配信日時 2026/03/16 12:00

「苦しいけど楽しい」という幸せのかたち【カレッジサプリ】

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令和8年3月16日(第4403号)


「苦しいけど楽しい」という幸せのかたち


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3354字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

3月になりましたが、変わらず肌寒いですね。

とはいえ日の出が早くなってきたので、
最近は、朝5時30~6時にランニング時間を変えましたが、
非常に生活リズムが整って良い感じです。



さて、本日のお話です。

「なんで、そんなに大変なのに頑張っているの?」
「ストイックだね~」

そんなことを言いたくなる人がいます。
(私もどちらかというと言われるほうですが、本人としてはそんなつもりはありません)

わかりやすい肉体への負荷以外にも、
十二分過ぎるくらいの重要な責任を引き受けていたり、
周りや社会のためにボランタリーな活動に身を捧げていたり、
自分の探求する研究のために多大なる葛藤の中でもがいていたり、
あるいは別に誰にも頼まれもしていないのにやたらと自分を追い込んでランニングしてみたり(これは私)。

そこには、もちろん「やりがい」もあるのだろうけれども、それ以上の「苦しさ」も透けて見える、そんな活動に身を投じている人は少なくありません。

むしろ、そうした「苦しさと楽しさ」の間にいる人は、より命を燃やしているというか、輝いているようにすら見えます。

この「苦しいけど楽しい」という状態を説明する上で参考になる考え方が、
ポジティブ心理学的には「ユーダイモニックな幸せ(Eudaimonic Well-Being:EWB)」というものです。
一言で言えば、快楽・気持ちよさの追求ではなく「意味・成長・目的」の追求に焦点を当てた幸せのカタチです。

今日は、この「幸せ」を考えるための「ユーダイモニックな幸せ」という概念について、ある論文を参考に考えてみたいと思います。

それでは、早速まいりましょう!


■今日の論文
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『Eudaimonic Well-Being as a Core Concept of Positive Functioning(ポジティブな機能の中核概念としてのユーダイモニック・ウェルビーイング)』
Elliott Lee & Tyler Carey
掲載誌と出版年: Mind Pad (Winter 2013)
所属機関: ビクトリア大学(University of Victoria)
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※本日の記事は、上記論文の生成AIでポイントをまとめつつ、著者の見解、感想を含めた内容です。
 論文の詳細を理解をされたい方は、原著をご参照いただけますと幸いです。



■論文の概要

ポジティブ心理学において、ユーダイモニック・ウェルビーイング(EWB)は、個人の最高のポテンシャルを開発・適用し、自己一致的な目標を達成することから得られる生活の質と定義されます。
本論文では、アリストテレス哲学に根ざしたEWBの歴史的背景を概説するとともに、現代における概念定義や、測定に関する科学的・実証的な課題について議論しています。


■背景と研究の目的

◯背景
ポジティブ心理学の進展に伴い、「幸福」の概念は、
快楽の最大化を重視する「ヘドニック(快楽的)」な視点と、自己の真の姿(ダイモン)に従って生きることを重視する「ユーダイモニック」な視点の2つに分かれて議論されてきました。

◯目的
EWBの哲学的なルーツを紐解くとともに、心理学的研究における現在の概念化と測定手法の現状を整理し、将来の研究の方向性を示すことを目的としています。



■研究の方法
本論文は特定の実験や調査を行った研究論文ではなく、既存の文献をレビューした理論的考察・レビュー論文です。

アリストテレスの哲学、
Ryff(1989)の心理的ウェルビーイング(PWB)理論、
Watermanら(2010)の最新の測定指標(QEWB)

などを引用・検討しています。


■主な結果(わかったこと)


