---------------------------------------------------------------------------
皆さまの1日を5%元気にするビジネス系メルマガ『カレッジサプリ』
---------------------------------------------------------------------------
令和8年6月29日(第4508号)
15秒以内にたどりつけ!「フォルダ分けの科学」が示す情報整理の3つのポイント
株式会社カレッジ 紀藤康行
---------------------------------------------------------------------------
※このメールは、メールマガジンにご登録頂いた方、名刺交換をさせていただいた方、研修にご参加頂いた方に配信をしております。
ご不要の場合は大変お手数ですが、メール下部の「配信停止はこちら」より解除くださいますようお願い申し上げます。
(本日のお話 3654字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日日曜日は、朝から少しお仕事をした後、
30kmのランニング。
ランニング中に、
偶然に、会うはずがない場所で、
会うはずのない友人と出会い、驚愕しました。
何かのメッセージだろうか…。
その後、妻の体調不良により、
予定を変更して、子どもと公園で遊んだりなど。
また、1週間に1回の長距離走が
だんだんと慣れてきて、ダメージも少なくなってきました。
夏に向けて、ますます肉体も磨いていきたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
突然ですが、みなさま、
「情報収集」はお好きですか?
情報を集めることが好きな人は、
割と、少なくないと思います。
ストレングスファインダーには「収集心」という強みがありますが、
知識や情報をストックしていくことは、たしかに一つの武器になり得ますね。
ただ、問題はその後です。
「面倒くさいから、とりあえずGoogleドライブに突っ込んでおこう」——
そう思って次々と放り込んでいくと、
いざ必要なときに、あれはどこだったっけ……と
フォルダの迷宮をさまよう羽目になります。
まるでドラえもんがパニックになって、
ポケットから意味のわからない道具を次々と出してしまうような、あの感じ。
ドラえもんは4次元ポケットだからしょうがないとして、
我々がああなるのは、いただけません。
*
以前、コンサルで働いている友人がこんなことを言っていました。
「ファイルって、目的のものに15秒以内で到達できないとダメなんだよ」
そのときは「そんなもんかな」と聞き流したのですが、
改めて思い返すと、これは本質をついた言葉だったなと感じます。
では、「整理のうまい人」は、どんな基準でフォルダを設計しているのでしょうか。
気になって論文を調べてみたところ、
その答えを明確に示す、面白い研究が見つかりました。
題して、「フォルダ分けの科学」についてです。
ということで、前置きが長くなりましたが、
どんな内容なのか早速見てまいりましょう。
それでは、どうぞ!
============================
■<今回の論文>
・タイトル: The Effect of Folder Structure on Personal File Navigation
(フォルダ構造が個人のファイル・ナビゲーションに与える影響)
・出版: Journal of the American Society for Information Science and Technology, 2010年
・著者: Ofer Bergman, Steve Whittaker, Mark Sanderson, Rafi Nachmias, Anand Ramamoorthy
・所属: バル=イラン大学 情報科学科(イスラエル)/IBMアルマデン研究センター(アメリカ)/
シェフィールド大学 情報学科(イギリス)/テルアビブ大学 教育学部(イスラエル)/ゲント大学 実験心理学科(ベルギー)
============================
■30秒でわかるこの論文のポイント
・PCユーザーの94%は「平均14.76秒」でファイルを見つけられており、
フォルダ・ナビゲーションは実は高度に機能している
・アクティブなファイルが保存されているフォルダの、
「平均の深さは約2.86層」(全体の82%が4層以下)であり、
人は直感的に「浅くて広い」構造を選んでいる
・「1フォルダ内のアイテムが21個を超えたら、サブフォルダで整理する」という基準が、
検索効率の最適点として導き出された
■なぜ「フォルダ整理」を研究するのか
これまでの情報検索研究の多くは、データベースやウェブといった「外の世界」を対象にしてきました。
一方で、私たちが日々行っている「自分のPC内のファイル探し」(=いわゆる個人情報管理)については、
驚くほど系統的な研究が進んでいませんでした。
近年はGoogleデスクトップ検索のような技術が台頭し、
「もはや手動整理は不要」という声もあります。
しかし実際には、
多くのユーザーが検索よりもフォルダをたどる
「ナビゲーション」を強く好むことが示されています。
この研究は、その「当たり前の行動」を初めて大規模に定量化した、
パイオニア的な論文です。
■研究のデザイン:リアルな検索を測る
・参加者: 日常的にPCを使う296名(主にシェフィールド大学の学生・職員)
・方法: 特別なソフトをインストールせず、参加者のPC上の「最近使ったファイル」リストを印刷。
そのリストの上から順に、実際のフォルダをたどってファイルを探してもらいました。
すべてビデオで記録し、フレーム単位(1秒=25フレーム)で精密に分析。
・データ: 計1,131件の検索、5,035回のフォルダ展開ステップを計測。
プライバシーへの配慮を徹底しながら、
「普段どおりの行動」を観察したところに、この研究の誠実さを感じます。
■主な結果(わかったこと)
では、これら296名のPCを使っている方のビデオ記録調査から、
一体何がわかったのでしょうか。
以下3つのポイントでまとめます。
◯わかったこと⑴:人は「浅くて広い」フォルダを直感的に作っている
アクティブなファイルが保存されているフォルダの平均の深さは、2.86層。
全体の82%が4層以下でした。
また、フォルダ1つあたりのアイテム数は
平均22.46個(ファイル約12個+サブフォルダ約11個)と、
比較的コンパクトに保たれていました。
興味深いのは、フォルダの「役割」が2種類に分かれていたこと。
