配信日時 2026/02/25 17:57

他者と満足のいく関係を築く「社会的知性の高め方」7つのステップ【カレッジサプリ】

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令和8年2月25日(第4384号)


他者と満足のいく関係を築く「社会的知性の高め方」7つのステップ


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3154字/読了時間4分)

■こんにちは。紀藤です。

昨日は5kmのランニング。
東京マラソン(サブ3チャレンジ)まで、あと4日。

体重も、12月のフルマラソンのときにが61.5kgだったのが、
今では58.5kgまで落とすことができました。
(胃腸炎のおかげ?ですが)

脚のダメージを完全に回復し、
明日からカーボローディングでエネルギーを充電し、
万全の状態でチャレンジしたいと思います。

だんだん気分が上がってまいりました。



さて、本日のお話です。

本日は「社会的知性」に関する論文のご紹介です。

「社会的知性(Social Intelligence:SI)」とは、1920年にソーンダイクによって初めて提唱された概念で、「社会的つながりの価値に対する鋭い認識」「他者の視点に立つ能力」「満足のいく関係性を築く能力」などを意味します。

このSIは、いわゆる「非認知スキル」の代表格です。(IQのような学力テストで測るびが「認知スキル」です)
こうした「社会情動的スキル」などのソフトスキルと呼ばれるものは、私たちの学歴、収入、健康、そして人生の幸福感にまで大きな影響を及ぼすことがわかってきました。

しかし、この「他者や集団を読む力」「場をマネジメントする力」は、大人になってからでも訓練で高められるのでしょうか?

今回の研究では、スペインの大学生を対象に、最新の神経科学に基づいた50セッションに及ぶSIプログラムを実施し、その効果を科学的に検証しています。
3ヶ月のトレーニングを経て、学生たちの「他者への感受性」や「社会的自信」がどう変化したのか。

社会的知性を育むための具体的なヒントが詰まった本研究の中身を、早速見てまいりましょう!


■今回の論文
・タイトル:Can we learn to treat one another better? A test of a social intelligence curriculum(私たちは互いをより良く扱うことを学べるか? 社会的知性カリキュラムの検証)
・著者:Eva K. Zautra / Lilian Velasco
・ジャーナル:PLOS ONE、2015年
・所属:ソーシャル・インテリジェンス研究所(Social Intelligence Institute, Phoenix, Arizona, United States of America)



■30秒でわかる論文のポイント

・最新の社会・認知神経科学に基づいた50セッションのオンラインプログラムで、社会的知性(SI)が向上するかを検証しました。

・3ヶ月の受講後、参加者は「他者への感受性(相手の気持ちを察する力)」と「社会的自信(対人関係をうまく扱う自信)」が有意に高まりました。

・もともとの「感情知能(EQ:自分の感情を扱う力)」の高さに関わらず、トレーニングの効果が得られることが判明しました。

・性別や年齢による効果の差はなく、誰でも学習を通じて他者との関わり方を改善できる可能性が示されました。



■研究の背景と目的

現代社会において、良好な社会的関係は心臓血管機能や免疫応答の向上、長寿など、身体的・精神的健康に直結することが証明されています。
しかし一方で、大学生の「視点取り入れ能力(相手の立場に立つ力)」が過去30年で34%も低下しているという懸念すべきデータも存在します

これまで、子供向けの社会情動学習(SEL)は研究されてきましたが、若年成人(大学生など)を対象とした社会的知性のトレーニングが有効かどうかは、十分に検証されてきませんでした 。

そこで本研究は、「人間化(相手を操作対象ではなく、一人の人間として扱うこと)」を核としたカリキュラムを通じ、若者が他者と積極的につながる能力を高められるかを明らかにすることを目的としました 。


■研究の方法

・デザイン:事前・事後テストを用いた準実験的研究(非ランダム化比較試験)。
・参加者:スペインのレイ・フアン・カルロス大学の学生(介入群207名、対照群87名)。
・使用した尺度:トロムソ社会的知性スケール、自己監視スケール、対人反応性指数(IRI)など。


