配信日時 2026/03/11 09:05

「嘘のない人生」を生きると、人間関係が良くなり、健康状態も改善する ーノートルダム大学の研究よりー【カレッジサプリ】

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令和8年3月11日(第4398号)


「嘘のない人生」を生きると、人間関係が良くなり、健康状態も改善する
 ーノートルダム大学の研究よりー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3058字/読了時間3分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は1件のアポイント。
また4月から新しく受け持つことになった、
高校のリーダーシップの授業の設計などでした。

想像以上に大変そうですが(苦笑)
新しい経験として楽しみながらやりたいなと思います。

その他、11kmのランニング。
ようやく脚の筋力も回復してきました。



さて、本日のお話です。

「嘘つきは泥棒のはじまり」。

昔、よく母が言っていましたが、「嘘をつかない」というのは道徳として、守るべきものと見なされているものの一つです。

こうしたことは、人類共通の美徳として「誠実さ」とも言われ、古今東西で古くから言われてきており、近年ではポジティブ心理学の分野で研究されている領域でもあります。

一方、実際のところ、こんな話が言われています。

・アメリカ人は1日に1~2回、週に11回の嘘をつくと推定されている
・成人を対象とした研究は、嘘が日常生活の事実であることを示している

一方、面白いのは、人は「自分自身を誠実である」と見なす傾向があるという点です。

「人々は利益を得るために不誠実に行動するが、自身の誠実さを錯覚するほどには誠実である」

という指摘もあります。
いわゆる自分がメリットを得るための”小さな嘘”を、ちょっとずつ重ねている実態が透けて見えます。

本日ご紹介する実験では、「10週間、全く嘘をつかない」ことを参加者に依頼した結果、どのような変化があったのか?を調べています。
これが実に興味深い内容となっており、ぜひ共有させていただきたい、と思いました。

ということで、早速中身をみてまいりましょう!



■今回の論文

・タイトル:A Life without Lies: Can Living More Honestly Improve Health?(嘘のない人生:より正直に生きることは健康を改善できるか?)
・著者:Anita E. Kelly / Lijuan Wang
・ジャーナル:American Psychological Association 2012 Annual Convention、2012年
・所属:ノートルダム大学 心理学部(Department of Psychology, University of Notre Dame)
※本研究はジョン・テンプルトン財団の支援による「誠実さの科学(Science of Honesty)」プロジェクトの一環として行われました。



■30秒でわかる論文のポイント

・10週間にわたって「嘘をつかない生活」を送る実験を行ったところ、嘘を減らした週は身体的・精神的な健康状態が有意に向上した。

・「思いやりのある嘘(ホワイトライ)」であっても、それを減らすことで健康へのポジティブな影響が確認された。

・健康が改善する主な理由は、嘘を減らすことで「身近な対人関係が改善したこと」にある。

・意識的に嘘を避ける努力をすることで、自分自身をより誠実であると認識するようになり、健康効果も高まる。



■研究の背景と目的

古くから宗教や哲学、精神分析の世界では「正直さは善であり、健康に良い」と信じられてきました。

例えば、フロイトは精神分析では治療のために患者に完全な正直さを求めています。
しかし、実際には嘘は日常茶飯事であり、信頼関係を損なう要因にもなっています。

本研究の目的は、これまで誰も踏み込んでこなかった「意図的に嘘をやめることで、本当に健康は改善するのか?」という問いに答えることです。

※「嘘(Lie)」の定義:
話し手が偽りであると信じている内容を、聞き手を欺く意図を持って伝えること。
なお、本研究では沈黙を守ることや秘密を持つこと、質問への回答を拒否することは「嘘」には含まれないと定義されています。



