配信日時 2026/09/05 18:25

はじめての学会発表。「とりあえず出してみる」で見えたこと【カレッジサプリ】

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令和8年9月5日(第4575号)


はじめての学会発表。「とりあえず出してみる」で見えたこと


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3063字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

本日、生まれて初めての「学会でのポスター発表」
というものを体験してまいりました。

私の中では、さながら「はじめてのおつかい」並みの
新鮮な体験です。

これまでA0サイズという特大のポスターを
印刷したこともなければ、学会という場で、
大学の先生や研究者の方々を前に、
自分が取り組んできたことを発表した経験もありません。

結論から言えば、
「勢いで申し込んで、本当によかった…!」
と思える時間でした。

今日は、そんな初めての体験で感じたことを、
つらつらと書いてみたいと思います。

それでは、どうぞ!



■産業・組織心理学会とは

今回参加したのは、「産業・組織心理学会」という、
人と組織にまつわる研究を扱う学会です。

リーダーシップ、ジョブ・クラフティング、
キャリア、ハラスメントなど、テーマは実にさまざま。

「働く人」や「組織」、そしてそこで生まれる関係性について、
多様な研究が発表されています。

発表の形式には大きく
「口頭発表」と「ポスター発表」があります。

口頭発表では、いくつかの会場に分かれて、
研究者の方々が順番に研究成果を発表していきます。

一方のポスター発表は、自分の研究内容を
大きなポスターにまとめて掲示し、
興味を持って立ち寄ってくださった方に説明する形式です。

そこで質問を受けたり、意見をもらったり、
議論をしたりする。

そして、私は「ポスター発表」だったのですが、
例えるならば、「文化祭の出店」のごとき雰囲気です。

「へいへい、私、こんなテーマを研究してまっせ!」
と旗を立てる。

そして、その旗に興味を持った人が立ち寄り、
対話が始まる。

100名を超える発表者が集まり、
最新の研究や知見を交換している光景は、
それだけでも面白いものでした。

あついぜ、学会。



■「はじめてのポスター発表」はどんなものか

さて、私が今回発表したのは、
「強み」に関する研究です。

妻がインフルエンザになってしまい、
息子と二人でジョナサンでご飯を食べながら、
入稿期限ギリギリでポスターを仕上げるという、
なんとも慌ただしい状況でした。

そこから昨晩、A0ポスターを印刷し、いざ学会へ。

ちなみに今回扱ったのは、「強みCore36」という強み診断を、
新入社員向けの研修で活用した実践研究です。

強み診断はVIAやクリフトンストレングスなど、
比較的しっかりと時間をかけて測定するツールが
用いられることが多くありました。

そこで今回は、より短時間で実施できる「強みCore36」を用い、
研修を通じて強みの理解度や活用度などが
どのように変化するのかを探索的に調べました。

その内容をポスター1枚にまとめて発表する、
というものです。

研究内容はまだまだ道半ばですが、
ポスターにまとめるプロセス自体が、
自分の考えを整理する時間にもなりました。



■研究者の先輩のありがたきフィードバック

実際に発表してみると、大学院の仲間や
立教大学の講師仲間、他大学の研究者、
さらには民間で強みやメンタルヘルスに関する
研究をしている方など、20〜30名ほどの方が
足を止め、話を聞いてくださいました。

特に印象的だったのが、すでに博士号を取得されている
研究者の方々からいただいた具体的なフィードバックです。

たとえば、「強みのワークショップを行うだけの群」
「同僚から強みのフィードバックを受ける群」
「上司からフィードバックを受ける群」
「自分だけで強みを読み解く群」などに分けて比較すれば、
それぞれの介入の効果がより明確になるのではないか、
という意見。

あるいは、短縮版の尺度では全体的に
得点が高くなりやすい可能性があるため、
社会的望ましさなどとの関係も確認したほうがよいのではないか、
という指摘。

さらには、信頼性がやや低い項目群があるのであれば、
その部分を再検討し、一部の項目を除外する可能性も
考えてよいのではないか、という意見もありました。

かなりマニアックな話ではあるのですが、
自分一人で研究を眺めているだけでは、
なかなか気づけない視点ばかりです。

実にありがたい。

「人に見せることで、研究が磨かれていく」。

そんなことを、体感した時間でした。



■「noteを読んで来ました」と言ってくれた人

そして今回、個人的に何より嬉しかったことがあります。

それが、「紀藤さんのnoteを読んでいます」と、
わざわざ発表を聞きに来てくださった方が
何名かいらっしゃったことです。

「自分も大学院に通っていて、
強みの研究をしてみたいと思っています」という方。

「企業の中で、こうしたポジティブな取り組みを
広げていきたいんです」と話してくださった方。

日々、noteで「強み先生」などと言いながら、
自分が学んだことや考えたことを書いています。

正直なところ、
「こんなマニアックな話を、誰が読んでいるのだろう…」
と思うこともあります。

しかし、それを読んでくださった方と
現実の場で出会えること、
「私も、このテーマに興味があります!」と話せること。

そして、そこから情報交換が生まれ、
新しいつながりができそうなこと。

これは、なんとも不思議で、
何より嬉しいことでした。

発信とは、すぐに何かが起こるものではないけれど、
どこかに小さな種を蒔いているようなものなのかもしれません。

noteやってて、よかったなあと。
(ご挨拶させていただきました皆さま、
 ありがとうございました!)


■まとめと感想

今回の体験を振り返り、思ったことは2つです。

1つが、月並みですが
「面白そうだと思ったことは、やってみるべし」
ということ。

今回のきっかけも、大学院の先生から
「学会というと名前だけで敷居が高そうに感じるけれど、
ポスター発表なんてお祭りみたいなものだから。
どんどん出してみたらいいんですよ!」
と言われたことでした。

実際に参加してみると、確かにそうでした。

もちろん研究としての詰めるべきところがあります。
でも、出すからそのことに気づけるのもそう。

例えるなら、ピアノも発表会に出るからうまくなるのと一緒だし、
マラソンもレースを目指すから速くなるのと一緒だなと思います。

「自分はこんなことを考えています」と
場に出す機会があることが全ての始まりかも知れません。

そして、アウトプットする中で、
自分の関心も少しずつ輪郭を持っていく。

自分が何を面白いと思っているのか。
これから何を探究したいのか。

そんなことも、話せば話すほど
明確になっていく感覚がありました。

ポスター前にて

そして2つ目が、
「人や組織について、真剣に考える人がこんなにいるのだ」
ということ。

リーダーシップ、キャリア、強み、働きがい、
ハラスメント、人間関係。

一つひとつの研究に、
真剣に問い組んでいる人がたくさんいました。

そして、それぞれの人がそれぞれの角度から、
「どうすれば、人はよりよく働けるのだろう」
「どうすれば、組織はよりよい場所になるのだろう」
というお題を考えていました。

その知見が少しずつ積み重なり、
実践の場に還元されていけば、
人や組織はもっとよくなっていくのではないか。

そんなことを思った次第です。

組織で働くことに、これまでの職業経験から、
実は一番こわさを感じている私ですが、
それでもこうした研究に触れて、
人と組織の明るい未来を感じました。

そんなことも含めて、
「勢いで申し込んで、本当によかった」と思えた、
初めての学会ポスター発表でございました。

大学院の仲間も、何名か口頭発表をしていて、
「すごいな…!」と感銘を受けたので、
次回は、口頭発表にもチャレンジしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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https://note.com/courage_sapuri/n/n5a738e17718f?app_launch=false
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【編集後記】
◯今月のランニング:45km

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