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◯具体的な介入方法(SIプログラムの構成)

以下の7つのモジュール(全50セッション)で構成されています。

・モジュール1:社会的な脳とSIの基礎
 ーなぜ人間にとって「他者とのつながり」が生存に不可欠なのか、脳が他者の意図を処理する仕組みを学びます。

・モジュール2:感情の理解と共感(Empathy)
 ー自分と他者の感情を識別し、他者の苦しみや喜びに共鳴するメカニズムを理解します。

・モジュール3:視点の取得(Perspective Taking)
 ー自分の枠組みを外し、他者の立場から世界を見る認知的トレーニングを行います。

・モジュール4:人間化(Humanizing) vs 没人間化(Dehumanizing)
 ープログラムの核心/他者を「物」や「肩書き」としてではなく、一人の人間として尊重するプロセスを学びます。

・モジュール5:社会的コミュニケーションと傾聴
 ー相手の背景にある感情やニーズを汲み取る「深い傾聴」と、非言語情報の読み取り方を学びます。

・モジュール6:社会的対立(コンフリクト)の解決
 ー衝突が起きた際、攻撃や回避ではなく、互いの尊厳を守りながら建設的に対話する手法に焦点を当てます。

・モジュール7:SIの統合と日常生活への応用
 ー学んだ内容を総括し、実生活(家族、友人、職場)で継続して実践する計画を立てます。
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■セッションの特徴

・オンライン学習とリフレクション:各セッションは数分〜15分程度の動画や読み物で構成。最後に「リフレクション・ログ(振り返り)」を記入し、自分の経験に当てはめることで定着を促します。
・対面演習:オンラインで学んだ理論を、クラスメートとのロールプレイングやディスカッションを通じて実践します。


■主な結果(わかったこと)

◯わかったこと1:他者への感受性と視点取得能力が向上した
介入群は対照群と比較して、相手の表情の変化に気づく力や、相手の立場から物事を考えるスコアが有意に増加しました。

◯わかったこと2:社会的状況における自信(自己効力感)が強まった
新しい環境に適応する力や、自分の目的を達成するために行動を調整する「社会的自信」が顕著に高まりました。

◯わかったこと3:学習効果は「元のEQ」や「属性」に左右されない
事前テスト時の感情知能(EQ)の高さ、性別、年齢に関わらず、すべての参加者がトレーニングから同等の恩恵を受けられることが判明しました。


■応用可能性(実践に活かすヒント)

・「人間化」の意識を日常に:相手を「苦手な上司」「面倒な顧客」というラベルで見るのではなく、一人の人間として再認識するトレーニングを意識的に行いましょう。
・リフレクションの習慣化:本プログラムのように、日々の対人関係での出来事を「振り返りログ」として書き出すことは、社会的知性を育む強力なツールになります。
・視点取得のスイッチを入れる:対立が起きたとき、あえて「相手の目を通してこの状況はどう見えているか?」と自問する認知的プロセスを組み込みましょう。


■まとめと感想

論文を読みながら、非認知スキルと社会的情動スキルの関係はどうなっているんだろう? と寄り道的に考えていましたが、整理をすると、以下のようになるとのこと。

「非認知スキル ∋ 社会情動的スキル ∋ 社会的知性」

読み流していると、つい一つ一つの言葉の定義などをスルーしてしまいがちですが、その言葉が何を意味していて、どのように他の概念と重複しているのか、そうしたものをアンテナを立てていくことが、学びにおいても重要なコトなのだろうな、そんなことを思った次第です。

加えて、モジュールでも示されていた「感情の理解と共感」「視点の取得」でいえば、
相手の立場だったときに、同じ景色がどのように見えているのかを推察することが、
コーチング、組織開発の場でも繰り返し述べられていることを思い出しました。

感情を伴った人間が、何を考え、どう感じているのかに意識を向けること。
それこそが、社会的知性を高めるベースなんだな、と改めて確認した次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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 【編集後記】
◯今月のランニング:161km

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