配信日時 2026/10/02 23:07

AIに頼りすぎると、言葉が失われていく【カレッジサプリ】

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令和8年10月2日(第4602号)


AIに頼りすぎると、言葉が失われていく


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話1789 字/読了時間2分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
また企業研修の準備などでした。
その他7kmのランニング。

*

さて、本日のお話です。

私事なのですが、最近、言葉が出てこないこと(!)が増えてきました。

「あれ、あの、あれだよ、研究者がいってたやつ…」。
まるで、田舎のおじいちゃんです。

「もしかして、何かの症状だろうか…」と
危機感すら覚えることが増えてきました。

たとえば、少し前は研修でお話をするときも、

「強みの5つの分類の話」とか
「エドガー・シャインはキャリアの軸を、
『才能・能力、動機・欲求、価値観』といっていた」とか、
「JD-Rモデルはこうだ」とか、
「自己効力感の4つの要素はコレ」みたいなものを、
比較的容易に取り出して、そして説明していたように思います。

しかし最近は、どうにもそうしたキーワードが、

「確かあった、なんだっけ…?→AIにきいとこ」

みたいになることが、明らかに増えています。

その理由を考えたときに、
それは「AIに頼りすぎていること」なのかもしれないと思うのでした。

今日は、そんな気付きについて書いてみたいと思います。

それでは、どうぞ!



■生成AIの学習は「支援&足場」のとき機能する


少し前に、生成AIと学習効果についての論文を書きました。

その論文内容によると、「概念理解の支援」や
「深く考えるための足場」とする場合は学習効果がある。

つまり「支援&足場」であることが大事という話。
使っただけでは学習効果が高まるとは言えない、
という結論でした。

※参考記事:生成AIは、本当に学習効果を高めるのか? ―85研究の系統的レビューから見えた「効果的な使い方」
 https://note.com/courage_sapuri/n/n1a95fb803a9e
 
生成AIで、たとえ計算が早くできるようになったとて、
あるいはきれいな文章を量産できるようになったとて、
それは「本人の技能が伸びたわけではない」ことは
言わずもがなです。


■アウトプットだけ求めると「技能」が失われる

もし、「そのアウトプット(パワポ資料や文書テキスト)
さえあればいい」のであればよいのかもしれませんが、
実際、そういうことは少ない印象です。

実はその過程で、試行錯誤するプロセスで
「技能」が磨かれていることも少なくありません。

そして、そのプロセスと技能が、
やはりまだまだ現実では大事になることが
多いように思います。

たとえば、私の場合、この「note記事」がまさにそうです。

「note記事を書く」ということで、
アウトプットのスピードだけ求めたら、
AIに全面的に依頼したほうが早い
(実際、一部AIも活用しながら記事を書いています)。

このことによって、noteというメディアの外部記憶装置に、
学んだ知識が、圧倒的なスピードで蓄積されていきます。
これはAIによる恩恵の一つだと感じます。

ただ、この「アウトプットを出す(note記事を書く)」
だけに寄りすぎると、副作用があるとも感じます。

それが「書く・言葉を編む力」が脆くなっていくという感覚です。
たとえば、こんな力です。

ーーー
・「瞬間的に、訂正が少なく、まとまった文章にまとめる力」

・「起承転結のストーリーを、素早く組み立てる力」

・「適切な比喩を自分で編み出す力」
ーーー

などなど…。

これらは、かつての「ポンコツな音声入力機能」だった際は、
自分が一発で考えたことを文章化しなければ、
後からの訂正が大変だったので、
音声入力でも鍛えられました。

ただ、今のAIは賢くなりすぎて、
こちらがズタボロの論理破綻しまくって、
話が飛びまくって、
普通に人間に相対していたら何言っているかわからない話でも、
上手に「組み立ててしまう」わけです。

この部分が、「技能を磨く機会を失わせる」ことになる。

これまでは、こうしたnoteを書くことで、
「言葉を編む力」を日々鍛えていた。

それがアウトプットをAIに頼りすぎたために、
失われてきたのかもしれない。

そんなことが、研修で言葉が思い出せない一つの要因ではないか、
と感じているのです。


■教訓「鍛え続けたい技能はAIに渡しすぎない」

最近、自分の中で「言葉が失われている」と感じ、
危機感を覚えつつある中で、
今日のような記事を書いてみました。

メールを送る、文章を書く、企画を作る…。
今はたくさんのアウトプットをAIがやってくれます。
企画のチェックや、批判的にフィードバックもらえるのもありがたい。

しかし、便利だからといって、
全てをAIありきにしてしまうと、
少なくとも、自分のような使い方だと、
衰えてしまう機能がある…。
そんなことを感じています。

AIでブーストすることと、自分でやるべきことを決めること。

特に「自分が鍛え続けたい技能は、AIに渡しすぎない」こと、
その領域では手と頭に汗をかき続けることも、
大事なのではなかろうか、
そんなことを思ったのでした。

他の方は、もっと賢くAIを使って、
バランスを取りながら調整をしているのかと思いますが、
自戒を込めて、そんなことを書いてみた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

※ 本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。
https://note.com/courage_sapuri/n/n851f44dc14a3?app_launch=false
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【編集後記】
◯今月のランニング:7km

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