■研究の方法

110名の参加者(大学生65%、地域住民35%)を対象に、10週間の実験が行われました。

・デザイン: 10週間の縦断的実験研究。
・参加者: 18歳から71歳までの男女。離脱者はわずか1名という高い継続率でした。
・介入条件(No-lie group): 「いかなる理由であれ、誰に対しても嘘をつくのを控える」よう指示されたグループ。真実を言わない(省略する)、秘密にする、回答を拒否することは許可されましたが、偽りを言うことは禁じられました。
・比較条件(Control group): 嘘に関する制限は設けられず、単に毎週ついた嘘の回数を報告するよう指示されたグループ。
・測定ツール:
 ーポリグラフ検査(嘘発見器): 毎週、嘘の回数を正直に報告させるために使用。
 ーPILL(Pennebaker Inventory of Limbic Languidness): 喉の痛み、頭痛、めまいなどの身体的症状の測定。
・分析手法: 毎週のデータを用いた統計的検定、および関係性の改善が健康に与える影響を調べる媒介分析など。



■主な結果(わかったこと)

◯わかったこと1:人は意識すれば劇的に嘘を減らすことができる

介入グループは、第2週目から最終週まで、対照グループに比べて有意に「ホワイトライ(些細な嘘)」と「重大な嘘」の両方を少なく保つことができました。
特に第5週目以降は、自分自身を「平均的な人よりも誠実である」と強く認識するようになりました。


◯わかったこと2:嘘を減らすほど、身体と心の健康が向上する

両方のグループにおいて、嘘(特にホワイトライ)を減らした週は、身体的な不調や精神的な不満が有意に減少しました。
特筆すべきは介入グループで、ホワイトライを3つ減らすだけで、精神的健康の苦情が4.3項目、身体的健康の苦情が2.7項目も減少するという顕著な結果が出ました。


◯わかったこと3:健康改善の鍵は「人間関係の向上」にある

嘘を減らすことで、親しい個人関係が有意に改善しました。
統計的な分析の結果、この「人間関係の改善」が、嘘の減少と健康増進を結びつける大きな要因であることが裏付けられました。


■実践に活かすヒント

この研究から、私たちが日常で取り入れられる「正直になる戦略」がいくつか見えそうです。

・誇張を避ける: 自分の成果を誇張して伝える誘惑に駆られたとき、「ありのままの事実」を伝えるだけで十分だと自分に言い聞かせることが、長期的な精神衛生に寄与します。

・嘘をつくではなく、答えないor質問で返す: 正直に生きることは、相手を傷つける真実をぶつけることではありません。答えたくない質問には、別の質問で返したり、話題を変えたり、あえて曖昧にしたりすることも「嘘をつかない」ための立派な技術です。


■まとめと感想

たしかに、この論文を読んで「100%嘘がなく生きているか」と言われると、小さな嘘を自分も重ねているように思いました。

ちょっと誇張する、自分が知っている情報を部分的に開示をしたりする、など、見せ方を変えようとするのも一つの「嘘」です。

余談ですが、私は2年くらい前までは169.5cm身長があったのですが、今は縮んで168.5cmになってしまいました。
しかし未だに169.5cmと言っています。これも、小さな嘘と言えば嘘。
こういうの、あるよなあ…と振り返って思うのでした。

ただ、「正直に生きることが、人間関係を媒介して、健康に寄与する」という結果からは、たとえ小さな偽りでも「後ろめたさ」のようなものを感じているということでしょう。
それを、自分が見ているがゆえに、バレるバレないではなく、自分に影響を与えるわけです。

この話は、ハーバード・ビジネス・レビューの別の観点からも研究されていることを思い出しました。

「全く嘘をつかない、100%正直に生きる」。
そうすることで、自分が一番メリットを得ることができるのかもしれませんね。

ご紹介した論文レポートの最後は、健康の秘訣は3つだと締めくくられていました。

<健康の秘訣>
⑴.野菜を食べる
⑵.運動する
⑶.嘘をつかない

新しい健康習慣になりそうですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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 【編集後記】
◯今月のランニング:64km

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