配信日時 2018/08/02 22:00

【号外版】第18話 古事記最大の英雄、ヤマトタケル(後編)


〇〇〇〇さん
こんばんは、坂佐井です



古事記は素敵なファンタジー




大和に逆らう東国を征伐するために、休む間
もなく出発したヤマトタケルは、尾張の国で
ミヤズヒメと結婚をするつもりだったが、
婚約だけして、東国に侵攻した。



逆らう賊を次々に平定して、相模の国に
やって来た。



野の中の大きな沼の神がひどく暴れている
ので、ヤマトタケルは、草を分けて入って
いくと、そこの国造の作戦にはまり、
四方から火をかけられた。



「謀られた・・・」



ヤマトタケルは、一瞬焦った・・・しかし、
叔母からもらった袋のことを思い出すと、
それを開けた。



中には火打石が入っていた・・・すぐに
ヤマトタケルは周囲の草を、身に着けていた
草薙の剣で、なぎ払うと、火打石で、
こちらも草に火をつける。



身の周りを燃やしてしまい、逆にその火気で
寄せてくる火を逆に追いやり、国造たち一党
をことごとく焼き殺した。



実は草薙の剣とは、この一件で草薙の剣と
言われるようになるのだ。



それまでは、違う呼び名だったんで
しょうね。



そして焼き払ったこの地を焼津という。
現在の静岡県焼津市である。



次にヤマトタケルは、関東は三浦半島に
やって来ていた。



ここから房総半島へ渡る予定でいたが、海神
の怒りで、波は大きくうねり、とても船を
出せる状態ではない。



しかし、ヤマトタケルは東国征伐をするには、
絶対に渡らなけばならなかった。



ここで登場するのが、恋人オトタチバナヒメ
である。



ヤマトタケルの困惑をそばで見ていた
オトタチバナヒメは、



「私が海に入って海神の怒りを鎮めましょう
あなたは立派に使命を果たして下さい」



女人を人身御供に差し出すことは、科学など
ないこの時代では、そんなに珍しいことでは
なかった。



こういう時代に生まれなくてよかった
ですね(笑)



畳を合計24枚を海の上に広げて、その上に
オトタチバナヒメは坐して、入水した。



そして最期の歌を詠む。



「燃え盛る火の中に立って、私に呼びかけて
下さったあなた・・」



どうやら二人は、焼津で知り合ったらしい



流され行くオトタチバナヒメを、乳母達は
追いかけながら、ついには一緒に流されて
行った・・・



これにより、7日たって波は静まった。



静かになった海岸に、オトタチバナヒメの
櫛が、岬の海岸に流れ着いたという・・・
ヤマトタケルはそれを手厚く葬ったという。



オトタチバナヒメのおかげで、無事
ヤマトタケルは、海上を走るように船を
進めて、房総半島に渡ることができた。



上陸したヤマトタケルは、太田山に登り、
オトタチバナヒメを偲び、そこから立ち去る
ことができなかった・・・



君去らず・・・そこから木更津という地名が
生まれた。



オトタチバナヒメとは別に、尾張の国で
ミヤズヒメと婚約しているのにと思うが、
心情はどうだったんだろうか!!



ヤマトタケルはミヤズヒメより、
オトタチバナヒメの方に気持ちが
あったように、思えてならない。



またオトタチバナヒメも、婚約者の存在は
知っていたのだと思う。



彼女が海に入ったのも、女として、愛の深さ
では負けないという想いが、彼女を入水へと
導いたのかもしれない。



悲しいけど、現代に生きる我々でも、
昔のことではあるけれど、なんかせつなく
感じる。



恋は今も昔も、それほど変わらない
からではないだろうか・・・
そう自分は感じてならない。



さて、なぜかこの後、足柄へ行き、甲斐に
行き、吾妻の国で、オトタチバナヒメを
偲んで、「吾妻はや」つまりわが妻よ・・・
とせつなく口にする。



オトタチバナヒメへの思いは強い。



それから、信濃を経て、尾張に帰ってきた。



ミヤズヒメが迎え出ると、ヤマトタケルは、
彼女と結婚することを決意し、結婚した。



しかし、すぐに草薙の剣をミヤズヒメの元に
残すと、伊吹山の神を従えるために出発する



伊吹山へは、「山の神を素手で倒してやる」
と息巻いていたが、途中で白いイノシシに
出会い、殺さないであとで殺すなどと、
あなどっていたために、失神させられて
しまう。



