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配信日時
2018/09/20 22:00
【号外版】第25話 歌を詠う、雄略天皇の、のどかな治世
〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です。
古事記は素敵なファンタジー
前回まで、仁義なき戦いが繰り広げられて
いたが、混乱を乗り越えたオオハツセが、
雄略天皇となる治世は、一転して、のどかな
ものでした・・・
あるとき、天皇は、河内から生駒山に
向かっていた。
その道中に、なんとも壮大な屋敷を見かけた
雄略天皇は、その天皇家の館と遜色ない屋敷
を見て、なんと、「火を放て」と一言・・・
相変わらず激しい(笑)
しかし、館の住む者から謝罪と、犬が
贈られると、これに免じて、許したので
ある(少しは情けもあるようで)
さて、天皇が生駒山に向かっている目的は、
昔、安康天皇が話しを進めようとしていた
ワカクサカベに、会うためである。
天皇はワカクサカベに会うと、先ほど手に
入れた犬を贈り、仲むつまじく時を
過ごしたという・・・そして歌を詠んだ。
こちら日下部の山 あちら平群(へぐり)
の山山のあいまに 繁り立つ葉広の樫の木
その根本にいくみ竹が繁り
やがてしっかりとした、たしみ竹となる
いくみ竹と言えば、いくども寝ないで
たしみ竹と言えば、たしかには寝ないで
私が帰ったあとで、寝ようとする妻よ、
いとおしい
意味は分かりづらいけども、最後の一文に
ワカクサカベの献身的な様子が、感じられる
・・・
またある時、美和川(奈良県桜井市西部)
で衣を洗っている少女に向かって、
「近いうちに召し上げよう」とだけ告げて
立ち去った。
ところがなんと、80年もの歳月が経ち、
その少女はずっと天皇を待ち続けていたので
ある(ホントかいな)
せめて、そのことを天皇に示そうと、進物を
持って天皇のもとへやって来た。
しかし、天皇は全然記憶にない
(そりゃそうだ)
「どこの婆さんだ」という始末・・・
しかし、彼女はアカイコという名を告げて、
当時を振り返って話しをした。
すると、天皇は思い出したかは分からないが
アカイコを憐れに思い、たくさんの贈り物と
歌を詠んだ。
歌を贈られたアカイコは、涙を流し、赤く
染めた衣の袖をすっかり濡らしてしまった
という・・・
他にも、吉野川の川べりで出会った乙女に、
舞を舞わせ、自分は琴を弾いた逸話も残って
いる・・・
また、神話的なエピソードも残されている
・・・
葛城山で以前に、天皇が大きなイノシシを
射止め損なったために、イノシシを怒らせて
しまい、木の上に逃れて命拾いをしたことが
あった。
後日、葛城山に再び、登ったときは、大勢の
家臣に青い衣と赤い紐を身につけて伴わせた
しばらく進むと、天皇と全く同じ行列に遭遇
する・・・
なんと、鏡でも写したかのように、顔まで
同じ・・・
こちらが言葉を発すると、同じ言葉が返って
きた・・・
また弓を持てば、あちらも同じ行動をする
・・・
すっかり困ってしまった天皇は、名を尋ねた
ところ、
「私は、ヒトコトヌシの大神だ」
なんと、神託を示す神であるヒトコトヌシの
神が、姿を現したのである・・・通常では
考えられない現象である。
さすがの雄略天皇も、神様には逆らえない
・・・すぐにお許しを請うと、衣装や弓など
を差し出した。
ヒトコトヌシの神は、葛城氏の祀る神で
あったことから、天皇がツブラノオホミの
滅んだ後の葛城勢力を、完全に支配下に
おいたことを、示したことの意味だと、
考えられている。
血みどろの仁義なき戦いの時代を送った雄略
天皇であるが、天皇になってから晩年までは
のどかな生活だった。
そして、雄略天皇は124歳で亡くなった・
=次回予告=
「最終話 父の復讐に燃えた兄弟の物語」
今まで、長いことお付き合い下さいまして
ありがとうございました。次回最終回です
=古事記は素敵なファンタジーを書き終えて=
いよいよ次回が最終回になります。
今まで、「古事記は素敵なファンタジー」を
読んで下さった皆さんに、感謝申し上げます
!!
私が、古事記を自分の手で、連載してみたい
と思ったのは、古事記という日本最古の本が
純粋におもしろいと感じたからである!!
私は昭和40年代の生まれであるが、学校教育
で古事記を教わることはなかった。
古事記や日本書紀という本が誰々の手に
よって書かれている。
というようなことを覚えただけで中身に
ついては、知らずに社会人になった。
古事記を知ったのは、実は私も大人になって
からである。それも今に至るまで、古事記
原文を読んだことはない(笑)
だから自分が古事記を語るなんて、おこが
ましいことも、重々承知している。
ネットで検索すると、古事記や日本神話に
ついて、驚くほど、詳細に研究している
サイトもある。
また、書籍なども数多く、出版されている
古事記を少し知りだすと、そういうサイト
や書籍にも手を出しやすいが、全くの
一から古事記を知るとなると、まだまだ
難しい。
そう思うのは、自分がそうだったからで
ある(笑)
日本人として、古事記という日本最古の本を
知らないというのは、どうなんだろう?
だからといって、詳細に知る必要はないと思う
そんな思いから、メルマガで26回にわたって、
簡単にお伝えした。
政治的な事柄よりも、色恋などの物語を中心
に拾い上げて、伝えてきたので、これが
古事記の全てではないことも、付け加えて
おく。
だんだんと古事記を知りだすと、必ずぶち
当たるのが、古事記って本当にあった
話しなのかな?という疑問!!
マメ知識の中で、真実かフィクションか
という問いには基本的には、実在性に乏しい
ことを、私も度々、伝えてきた。
それが連載をしてから、たくさんの古事記や
日本書紀に関する本に出会うにつれて、
少しずつ自分の中で、
「こりゃ、本当にあったことかもなあ」
と、思う自分が今ではいる。(なんと単純な)
なぜ、そう思ったのかの詳述は、また別の
機会にでも述べるが、まだまだ古代日本は
分からないことだらけである(笑)
だから、ファンタジー!!
古事記は素敵なファンタジーな出来事が
いっぱい詰まっている。
ロード・オブ・ザ・リングやナルニア王国
のような題材がいっぱい詰まっているのだ。
映画化したら、いいと思うんだけどなあ・・
少しでも、古事記を知るきっかけにして
いただければ、私も書いてよかったなと
思う。
今まで、ありがとうございました!!
次回、最終回をお楽しみに・・・
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