配信日時 2018/04/12 22:00

【号外版】第2話 日本の最高神、天照大神誕生

古事記は素敵なファンタジー


さて、前回はイザナキ・イザナミの2人の
夫婦神が、大八島を生み、たくさんの神々
を生みました。



そのとき、火の神を生んだとき、大火傷
を負い、イザナミは死んでしまう。



最愛の妻に死なれたイザナキは、もう
一度会いたいという思いで、黄泉の国へ
と向かったのである。



この死者の住む黄泉の国とは、日本書紀
には記されていません。
古事記だけ登場するのです。



現在でも、黄泉の国へ通じる入り口が
島根県にあるんです。



島根県は平田市猪目町にある猪目洞窟が、
黄泉の国の入り口だと言われています



途中から、肉体を置いていくんだそう
です~おおこわ!!



話しを古事記に戻して、イザナキは、
黄泉の国の宮殿の扉の前まで行って、



「いとしい人よ、どうか国づくりを、
もう一度2人で造ろう。どうか帰って
来ておくれ」



と必死に懇願した。



すると闇の中から、イザナミの声が
聞こえてきた。



「なんで、もっと早く来てくれなかったの。
私はもう、こちらの食べ物を、食べて
しまったわ。こちらの食べ物を食べて
しまった以上、そちらへは帰れないんだけ
ど、せっかくあなたが迎えに来てくれたん
だから、こちらの神様に聞いてみましょう。
でも、待っているあいだ、私の姿を見よう
としないでね」



この手の約束というのは、守られることは
ない。



イザナキは、辛抱強く待ったとは思う。



待って、待って、待ち続けただろう。



だが、周囲はただ暗闇が続くばかりで、
反応が全くない。とうとう我慢しきれずに、
宮殿の中へ足を踏み入れた。



すると、何かが横たわっている。イザナミの
命だ。


彼女の体には、うじ虫が湧き、頭に、胸に、
腹に、陰部に、手足に、穢れから生まれた
雷神8柱がついていた。



腐敗し、異臭を放つイザナミの体・・・



「あなた、私の恥ずかしい姿を見たわね。
ひどい」



イザナキの裏切りを知ったイザナミは、
夫を恨み、女の悪鬼に、夫を捕えるよう
命じた。



ここから、息詰まる、2人の追いかけごっこ
が始まった。



黄泉の国の醜い魔女たちが、逃げる
イザナキを追ってきた。すかさず、
イザナキは、



「えい!」



と、黒いつる草の髪飾りを解いて、
うしろに投げつけた。



髪飾りは、山葡萄のつるとなり、
実をつける。



魔女は頭が悪いのか、追いかけている
ことも忘れて山葡萄をむさぼり食った。



イザナキは、その間に逃げる、逃げる。



気がつくと、また魔女たちが、追って来る。



「えい!」



今度は竹の櫛を取って、歯をへし折って
投げ捨てた。



みるみる竹の子となって道をふさいだ。



魔女たちは竹の子にもかじりついて、
食べている間にイザナキはさらに、
逃げる、逃げる。



魔女たちのその様子を見ていたイザナミは、
頼りないと感じ、体にへばりついていた
雷神8柱と、大勢の手下を差し向けたが、
イザナキは、もうすぐ出口に近づいていた。



イザナキは、火の神を斬りつけたときの剣、
十拳剣を抜いて、追っ手をうまく追い払い
ながら、いよいよ黄泉の国の最終地、
黄泉津比良坂(よもつひらさか)まで来た。



ここで、とどめに、桃の木についている
桃の実を三つ取って、投げつけた。



この効果は抜群で、ついに追っ手を撃退
したのである。



「助かった」



命を助けてくれた桃の実に対して、
「オオカムズミの命」という尊い名前を
与えたのである。



よほどうれしかったのだろう・・・



しかし、ほっと息をついたのもつかの間
だった。



なにやら、恐ろしい雰囲気を背後に感じて
振り向くと、そこには、恐ろしい形相で
迫ってくるイザナミが走って来ていたの
である。



イザナキは慌てて、かたわらにあった
大きな岩を、力いっぱい転がして、
坂をさえぎり、黄泉の国との
出入り口を塞いでしまった。



怒りの収まらないイザナミは、悔しさに
満ちた声でイザナキに向かって、



「仕返しに、あなたの国の人を一日千人
ずつ殺します」



それに対してイザナキは、



「それなら私の国に、一日千五百人の子供を
産ませることにしよう」



と、答えた。



このため、日本の人口増加は一日に千人死ぬ
が、千五百人生まれるというシステムになっ
ているんだとか(笑)



それにしても、イザナミのこの行動をどう
捉えるか・・・



女性のみなさんなら、どう思いますか?



見られたくない姿を見られたのだから、
恥ずかしさと同時に、怒りがこみ上げて
くるというのは、心情として、あるんで
しょうか!!



しかし、イザナキを殺そうとするほどの
憎しみは、ただごとではないですよね。
愛憎といったところか・・・



それでも、あえてイザナミの心を理解
するなら、地上にはもう戻れない。戻れ
ないのなら、いっそイザナキに死んで
もらって、黄泉の国で、一緒に暮らそうと
思ったのかも・・・無理があるかな(笑)



さて、地上界に戻ったイザナキは、
禊(みそぎ)をして黄泉の国の穢れを
払うため、日向国(宮崎県)の阿波岐原
へ行った。



そこで彼は1人で、尊い3柱の神を産む。



左目を洗ったときに生まれた
太陽の神アマテラス・・・



右目からは月の神ツクヨミ、
鼻からは荒ぶる嵐の神スサノオが
生まれた。



ずいぶんと数多く神々を生んできたけど、
ついに、ようやく本当にすばらしい神を
生むことに成功したのである。



中でもひときわ輝いているのが、
日本の最高神、アマテラスの
誕生であった。・・・つづく





=次回予告=

「第3話 兄弟げんかで、世界が閉じた!!」

日本の最高神 天照大神(アマテラスオオミ
カミ)が弟スサノオの暴れん坊ぶりに、
困り果ててしまい、ついには、天岩戸
(アマノイワト)に隠れてしまったから
さあ、大変!!次回はあの有名な天岩戸伝説
のお話しです。
お楽しみに~





~マメ知識~イザナキとイザナミより前のお話


古事記は素敵なファンタジーは、おもしろい
部分から入るということで、イザナキとイザ
ナミの国生みのお話から、させてもらいまし
たが、実はその前にも、お話があるんです。



天地がはじめて、二つに分かれた時、まず
高天原(たかまがはら)に現れたのは、
アメノミナカヌシを含む3柱の神であった。



その後、2柱の神が現れたが、いずれも
いつの間にか、姿を消してしまった。



それ以降に現れたのが、神世七代
(かみよななよ)と呼ばれる神々で、
男女の性をもつ五組の神も生まれた。



そのうち最後の一組が、
イザナキとイザナミであった。



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