・ターゲットフォルダ(ファイルが入っている場所):中身の87%がファイル
・ナビゲーションフォルダ(通過する場所):中身の65%がサブフォルダ
ユーザーは無意識のうちに、「保管庫」と「通路(廊下)」を使い分けていたとのこと。
整理上手な人の感覚は、どうやらこの二役をきちんと意識しているところにあるようです。
◯わかったこと⑵:94%は成功し、平均14.76秒でたどり着いている
検索の結果は、3つのパターンに分かれました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑴ 直接的成功(79%):迷わず一発でたどり着く。平均12.29秒
⑵ 最終的成功(15%):途中で迷いながらも到達. 平均27.82秒
⑶ 失敗・断念(6%):見つけられずにあきらめる。平均45.05秒
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
全体の94%が成功し、平均所要時間は14.76秒。
これは、人が直感的に作り上げてきたフォルダ構造が、
実は非常に合理的だということを示しています。
論文では、人間が進化の中で培ってきた
「空間ナビゲーション(食べ物を隠した場所を探すなど)」の認知構造が、
デジタルフォルダの探索にも応用されているのではないかと論じています。
自分の手で作った構造は、記憶に残りやすい、
そういう認知的な理由も重なっているようです。
◯わかったこと⑶:「1フォルダ21個」が最適解の目安
研究チームは、フォルダの深さとサイズが検索時間に与える影響を、数式でモデル化しています。ひらたく読み解くと、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・階層を1段深くすることは、検索時間を約2.24秒増やす
・フォルダ内のアイテムを21個増やすことも、同じく約2.24秒のロスになる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
つまり、「深さ1段」と「アイテム21個」は、時間的コストとしてほぼ等価ということです。
この等価点が、実践的な指針を与えてくれます。
”1つのフォルダにアイテムが21個を超えたら、
サブフォルダを作って整理する”
これが「21までの原則」です。
■【実践】フォルダ分けは「浅く」「小さく」せよ
◯ポイント⑴ 浅く→ 深さは3〜4層以内を死守する
アクティブなファイルの82%が深さ4以下に収まっていたという事実は、
「それ以上深くすると人間の認知が追いつかなくなる」というサインでもあります。
新しいフォルダを作るとき、「これで何層目になるか」を意識するだけで、迷子が減ります。
◯ポイント⑵ 小さく→ 1フォルダ21個を超えたらサブフォルダを作る
ファイルが増えてきたと感じたら、
「21個ルール」を使ってサブフォルダに分ける目安にしてみてください。
◯ポイント⑶ 小さく→ 「oldフォルダ」に"降格"させる
研究では、古いファイルを削除・アーカイブするのではなく、
視覚的な優先度を下げる「降格(Demotion)原則」がフォルダ管理の効率を高めると提案されています。
これ、実はとてもシンプルに実践できます。
たとえば「企画書」フォルダの中に _old や old というサブフォルダを1つ作っておく。
使わなくなった古いファイルは削除せず、そこへ移す。それだけです。
こうすることで、フォルダを開いたときに目に入るのは「今使うもの」だけになり、視覚的なノイズが激減します。
消してしまうと後で後悔するかもしれない、そんな不安も、「oldフォルダに移す」という行為が解消してくれます。
捨てるのではなく、一段"格下げ"するだけ。
これだけで、日常的なナビゲーションがぐっとスムーズになります。
■まとめと感想
「ファイルに15秒以内でたどり着けないとダメ」と言い切っていたあの友人の言葉が、今回の研究を読んでより深く腑に落ちました。
平均14.76秒という数字は、うまく整理できている人の現実なので、まずはここを目指すべし、ということですね。
失敗すると45秒なので、これを繰り返している人と、その生産性の差は、だいぶ大きなものになりそうです。
AIの時代でも、このあたりはあんまり変わらないような気もします。
そして、もう一つ驚いたのが、こうした「フォルダ分け」についても論文があるということです。
本当に世の中の疑問は、どこかの誰かが、研究をしている。
こうした知の宝庫に、アクセスが近年ますます簡単になったというのも、
興味深い時代だな、と思う次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
※ 本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。
https://note.com/courage_sapuri/n/n7cda8d5c6a62?app_launch=false
==========================
【編集後記】
◯今月のランニング:242m
【メルマガのご感想について】
メルマガのご感想は、このメールに直接ご返信いただければ紀藤にのみ届きます。
皆さまのメッセージが励みになります!ぜひお気軽にメッセージくださいませ。
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
メルマガ「カレッジサプリ」公式サイト
https://www.courage-sapuri.jp/
★バックナンバーはこちらから読めます★
https://www.courage-sapuri.jp/backnumber/
■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■
このメールは、メールマガジンにご登録頂いた方、名刺交換をさせていただいた方、
研修にご参加頂いた方に配信をしております。
ご不要の場合はお手数ですが、メール下部の「配信停止はこちら」より解除くださいますようお願い申し上げます。
【メルマガ登録・解除について】
※メールアドレスの変更について
⇒「現在のメールアドレスの配信停止」→「新アドレスでの登録」にてご対応お願い申し上げます。
※メルマガのご登録はこちらから
⇒
https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=HSfoIRnMfw
※メルマガの配信停止はこちらから
⇒
https://1lejend.com/stepmail/delf.php?no=HSfoIRnMfw