはいろんな機能がついていますので、撮影するときに万一落としてしまったら大変ですからね。



しかも落としても大丈夫な防水使用にしていますので、気軽に写真を撮りたい若者向けに、売れているんです。



また、スマートパークという駐車場は、コインパーキングからロック版とゲート機をなくして、便利な駐車場として売上を伸ばしています。



普通のコインパーキングは、出入り口にゲートがあり、駐車場にはロック版があって、人によっては面倒に思ったり、駐車に気を使いますよね。



それをなくしてしまったのです。



ロックしなかったりしたら、お金を払わずに、出て行ってしまう車もあるのではないかと、心配になりますよね。



実は日本人は優秀なので、ほとんどの人はちゃんと精算するんですね。



ごく一部の悪質な人間より、99%以上の人は払うことが分かっていますので、払う方に目を向けて考えたアイディアなんです。



スマートパークでの仕組みは、とてもシンプルです。



駐車場の入口と出口に設置されているカメラで、車両とナンバープレートを読み取り、駐車場を出る際に車のナンバーを、精算機に入力して支払いを行います。



もし無銭駐車した場合は、カメラで記録されてるため、次回利用時に警告する仕組みになっています。



利用者はロック版がないので駐車しやすく、しかもスペースも広いので快適に利用できます。



また駐車場の設置店も、駐車券の発行もないので、1枚あたり2円する駐車券のコストも下がります。



駐車券の発券コストは、けっこうバカにならないそうです。



そしてそれを運営している会社は、ゲート機設置に、300万の費用がかかるのも、抑えることができるわけです。



スマートパークも設置店も利用者も、まさに全員にメリットがあるんですね。



今では166から263店舗まで広がっており、特にショッピングモールで広がっているようです。



このように、すでにある商品やサービスに、何か付加価値をつけるのではなく、無駄なものを引いて考えて見る、ということも大事な視点なんですね。



何かを減らすことの効果としては、対象が絞れるので、サービスとして分かりやすくなる面もあります。



また、付加価値をつけた場合、それによる費用や作業時間がかかってしまいますが、減らす分には余計な負担が減りますので、作業効率が上がります。



あなたの商品やサービスにムダはないか、考えてみてはいかがでしょうか!!



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