配信日時 2020/10/29 22:00

【号外版】第4話 ストリップショーで世界が戻った


〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。



古事記は素敵なファンタジー



前回、あまりの弟スサノオの暴れっぷりに、どうしてよいか、分からなくなった天照大神(アマテラスオオミカミ)は、天岩戸の奥に隠れてしまい、入り口を、塞いでしまった。



天照大神は、太陽の神なので、彼女が隠れてしまうということは、世界が闇に包まれるということになる。



さて、困ったどうしようということで、今回はここから、始まる。



世界が闇に包まれると、なにやらよくない騒ぎがあちこちから、聞こえだし、この危機に神々が続々と、天岩戸の前に、集まってきた



「何か、よい案はないものか・・・」



神々の中で、一番の知恵者であったオモイノカネの命に注目が集まる。



「良い案があります」



オモイノカネの命の案を聞いた、神々たちは早速実行に移した。



まず、ニワトリを、岩屋の前に集めてきて、鳴かせた。



そして天の香具山から、持ってきた榊の上の枝に、勾玉(まがたま)、中の枝に鏡を、下の枝に白や青の布をさげた。



この布とは・・・まあ、神主さんがお祓いをするときに、ヒラヒラと揺れる白い紙を思い浮かべていただければ、いいだろう。
古くは布で作っていたんだそうだ。



さて、用意万端整ったところで、アメノコヤネの命が、声高々に、祝詞(のりと)を唱える。



「さあ、天照大神よ、出来たまえ~」



そんなようなことを唱えながら、岩戸のかげに、一番の力持ち、タヂカラオの命が身を隠し、いよいよウズメの登場である。



ウズメの命は、つる草でたすきを掛け、髪を飾り、笹束を手に持ち、岩戸の前に桶を伏せて、トトン、トントン、トトントントン、踏み鳴らしながら踊る。



次第に調子をあげ、激しく動いて、文字通り狂喜乱舞の大騒ぎ・・・着衣ははだけて、乱れに乱れる、ついにはオッパイも飛び出し、下腹も、見えたり隠れたり・・・



もう、大変なはしゃぎよう。集まった神様たちも、

「いいぞ、ウズメちゃん!!」
「それいけ、やれいけ、ドン、ドン!!」



ニワトリは鳴き、あちこちで玉飾りが激しく揺れて、美しい音を撒き散らす。



ウズメの命の踊りはますます高ぶり、卑猥さを加え、滑稽さを増して、群がる神様も大騒ぎ!!



岩戸の中にいた天照大神も、外の騒ぎを聞いて、不思議に思った。自分がいなくなり、太陽の光がなくて、さぞかし悲しんでいると思ったのに、外はけたたましいほどの騒ぎ。



ちょっと気になって、岩戸を少しだけ開けてみた。



「あれは、ウズメの命ね、なにがあんなにうれしいの?他の神様も、なんで楽しがっているんだろう?」



「あなたより、すてきな神様が、いらしたからよ」



と答えたのも、オモイノカネの命の作戦である。



そして、天照大神が見えるように、鏡を置いた。自分の顔を見た天照大神は、



「あれが、私より、ステキな神様なのね」



自分の顔を鏡で見て、勘違いをしてしまう。



もう少し、よく見ようとして、さらに岩戸を開けて、身を乗り出したとき、岩戸の影に隠れていたタヂカラオの命が、思いきり岩戸をこじ開けた。



天照大神を岩戸の外へ連れ出すと、待機していた神様が、しめ縄を素早く岩戸に張った。



オモイノカネの命の作戦は、見事に成功した。



「そういうことだったのね」



とは、天照大神である。
たちまち世界は、光を取り戻したのである。
めでたし、めでたし・・・



さて、その後、もとはといえば、スサノオの乱行から始まったことで、罰することを決めた。



神々は再び相談して、物品の押収と、罰金、さらに清めの意味で、髭をそられ、手足のつめを切られ、高天原(たかまがはら)からの追放が厳命された。



それにしても、この天照大神の動きを見ていると、女性の神というより、男性の神の動きに見えなくもない。



ウズメの命の、踊りを見たくなるなんてね。



世界でも、女性の神が、最高神というのは、めずらしい。



実は天照大神も、実は男神だったという、話しもあって、その真偽の程は定かではない



それよりも、なぜ、天照大神は、日本の最高神で、太陽の神で、女神でなければならなかったのか??
そう疑問に感じるほうが、適切かもしれない



それについては、下記のマメ知識の中で、お話しすることにしよう。



=次回予告=

「第5話 娘を救え! 死闘 スサノオ対八俣の大蛇」

さて、次回の古事記は素敵なファンタジーですが、追放されたスサノオが、出雲の地に降り立ち、立派な神へと変貌を遂げていく過程のお話し。
あの有名な八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)をスサノオが退治する話しである。お楽しみに~



