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令和8年4月21日(第4439号)
葬儀で見た「すれ違い」が教えてくれたこと
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2158字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
この週末は、色々ありすぎました。
日曜の長野マラソンで惨敗したまま、長野→東京→宮崎と移動し、週末に旅立った祖母の葬儀へ。
終末期と聞いて宮崎に飛んでからわずか3日後のことでした。妻と息子も連れていきたかったな、と思いながらも、最後にきちんと時間を取れたことは救いでした。夜には東京へ戻り、移動の多い週末となりました。
▽▽▽
さて、本日のお話です。
葬儀でバタバタする中で、親族間でも色々とすれ違いが起こっている様子が見られました。それを見ていた妻と、話を聞いた私で帰りの飛行機で「対話の難しさ」について語っておりました。
身内の話でありますが大事な話だと思いましたので、今日はそこからの話と、教訓として思ったことを書いてみたいと思います。
それでは、どうぞ。
■誰しもが、それぞれの前提と正義がある
告別式の日、喪主である母が熱を出してしまいました。
おそらく、終末期と聞いてからの親族の来訪の世話や、それに伴う心身の疲労ではなかろうか、と思います。
祖母の娘(母の姉妹)は4姉妹。孫も8人いるので、97歳の長生きの祖母とはいえ、祖母の面会や食事、なんだかんだ面倒見がよい母の「つい色々してしまう」という気遣いの癖が出てしまったのかもしれません。その様子を見て、父は母は気疲れが多かったので休ませたほうが良い、と思っていたようです。
一方、親戚が遅ればせながらやってくるという話もありました。そうすると、気疲れが継続してしまうかもしれない、それは体調不良で望ましくないかもしれない。さて、どうするか…ということで、「それぞれの願い」のようなものがぶつかるような場面があったようです。
詳しくは控えさせていただきたいのですが、たとえるなら「体調不良の母を休ませたい父」と「それでも駆けつけたい親戚」の間で、タイミングや優先順位の違いが静かにぶつかった、そんな場面でした。どちらの気持ちも、第三者から見れば「そう思う気持ちはわかる」というものでした。
そして、どちらも「客観的に見て、それが普通である」とも思っているようにも見えました。それぞれの大事にしたいことに加えて、「それぞれが当たり前だとしていること」がある。しかし、その前提は、やはり違っている。
葬儀とはどうあるべきか、すぐ来るべきものが葬儀である。
会社の事情がある。故人との距離感も含めたバランスがある。
休みの取りやすさ、取りづらさがある。
何かしらの関わりたいという思いや、会いたいという気持ちもある。
そこには、言葉にされているもの以外にも、言葉にされない(そしてされることはない)「水面下の思い」のようなものが見え隠れしつつ、その部分は、完全に相手の立場を見ることは難しい。
その理由は、「相手の一言に、どちらかが感情的になってしまう」とか「自分の当たり前から離れられない」あるいは、「自分の正しさを主張したくなる」などもあるでしょう。実際、自分も含めて、あらゆる人が、そういうものだと思います。
そして、意見の対立の渦中にいると、感情がメガネの色を濃くして、自分のものの見方はますます強固になっていくようにも見えます。そうした様子を見ていると、「双方の前提と正義がある」ということが、第三者には見えてくるように思います。
■「どちらが正しいか」を証明することがゴールではない
ちなみに、こうしたときに合理的に「客観的、論理的、一般常識的に考えたら、こちらのほうが正しい」と決めることは可能ではあります。
そうした意味で、「Aさんより、Bさんのほうが大人な対応であった(客観的、冷静であった)」という判断をすることはできます。ただ、裁判ではない関係の中で、そうした論理だけで決めるのは、後々に響くこともあるもの。
ゴールは「勝つこと」ではなく「双方の願いを叶えること」であるはずなのに、どこからか「自分の意見を通すこと」になってしまうと、合意に至っても、どちらかにわだかまりが残るもの。
望ましいのは、それぞれが「相手を黙らせてやった」とならずに、「それぞれの前提と願いの違いを理解し合えること」その上での解決策への合意ができれば素晴らしいのでしょう。
しかし、そこに至るためには、対話のステージにいる双方が「自分も正しいし、相手も正しいという前提に立とうとすること」が必要なのでしょう。そのためには時間もかかるし、スキルも姿勢も求められるので、簡単なことではありません。家族という最も身近な関係の中でさえ、対話による合意は時間がかかる。それは民主主義の縮図なのだな、と思いました。(自戒を込めて…)
■「自分の正しさ」から距離を置けるように
私もそうですが「これどう思う?」と(感情的に)聞くときは、「批判的・客観的に判断してほしい」というよりも、どちらかというと「擁護してほしい」と思うときが多いです。特に「自分が間違っていない!」と確信しているときはなおさらです。
しかし、そうしたときほど、不思議と「自分のほうがバランスを欠いている」こともままあるな、と思います。
自分ができているとは全く思いませんが、まず「自分の正しさ」から少し距離を置けるようになりたいもの。
そして、もし対立の渦中にいる誰かのそばにいられるときは、「あなたも正しい、相手も正しい」という別の視点をそっと手渡せるような関わりをしていきたい。そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:200km
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