配信日時 2026/04/15 10:21

「中年の危機」の乗り越え方 ー『中年からのアイデンティティ心理学』#6【カレッジサプリ】

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令和8年4月15日(第4433号)


「中年の危機」の乗り越え方 ー『中年からのアイデンティティ心理学』#6


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2200字/読了時間6分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は、午前中に立教大学の2年生向けの「ビジネス・リーダーシップ・プログラム」の授業。
午後からは、立教池袋高校3年生向けの「リーダーシップ概論」の授業の実施でした。

最近は、なぜだか社会人よりも学生と向き合う時間のほうが増えている気がしますが、
気持ち的には若返っている気もします。ランニングもしまくっているため、多分肉体的にも若返っています(笑)。

そして、そうしたエネルギーで新入社員の皆さんと向き合ったところ、
研修評価が例年よりもぐっと伸びていて(特にこの講師を勧めたいと思うか、など)
「あり方」とか「エネルギー」は理論や知識の豊富さ以上に大事なんだな、と思ったのでした。

今回も諸々機会を頂き、関係者の皆様、改めてありがとうございます。



さて、本日のお話です。

中年期になると、「自分は何者か」「本来の正真正銘の自分とは何か?」というアイデンティティに揺らぎが起こるとお伝えしました。

その中で、第4章では「中年期のアイデンティティ危機が、どのように訪れ、どのように解決されていくのか?」について、解き明かす章です。

実際に、数名の実際の体験を元に、質的研究で「アイデンティティの危機の訪れ→アイデンティティ達成」の例が示されており、非常に生々しく、読み応えのある章でした。ということで、早速みてまいりましょう!


■「中年のアイデンティティ危機」の物語
本章では、幾人かの中年期の男女のエピソードが紹介されます。

たとえば、Bさん(男性)のお話。Bさんは30代で仕事に打ち込み、優秀なビジネスパーソンとしてエリート街道を進みます。しかし、41歳のとき、突然の大病をし、入院を余儀なくされて、みじめさと空虚感を体験します。そして家族の関係もガサガサしてしまった。

「頑張りは認められてきたし、業績は評価されたが、今の自分には何の支えにもなっていない」「これまで自分は、一体何をしてきたのか?」……そうした問いが自分の内側に湧き起こるのでした。

そして、内面的にも納得できる人生を模索していこうとする。「アイデンティティの危機」から始まる、中年期のアイデンティティ再確立の物語の始まりの例です。

その他にも、Cさん(女性)が30代に3人の子どもを育ててきたが、40代に差し掛かる時に「子どもに手がかからなくなって、自分は一人ぼっちになるのでは?お荷物になるのでは?」という問いが浮かぶなど。

読みながら、「そうだよね、そうだよね……!」と応援にも似た共感の気持ちが湧き起こるのでした。



■中年期のアイデンティティ再体制化のプロセス

こうした身体の不調・役割喪失感など、「心身の否定的な変化」を体験することがきっかけに「これまでとこれからの自分の生き方の模索」が始まっていきました。

そして、これらの"はじまり"から、アイデンティティがどのように再確立をしていくのかを、本書では整理されています。
以下、ポイントをまとめます。

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<第1段階:危機期 -もう若くないー>
「もう若くない」という自分の変化を感じ始める。体力の衰え、自分に残された時間は長くないという時間展望のせばまり、老いや死への不安。
このようなものから「無力感」「抑うつ感」を体験する。
(身体感覚の変化の認識にともなう危機期)

<第2段階:模索期 ー自分はこれでよかったのかー>
「自分はこれでよかったのか」「本当の自分は何なのか」という自分自身のあり方、生き方に対する問い直しが起こる。「もう遅すぎる」VS「まだやれる」という意識の葛藤があり、自分自身に対する不安定感などが起こる模索期になる。(自分の再吟味と再方向づけへの模索期)

<第3段階:転換期 ー自己のあり方の再確認ー>
問い直しと模索の結果、今後の自分の生き方に「新たな方向づけ」や「自己のあり方の再確認」が行われる。そして自分の生き方や生活が変化していく。自分と他者との間に、再び適応した関係が得られるようになる。(軌道修正・軌道転換期)

<第4段階:再確立期 ー自分を肯定するー>
ここまでの軌道修正の結果、再び安定したアイデンティティが獲得される。中年期の転換期の始まりに意識された心身の変化にも慣れ、新たな方向づけや対象関係にも馴染み、内的統合が進んでいく。結果、自分を肯定できるようになっていく。(アイデンティティ再確立期)
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■まとめ:「揺れること」が必要である

アイデンティティの危機と再確立の間には、「もう遅い」「まだやれる」の葛藤で、「これまでの自分は何をしてきたのか」と「自分とはなにか」という揺らぎが生じます。

それは、仕事や子育てなど、様々な役割に応じた「外的な適応」「外的な役割」に意識を集中してきたものの、その「外的な役割」が揺らぐときに、「内的な統合」ができていないと、無力感・抑うつ感が生じるということでした。

つまり、これまでの人生が「外側の期待に応えるための時期」であったのに対し、中年期の危機とは「内側の納得感を優先する時期」へとシフトするための、避けては通れないプロセスと言えるのかもしれません。

そして、中年はほぼ必ず、そうした心身の否定的変化がやってくる(特に肉体は抗えないので)。「中年の危機」はそれらの年齢で、幅を持ちながらも起こりやすい傾向があるのもよくわかります。ただ、その揺らぎの中で、不安感を覚えながらも向き合い続けることで、「人は自分で新しい物語」を生み出すことができる、そんなことを私は感じました。

ちなみに、私の場合、特に青年期から「人のこころ」がずっと気になり続ける人だったので、おそらく自己探求の時間が人よりも長いように思います。むしろ内的世界に意識を向け過ぎな気もするほど。だからこそ私の場合は、もっと外的な適応、つまり責任ある役割を担おうとすることが、私のテーマでもあるように感じたのでした。

ユングの心理学でも、「心の発達こそが人生の究極の目的である」というような話がありましたが、「外的な役割」と「内的な統合」を私たちは繰り返して、それぞれの道を歩いていくんだな、そんなことを感じさせられた次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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【編集後記】
◯今月のランニング:164km

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