~マメ知識~ 天照大神は実は卑弥呼だった!!



神話というのは、突飛な話しが多いので、どうしても実話的には怪しまれてしまいがちだが、全てではなくても、元になる実話が、そこに存在した可能性は高いと思う。



だから、天照大神がなんらかの事実を元に、女神とされたんではないかと、思うのである



よく、言われているのが、天照大神は卑弥呼だった説!!



なぜ、天照大神が女神だったかといえば、当時の日本の最高権力者が女性だったのではないかと思われる。



そう邪馬台国の女王、卑弥呼が、天照大神?だったとすれば、日本の最高神が女神な理由も頷ける!?



卑弥呼とは、名前ではなく、尊称だと言われている。
今でいう社長とかと、一緒だ。卑弥呼という文字には、なんら意味はない。



なぜなら、それは中国が、ヒミコと聞いて、それを文字で表しただけの、たんなる当て字にすぎない。普通に考えて、「いやしい」という字を、時の権力者が使うわけがない(笑)



卑弥呼は恐らく、日御子か、日巫女だったのではないかと言われている。日はお日様の日つまり太陽である。



太陽といえば、太陽の神、天照大神だろう



これは、よく言われている一つの仮定の話しだが、日本は当時、倭国であり、邪馬台国が日本を治めていた。その権力者は卑弥呼だ。



卑弥呼は西暦248年頃、死にます。この年には日本で何が起こったかというと、皆既日食である。一日暗かったのだ。



彼女は太陽を司る巫女として、絶大な権力を握っていた。
しかし、ある日のこと、突然世界が暗闇になるという事件が起きた。



もちろん科学のない時代である。
皆既日食なんてどういう原理で起こるかなんて、その当時の人たちは知らなかったと思われる。



当然、この事態を重く見た、邪馬台国は、この闇の世界を救うには、人身御供を捧げることを選択した。



太陽の国なのに、太陽を失ったこの事件は、恐らく、最大の大惨事だったろう。



卑弥呼は太陽を司って、女王として国を治めていたのに、世界が闇になったということは卑弥呼の巫女という呪術的なパワーが落ちてきていると人々は思った。



そして、卑弥呼は死にます。恐らくそれは、犠牲となって殺されたのではないだろうか!



そして、世界はまた、再び太陽を取り戻したと・・・



つまり、天岩戸伝説は、この卑弥呼と皆既日食の話しを元に、卑弥呼が神格化され、やがては伝説となり、この天岩戸の神話が生まれたのではないかといわれている、一つの仮説だ。



ついでに補足すると、卑弥呼が死んだ後、卑弥呼の弟らしき人物が、男王に立つも、国は混乱したままで、ようやく、宋女のトヨを立てて、国が治まったのだが、これも古事記に当てはめることができる。



弟らしき男王とは、スサノオにあたる。
それでも国は収まらなくて、慌てて、トヨという宋女を立てる。
このトヨも、天照大神という解釈である。



つまり、天照大神が、天岩戸に隠れたというのは、殺されたか、自殺したかということであり、次に天岩戸から出てきた天照大神というのは、新しい女王、トヨが卑弥呼となって誕生したのではないかということである。



なぜなら、卑弥呼とは尊称だと、前にも触れた。



社長のような意味合いと、同じである。
社長は人が変わっても、社長という名前は継続していく。



そう、考えていくと、古事記っておもしろいと思わないだろうか!



上記のような話しが本当かどうかは分からない。
他にもたくさんの説がある。



古代の日本はわからないことだらけである
だから、おもしろい!!



そんな古事記の世界を、楽しんで頂きたいと思う!!




【古事記の基本2 天照大御神 編 天岩戸の話し】

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