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令和8年5月20日(第446号)
「永遠の美」に触れた夜 ー宝飾の世界から感じたことー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2603字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤 康行です。
先日は、午前中に大学のリーダーシップの授業、
午後からは高校のリーダーシップの授業でした。
そして、仕事終わりに、とある珍しい会に参加させていただきました。
内容は、宝飾・コレクターの世界の第一人者の方(調べれば出てくるような、世界的に評価されている方です)による、世界の宝飾品に見て触れるという、少人数のシークレットな学びの会でした。
ご縁をいただいている出版系の方のご紹介から案内があり「宝石とか全く知らないし、興味もない…」という自分でしたが、
とはいえ、人類の歴史と宝飾は切り離せないくらい、昔からあるもの。その理由を知りたくて、思い切って参加の手を挙げてみたのでした。
今日は、そんな宝飾の世界を通して感じたことを、書いてみたいと思います。
それでは、どうぞ!
■「美術館に置かれている宝飾品」に触れる
六本木の某所にて、入口が鉄格子で閉ざされている部屋がありました。
その中には、芸術的な価値の高い宝飾品(数千万円〜おそらく数億円のものも)が数々展示されているとのこと。
いわゆる「美術館などに展示されているような宝飾品」です。
そうした、ガラス越しにしか見られない作品を、実際に手に取らせていただいたり、拡大鏡で細部を覗き込んだりすることができる、というもの。
「宝飾品の文化的な価値を多くの人に知ってもらう」という文化的な活動として行っているとのことで、こうした機会をいただけたそうです。
正直、私がその場所に足を踏み入れて思ったことは、「異空間過ぎて、自分は場違いすぎる…」という緊張のような、居心地の悪さのような、そんな感覚でした。
■「永遠なる美」としての金
まず、印象的だった話が「金(ゴールド)」についてです。
いわゆる「金(ゴールド)」というのは、恒星が最終段階を迎えて爆発するとき、あるいは中性子星同士が衝突するような、極端な宇宙現象の中で生まれると考えられているそうです。
つまり、星の死や激突という、想像を絶するほどの力の中でしか誕生しえない物質、それが金なのだと。
そして化学的に非常に安定していて、空気や水で錆びたり腐食したりしにくい。
日常的な感覚では「ほとんど劣化しない」と言っていいくらいだそうです(厳密には、物理的に傷ついたり摩耗することはあるのですが)さらに、埋蔵量も限られていて、人工的に生産することも極めて難しい。
まとめると、
「金は宇宙で生まれ、地球上では珍しく安定で、実用的には作り出すことができない」
という、特別な物質なのだということです。
ほとんどのものは、いつか朽ち果てていきます。
私はそうした分野に詳しいわけではありませんが、あらゆる物質は時間とともに変化し、消えていく。
しかし、「金」だけは、地球やあるいは宇宙の長い歴史を経てもずっとそこにとどまり続け、輝きを放ち続ける。
そこに哲学的な意味を込めるとすれば、「人は金の中に『永遠の美』を見る」のではないか、という話が、非常に印象に残りました。
確かに金はピカピカしているという印象はあります。
ただ、そうした鉱物の中に「時間を超えた物語」を見るという視点は、これまでの自分にはなかった、新鮮な感覚でした。
■「心が震えるか」どうかが大事である
そんな鑑賞の最後に、その宝飾芸術の研究者のAさんにある質問をさせていただきました。
それが、
「美しいの基準は何か?」
という質問です。
というのも、あらゆる人にも美しいと感じる「審美眼」がある。
ただ、それは一流の人が持つ美しさ基準と、一般的な人(私のような)の基準は、一体何が違うのか…?
その領域に精通しているほど、より細かく見えてくることはある気がするのですが、一体、どんな粒度で世界を見ているのだろうか…というのが、どうしても気になってしまったからです。
その答えとしては、
「自分の心が震えるかどうか」である。「むしろ、それ以外にない」
ということでした。
これは明確に言葉にされていたわけではないですが、
「そのモノサシは人によって違うし、それでいい。あくまで本人がどう感じるか」
であるというニュアンスのお話もされていました。
「キミは、美しさを論理で理解しようとしているんだよ」
そう言われて、自分の質問が野暮だったかな、と反省をしたのですが、
「美しさ」というのは言葉を超えた何か、圧倒され、感じ取るしかない、感性の世界のものだろうな、ということを、ぼんやりと感じたのでした。
■最も印象に残ったもの
いずれにせよ「宝飾品がどれほど多くの人を魅了してきたのか」ということを考えると、そこには富の象徴、権力の象徴、繁栄の象徴として、人間の本能に訴えかける何かがあるのだろうと、感じさせられました。
重ね重ねになりますが、正直なところ、やはり私はジュエリーや宝飾にはまったく興味がない人間なのです。
それは宝飾美術品を見ても、急に変わることはないので、感性の問題なのでしょう。
もちろん「どうやって作ったんだ…」と思わされる細かい技巧に驚かされたり、
あるいは約100年前にフランスの貴族が保持していたという「ダイヤモンドのティアラ」は見せていただいた瞬間は「宝石ってこんなに輝くものなのか…」と相当なインパクトを受けたりしました。
しかし、みんなが「すごい綺麗」と言うからといって、安易に迎合するのも違う。
「自分が美しい」と感じたものはそれはそれとして大切にして、そうでないものは、周りの声に惑わされずにいたい。
自分の感性を、きちんと育てていきたいと思う時間なのでした。
■まとめ:「美しい」と思うものをそばに置く
最後に、この会の中で、印象に残っている話が「ジュエリーを持つことの価値について」です。
本当に気に入ったものを身につけていることは、いわば「美術館を自分のそばに置いておくようなもの」だ、とAさんはおっしゃっていて、その言葉がとても印象に残りました。
これと直接つながるかどうかわかりませんが、私も一年ちょっと前に、アップライトピアノを購入しました(ヤマハの、一般的に買えるものの中では比較的上位クラスのもの)。
今は、仕事机のすぐ隣に置いてあります。
宝石とは違うけれど、「それが部屋にあるというだけで、幸福感が上がる」。
これは自分でも驚くほど実感しています。
もしかすると、宝飾品も似ている物があるのかも…と思いました。
改めて、自分の知らない世界に飛び込んでみると、感情も前提も揺さぶられて、非常に刺激的な体験になりました。
面白そうだと思ったこと、知らないと感じたことには、これからも積極的に飛び込んでいきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:171km
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