白いイノシシを、ヤマトタケルは、
神の使いぐらいに考えていたが、実は山の神
そのものだったのだ。



毒気を含んだ雹(ひょう)を浴びて、
崩れ落ちてしまった。



清水のほとりでようやく回復するものの、
健康状態が急速に悪化していった。



足が歩くこともままならなくなり、
杖をついて歩く有様だ。



歩くたびに足が三重に曲がったように痛んだ



そこで、その地が三重となったらしい・・・
さて大和の近く、鈴鹿で詠んだ歌は、



「倭は国のまほろば たたなづく 青垣 
山隠れる 倭し 美し」



大和は美しい国だと詠っている・・・
もう死期も近かった。



ついに、力尽きる時が来た・・・
ヤマトタケルの最期の歌は



「嬢子(をとめ)の床の辺に 吾が置きし 
つるぎの太刀 その太刀はや」



と、自分の太刀をなつかしがって、
その生涯を閉じたのである。



悲報はすぐに都に伝えられた。



ヤマトタケルの家族が馳せ参じて、御陵を
造り、泣きに泣いて、歌を詠んだ。



ヤマトタケルは、大きな白鳥になって、
海辺へと飛んで行った。



妻子たちは、疲れも忘れて、白鳥を追った。
海につかってまでも、追った。



そして、白鳥が岩場に憩うのを見て、
また歌を詠む・・・



ヤマトタケルが化した白鳥は、最後は河内の
国の志幾(現在の柏原市)まで飛んだという。



そしてその地に、ヤマトタケルの御陵が
造営された。



だが、ここからもまた飛び立って、
白鳥になってもなお、諸国の賊を平定しよう
と・・・そんな風に見えたという。



父であり、天皇でもある景行天皇に
愛されなかった、悲劇の英雄、ヤマトタケル
の物語はこうして、幕を閉じている。




=次回予告=

「第19話  母は強し、神宮皇后は行く!」

さて、次回は、神宮皇后のお話です。
子を身籠った母は、新羅に攻めこみます。
後ろ盾もないまま、敵から子を守る
勇ましい皇后の活躍を、お楽しみに~



~マメ知識~ 古事記と日本書紀の記述の違い!!



本文中に書いた、オトタチバナヒメが入水
した場所は、走水神社が建立されている。



この辺は、神社よりも横須賀は観音崎が
観光のスポットになっており、
そっちのほうがにぎやかである。



走水神社も、ヤマトタケルの祀る神社に
しては、ずいぶんと閑散としていて、
寂しい印象を受けた。



近所にあるような神社と、なんら変わらない
のだ。



それでもオトタチバナヒメが描かれた
レリーフなどを見ると、古事記の世界が
よみがえって来る。



オトタチバナヒメがここで、入水し、
ヤマトタケルは悲しんだ。



そんな地だからこそ、ひっそりと
していてもいいのかもしれない。



さて、ヤマトタケルの物語は、
いかがだろうか!!



今回お話した内容は、古事記のものであるが
、日本書紀にもヤマトタケルではなく、
日本武(ニホンタケル)という名で登場
している。



内容はほぼ重なるが、トーンが違う。



日本書紀では、古事記のような悲劇で
悲しみを感じる場面は皆無といっていい。



お国のためなら、たとえ火の中、水の中!!



また、古事記では天皇に疎まれて、
いろいろと征伐をしに行かされるが、
日本書紀では、自らすすんで征伐しに行く。



父、景行天皇に疑うこともなく、命も惜しく
ない勢いで、ただ、天皇に会えないのが
悲しいと、忠節な将軍として死んでいく。



天皇は、それを聞いて夜も眠れず、食も
喉を通らない。



ヤマトタケルを手厚く葬っているが、
古事記では天皇が何を考えているのかさえ、
書かれていない・・・



どっちが正しいのか、分からない(笑)



そもそも存在すら疑わしいし、それは前回の
マメ知識でも書いた。



三浦半島から木更津に行って、それから筑波
行って、足柄だなんて、1人で行く距離で
ないし、辿るコースもおかしい。



つまり、この時代の様々な人の英雄譚が
ヤマトタケルという1人の英雄の物語として
まとめられたのではないだろうかと・・・



しかし、でもしかし、言わせてもらいたい。
もしかしたら、ヤマトタケルは実在したのでは
ないかとも思うのである。



それはヤマトタケルがいなければ、天皇制が
繋がらなくなってしまうのだ。



ヤマトタケルの父はご存知第12代の天皇
景行天皇である。



そしてヤマトタケルの息子が
第14代仲哀天皇となるのである。



つまりは、ヤマトタケルがいなければ、天皇制は
繋がらないことになる。



そして、古事記と日本書紀とそれぞれ伝える
ヤマトタケルについては、実は日本書紀の
ヤマトタケルよりも、古事記のヤマトタケル
に近い感情があったのだと思われる。



なぜなら、日本書紀は当時の朝廷が作成した
正史である。



正史だからといって正しいわけではなく、
編纂した人の都合の良い解釈で、作成
されたものである。



当然、トーンもお国のためという思いが強い



つまり、当時の匂いが色濃く残っているのは、
実は古事記の方が強いのではないかと、
自分は思っている。



古事記こそ、古代を知るには、参考になるの
ではないだろうか!!



来週もお楽しみに~



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1回8月28日 オリエンテーション当事者の時代私とは?(プチ内観)
2回9月10日 企業理念策定
3回9月25日 事業のタネあなたがいて、私がいるコアコンピタンス探し
4回10月11日 事業計画の計画事業計画について価値と計画のマッチング
5回10月30日 事業計画の計画事業計画書について事業概要計画書
6回11月6日 想定財務諸表の作成
7回11月20日 想定財務諸表の作成2
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