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令和8年9月18日(第4588号)
「食事タイミング戦略」というダイエット法
ー食事の時間が代謝と体重に与える影響ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 4013字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
突然ですが、
私は大変、甘いものが好きでございまして。
(誰も聞いてないのにすみません…)
食事をした後も、「デザートは必ず注文する派」です。
年を重ねたら、私の父親がそうだったように、
甘いものを食べたくなくなるのかな……とか思ったら、
相変わらず、めっちゃ好きです。
本当はランニングの自己ベストに向けて、
体重を減らさなければいけない。
ゆえに、ささやかな抵抗として、
アイスの「ピノ」(おいしい…)の小分けのやつを3粒にしたり、
小さめのアイスモナカを食べたりします。
とても、幸せです。
*
しかしながら、食事は体調に影響を与えるもの。
美味しくても、砂糖などをたくさん摂ったあとに肌が荒れるなど、
目に見える形で影響を感じることもあります。
そんななか、今回ご紹介したいのが、
「食事をどのようなタイミングで取るか」が、
体重や代謝にどのような影響を与えるのかを調べた
システマティックレビューです。
ダイエット法はすでに山ほど研究されていますので、
「今さら食事の研究?」という感じもしますが、
2024年に発表された比較的新しい論文であり、
これまでの知見を改めて確認するうえでも、
興味深い内容でした。
先日は「睡眠はタイミングと規則性が大事」という話をお伝えしましたが、
食事もどうやら、一定の影響がありそうな気配です…!
※参考記事:
睡眠は「タイミングと規則性」が大事である ー9万人超の大規模研究の発見ー
https://note.com/courage_sapuri/n/nc6577e6870c2
ということで、早速中身を見てまいりましょう。
それでは、どうぞ!
ーーーーー
<本日の論文>
タイトル:Meal Timing and Anthropometric and Metabolic Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis(食事のタイミングと身体計測・代謝指標との関連:システマティックレビューおよびメタアナリシス)
掲載誌:JAMA Network Open(2024年)
著者:Hiu Yee Liu, Ashley A. Eso, Nathan Cook, Hayley M. O'Neill, Loai Albarqouni
所属:ボンド大学(オーストラリア)
ーーーーー
■30秒でわかる、この論文のポイント
・12週間以上にわたる29件のランダム化比較試験、
合計2,485名を分析した
・「1.食べる時間を制限する」「2.食事回数を減らす」
「3.朝や昼に多く食べる」という
3つの食事タイミング戦略を検討した
・いずれの方法でも、平均して約1.3~1.8kgの
体重減少が見られた
・ただし効果は小さく、研究間のばらつきや
バイアスリスクも大きいため、
結果の解釈には注意が必要である
■「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」
世界的に、過体重や肥満の増加が課題となっています。
体重を減らすための基本は、摂取するカロリーを抑えること。
しかし、毎日の食事を記録し、
細かくカロリーを計算し続けることは、
なかなか簡単ではありません。
そこで近年、注目されているのが
「食事タイミング戦略」です。
これは、食べるものを細かく制限するというよりも、
食べる時間帯や回数、
1日のなかでのカロリー配分を変えるという考え方です。
ただ、これまでの研究は12週間未満の短期的なものが多く、
ある程度の期間を続けた場合にも効果があるのかは、
十分にわかっていませんでした。
そこで今回の研究では、
介入期間が12週間以上のランダム化比較試験に対象を絞り、
食事タイミング戦略が体重やBMI、腹囲、血糖などに
与える影響を統合して分析しました。
対象となったのは29件の研究、合計2,485名です。
参加者の平均年齢は44歳、69%が女性で、
平均BMIは33でした。
■3つの「食事タイミング戦略」とは
今回の研究では、
大きく3つの食事タイミング戦略が検討されました。
◯1.食べる時間を限定する「時間制限食」
1つ目が、TRE(Time-Restricted Eating)、
日本語では「時間制限食」と呼ばれる方法です。
これは、1日のうち食事を取る時間を6~10時間程度に限定し、
それ以外の時間は、水や無糖のお茶など、
カロリーのない飲み物だけで過ごす方法です。
たとえば、朝10時から夕方6時までの8時間だけ食事を取り、
その後は翌朝まで食べない、という形です。
いわゆる「プチ断食」に近いものかもしれません。
(これ以前やっていましたが、
私はお腹すきすぎて、日頃はムリでした笑)