◯⑴ユーダイモニック的な幸せの概念の整理をした

EWBは「自己発見」「潜在能力の開発」「人生の意味と目的」「卓越性の追求」「活動への没頭(フロー)」「個人的表現としての活動の享受」といった要素から構成されることが示されています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<ユーダイモニック・ウェルビーイングの6つの要素>(Waterman et al,. 2010)
・1. 自己発見 :自分自身の内面にある真の性質やアイデンティティを見出すプロセスです。
・2. 潜在能力の開発:個人の持つ最高のポテンシャルや能力を認識し、それを最大限に引き出すことです。
・3. 人生の意味と目的:自分の人生に価値を見出し、明確な方向性や目的を持って生きているという感覚です。
・4. 卓越性の追求への多大な努力 :卓越した結果を出すために、意味のある目標に対して惜しみなく努力を投じることです。
・5. 活動への没頭:活動に対して深く集中し、時間の経過を忘れるほど強烈に関与している状態を指します。
・6. 個人的表現としての活動の享受:その活動が「自分らしさ」を表現していると感じ、自己一致的な喜びを得ることです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まさに「苦しいけど楽しい」という感覚は、こうした1~6の要素のそれぞれに関わっているものだと感じますね。
(自己発見、人生の意味や目的、卓越性の追求などなど)


◯⑵ヘドニック的な幸せとの関係を整理した

EWBは、快楽的な幸福(SWB)を得るための「十分条件であるが、必要条件ではない」と考えられています。
つまり、ユーダイモニックな活動は喜び(SWB)を伴いやすいですが、単にキャンディを食べるような活動はSWBを高めてもEWBには寄与しません。
また、以下改めて「へドニック的な幸せ」と「ユーダイモニック的な幸せ」をまとめてみます。

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<ヘドニックな幸福(Hedonic Happiness)>
◯ポイント
・幸福を「快楽の最大化」と捉え、苦痛を避け、心地よさを追求する生き方です 。
・現代の心理学では「主観的ウェルビーイング(SWB)」として扱われ、高い正の感情、低い負の感情、人生への満足度で構成されます。
・キャンディを食べるような一時的な喜びなど、広範な活動が含まれます。

◯語源
・古代ギリシャ語の「hedone(快楽)」に由来します。
・キュレネ派のアリスティッポスやベンサムなどの哲学者によって、「快楽こそが唯一の善である」という立場から提唱されました。

**

<ユーダイモニックな幸福(Eudaimonic Happiness)>
◯ポイント
・最高のポテンシャルを開発し、「真の自己(True Self)」に合致した意義のある目標を追求することから得られる生活の質です。
・単なる快楽ではなく、思索と徳(卓越性)を備えた生き方を通じて達成されます。
・自己発見、人生の意味、卓越性への努力、個人的な表現を伴う活動への没頭が核となります。

◯語源
・古代ギリシャ語の「eudaimonia」に由来します。これは「eu(良い)」と「daimon(真の自己、あるいは守護霊)」の組み合わせで、自分の内なる真実(daimon)に従って生きることを意味します。
・アリストテレスはその代表作『ニコマコス倫理学』において、この概念を初めて紹介し、幸福を「快楽の獲得」と同一視することを拒絶し、自らの機能を最大限に発揮する「徳に従った活動」こそが真の幸福であると説きました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


◯⑵EWBの測定の進展についてまとめた(当時)

初期のインタビューによる質的研究から、Ryff(リフ)のPWB尺度、そしてWatermanらによるEWB専用の測定尺度(QEWB)の開発へと、実証的な測定手法が進化していることが確認されました 。
この尺度については、また別の記事でも紹介したいと思います。



■まとめと感想

ポルノグラフィティの歌で『幸せについて本気出して考えてみた』というのがあったなあ、と思い出してその歌詞を見てみました。その中の歌詞に、こんなことがありました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誰だってそれなりに人生を頑張ってる
時々はその「それなり」さえも認めてほしい

幸せについて本気出して考えてみたら
意外になくはないんだと気がついた
僕は幸せに対して失礼だったみたい
もう一度丁寧に感じて 拾って集めてみよう

※『幸せについて本気出して考えてみた』ポルノグラフィティ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

へドニック的な幸せ、主観的な幸福感の尺度では、もしかすると「他者比較」のような要素も入ってくるのかもしれません。
「自分の理想」を考える上で、人は社会的な比較を含めて理想を考えてしまうことがあるからです。

しかし、ユーダイモニック的な幸せの観点で考えると、自己を発見する、卓越性を追求する、人生の意味や目的を目指す、ということで、
その人それぞれの「それなりに頑張っている」に焦点を当てた幸せにすることもできるのではないだろうか、そんなことを思った次第です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!



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 【編集後記】
◯今月のランニング:129km

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