配信日時 2026/05/03 16:38

今週の一冊『電車が好きな子はかしこくなるー鉄道で育児・教育のすすめ』【カレッジサプリ】

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令和8年5月3日(第4451号)


今週の一冊『電車が好きな子はかしこくなるー鉄道で育児・教育のすすめ』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2341字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中から1冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。
私事で恐縮なのですが、うちの息子(現在5歳)は、電車がとにかく大好きです。

週末は、いつも有楽町線の40000系(西武系のブルーとイエローの近未来的なデザインのもの)が来るまで待つのが、息子の遊びに付き合うという行為になっています。そんな折に手に取ったのが、この一冊でした。

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『電車が好きな子はかしこくなる - 鉄道で育児・教育のすすめ』

弘田 陽介 (著)
https://amzn.asia/d/0eqtojoh
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鉄道好きのちびっこのことを「子鉄(こてつ)」と呼ぶそうです。鉄道好きの子を持つ親御さん、あるいはご自身が鉄道好きだという方に、まさに向けて書かれたような本です。うちの息子も、立派な子鉄です。

では、電車好きであることは、子どもの成長にどんな影響をもたらすのか。

本書の中身を、ご一緒に覗いてみましょう。それでは、どうぞ!



■効果1:認知スキルが伸びる—「分類する脳」が育まれる

日本の鉄道というのは、実は世界的に見ても非常に特殊な存在なのだそうです。

たとえばドイツにも高速鉄道はありますが、車両の色や形はほぼ1種類。一方、日本では新幹線ひとつとっても、東海道新幹線・山陽新幹線・北陸新幹線…と路線ごとに様々な種類があり、それぞれ車両の形も、発車音も、微妙に異なります。
この「違いを見分ける」という行為が、じつは子どもの脳にとって非常によい刺激になるというのです。

植物にも動物にも食べ物にも、世界はカテゴリーで満ちています。人はものごとを分類し、体系的に学んでいく。その「カテゴリー化する力」が、鉄道を通じて自然に鍛えられていく、というわけです。
また、駅名や地名、各地の路線名を覚えていく過程で、地理の感覚や語彙力、土地勘なども自然と身についていく。鉄道好きの子どもが地図に強かったり、物知りだったりするのは、こういう背景があるのかもしれません。



■効果2:非認知スキルが伸びる—「誰かと遊ぶ力」が育まれる

「非認知スキル」という言葉をご存じでしょうか。
テストで測れる学力とは異なる、社会情動的なスキルのことです。

自立する力、協力して学ぶ力、言葉や数字への興味、運動能力……幼稚園を卒業するころまでに、こうした力の土台が育まれると言われています。

鉄道遊びは、その非認知スキルを育む場にもなるというのが、本書の興味深い指摘でした。

電車ごっこ、運転手ごっこ。
誰かと一緒に想像の世界をつくり上げながら遊ぶ、あの遊びです。実はこの電車遊び、明治時代からすでに子どもたちの間で行われていたそうで、その歴史の長さに少し驚きました。

私自身、昭和の子ども時代を思い返すと、縄跳びのロープを電車に見立てて、友達を「乗せたり」「降ろしたり」しながら遊んでいた記憶があります。あれもまた立派な「協同的な遊び」だったんだな、と思います。
今ではプラレールという素晴らしいおもちゃがあって、息子も夢中になって走らせています。車掌さんになりきりながら、一緒にどこかへ旅をするシミュレーションをする。その中で、「誰かと関わる力」「想像する力」が、ゆっくりと育まれていくとのこと。



■親はどう関わればいいか——愛着と「問い」の大切さ

本書では、親の関わり方についても丁寧に書かれていました。
ポイントは大きく2つです。

1つ目は、鉄道を通じて親子の愛着を育むこと。

中学生になってもずっと鉄道好きな男の子の事例が紹介されていました。
お父さんも実は鉄道好きで、2人で青春18きっぷを使って各地を旅し、その土地のことをあれこれと語り合った。そういう経験が、父と子の関係を深めていったというのです。

男の子はどうしても母親に愛着を向けやすい傾向があると言われる中で、「鉄道」という共通の興味が、父と息子をつなぐ橋になっていた——そんなエピソードに、なんだか胸が温かくなりました。


2つ目は、子どもの素朴な疑問に、丁寧に答えること

「これ、なんで?」「この電車と、あの電車、どう違うの?」

子どもは、信頼できる大人に対して、まっすぐに疑問をぶつけてきます。
その時に「さあね」と流してしまうのではなく、丁寧に、誠実に答えていくことです。

子どもは親の鏡、とよく言いますが、親がどう伝えるかが、子どもの理解の深さに直結するのだそうです。
さらに一歩進んで、「この駅は、他にどことつながっているかな?」と思考を広げる問いを一つ添えてみると、鉄道への興味が地理へ、地理が歴史へ、と知識の連鎖が生まれていきます。

「好き」という気持ちを出発点に、世界がどんどん広がっていく。それが学びの本来の姿なのかもしれませんね。大人も子どもの好奇心の芽を敏感ニキャッチする必要があるな、と思いました。



■まとめ:「好き」は力になる

最後に本書では、「鉄道好きって、受験に役立つの?」という、
親御さんなら一度は頭をよぎるであろう疑問にも触れています。

近年の大学入試は、一発勝負の筆記試験だけでなく、「何かを探求してきた経験」を総合的に評価する方向へと変わりつつあります。そういう時代において、一つのことを深く愛し、探求し続けてきた経験は、それ自体が大きな武器になると主張します。
本書には、灘中学・高校の鉄道研究部の生徒たちのエピソードも紹介されていました。
なんともうちの息子と重なる雰囲気があって(見た目がです笑)、思わず親近感が湧いてしまいました。

子どもの「好き」を、どうか焦らずに、大切に育ててあげてほしい。

本書を読んで、そんなことを改めて思わされました。鉄道好きのお子さんを持つ親御さん、あるいはかつて子鉄だった大人の方にも、ぜひ手に取ってみていただきたい一冊だと思いました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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【編集後記】
◯今月のランニング:25km

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