この方法では、カロリーを減らすように指示されなくても、
食べられる時間が短くなることで、
結果として1日の摂取量が減りやすくなります。
◯2.朝や昼に多く食べる「エネルギーの早め配分」
2つ目が、1日に摂取するカロリーの多くを、
朝食や昼食など、日の前半に配分する方法です。
たとえば、朝食700kcal、昼食500kcal、
夕食200kcalというように、
朝と昼にしっかり食べて、夜は軽く済ませます。
同じカロリーを摂るとしても、
夕食に集中させるのではなく、
体内時計に合わせて早い時間帯に多く食べる、
という考え方です。
◯3.食事や間食の回数を減らす
3つ目が、食事や間食を取る回数そのものを減らす方法です。
たとえば、「1日3食+複数回の間食」という食べ方を、
「1日3食で間食なし」や「1日2食」に変えます。
少量ずつであっても、
一日中何かを口にしている状態を避け、
食べない時間をつくるということです。
■主な結果(わかったこと)
◯わかったこと1:3つの方法すべてで体重が減少した
まず、食事タイミング戦略を行った人は、
対照群と比べて体重が減少していました。
具体的には、以下の結果でした。
ーーー
・時間制限食:対照群より約1.37kg減
・食事回数の減少:対照群より約1.84kg減
・エネルギーの早め配分:対照群より約1.75kg減
ーーー
いずれも統計学的には有意な差が見られています。
つまり、カロリーや栄養素だけではなく、
「食べる時間や回数を整えること」も、
体重管理に役立つ可能性があるということです。
◯わかったこと2:食べる時間が短いほど、減量幅が大きかった
時間制限食のなかでも、
食事を取る時間を8時間以下にした研究では、
平均1.88kgの体重減少が見られました。
一方、食事時間が8時間を超える研究では、
減少幅は平均0.71kgでした。
単純に「短ければ短いほどよい」とまでは言えませんが、
食べる時間をある程度まとめることで、
効果が大きくなる可能性が示唆されています。
◯わかったこと3:わずかながら筋肉量も減っていた
一方で、気になった点もあります。
時間制限食では、
除脂肪体重が平均0.42kg減少していました。
つまり、減った体重のすべてが脂肪というわけではなく、
筋肉なども若干減っていた可能性があります。
時間制限食を実践する場合も、
十分なタンパク質を摂ることや、
筋力トレーニングを組み合わせることが
重要なのだろうと思います。
■この研究の限界について
ちなみに、この研究を読むうえで
注意したいこともあります。
(1)効果はあるが、ぼちぼちである
今回確認された体重減少は、
平均して約1.3~1.8kgでした。
統計学的には意味のある差ですが、
一般的に臨床上の目安とされる
「体重の5%以上の減量」には届いていません。
つまり、食事タイミング戦略には
一定の効果が期待できるものの、
それだけで劇的に痩せるわけではない、
ということです。
(2)バイアスリスクは高く、エビデンスの確実性は低め
また、対象となった研究の76%は、
全般的なバイアスリスクが高いと評価されていました。
研究結果のばらつきも大きく、
エビデンスの確実性は「低い」から
「非常に低い」とされています。
参加者には女性が多く、
エネルギーの早め配分に関する研究は、
すべて女性を対象としていました。
そのため、誰にでも同じ効果があるとは限らず、
現時点では「有望ではあるが、まだ確定的ではない方法」と
捉えるのが妥当なのかもしれません。
■まとめと感想
改めて読んでみて興味深かったのは、
カロリー全体を減らすことだけではなく、
食事のタイミングを意識することにも、
一定の意味があるという点でした。
1日の食事時間を6~10時間程度に収める。
朝や昼にしっかり食べ、夜は軽めにする。
そして、間食の回数を減らす。
言葉にするとシンプルですが、
実際にやってみようと思うと、
これがなかなか難しい。
私の場合、朝は食べても、
昼は外出や仕事でバタバタして軽く済ませ、
夜になってからずっと食べてしまうことがあります。
さらに、そのあとに甘いものまで食べてしまう。
ただ、「朝は早めに起きて、しっかり食べる」
「間食はできるだけ控える」
「夕食はなるべく早く食べる」
「夜、なんとなく冷蔵庫を開けない」。
そんな小さなところから始めるのが、
現実的なのかな、と思います。
私は、冷凍庫のなかのザクザクチョコモナカとピノがなくなっても、
勢いで大量買いしないことを、
まず第1の目標としたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
※ 本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。
https://note.com/courage_sapuri/n/n535feeaff071
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【編集後記】
◯今月のランニング:187km
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