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令和8年2月19日(第4378号)
私たちの「報酬」は、どんなルールで決まっているのか?
ー第9章 報酬管理ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2516字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、長らくご縁をいただいていたクライアント様の
未来に向けた「組織づくりプロジェクト」の打ち合わせでした。
新しいことを始めるときは、
希望と困難が入り混じった冒険を予感させるものですが
まさにそんな空気感を感じる場で、私自身身が引き締まる思いでした。
また、余談ですが、そんな昨日
明け方からお腹の調子が悪く、昼過ぎから、体調が急激に悪化。
発熱で39度近くまで上がりました。
とはいえ、今日もお仕事があったので、気合で熱を上げて12時間で回復。
なんだか定期的にこのパターンを繰り返している気がします。
(日々のランニングにより、ウイルスを駆逐する力は高まっている気がする)
いずれにせよ、健康は大事ですね…!
*
さて、本日のお話です。
本日、外部人事パートナーとして関わらせていただいている企業様との勉強会があり、
今月は『人事管理入門』の第9章「報酬管理」がテーマでした。
※これまでのお話はこちら↓↓
https://note.com/courage_sapuri/m/m130759aac437
特に、社員の関心が最も高いテーマがこの「報酬」ではないかと思います。
賃金は上がり続けてほしいのは誰もが同じ。
しかしながら、市場全体が大きくなるプラス・サムの時代から、今はゼロ・サムの時代になっています。
つまり、昔はケーキ全体が大きくなっており、皆のケーキの取り分が増えていました。
今はケーキのサイズが同じ、もしくは市場の物価高に比べると小さくなっているとさえ感じる。
「原資」は同じ中で、皆が貢献に対して納得感が得られるように設計をすることが求められているのが、今の「報酬管理」の現状とも言えます。
さて、そんな「報酬管理」がどんなメカニズムで構成されているのかを解説しているのが本章となります。
それでは早速、学びのポイントをみてまいりましょう!
■1. 2つの賃金改革:総額の決め方と、個人の配分
現在の賃金改革には、大きく分けて2つの動きがあります。
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・賃金総額の決定方式(春闘見直し論) :これまでの「横並び主義」を改め、個々の企業の経営業績に合わせて賃上げ率を決めるべきだという経営側の主張が強まっています。
・個人への配分ルール(年功給から成果重視へ): 年功賃金を仕事や成果重視の賃金に改める動きです。急速に広まった「年俸制」などは、年間の成果を賃金に反映させる代表的な仕組みといえます。
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しかし、こうした動きの一方で、日本企業はバブル崩壊後の低成長時代に合わせた根本的な構造転換を先延ばしにしてきた側面もあります。
具体的には、高度経済成長期は、会社全体の利益(パイ)が毎年大きく増える「プラスサム」の時代でした。
そのため、「誰かの賃金を上げても、他の人の分も確保できる」という状態で、全員の給与を一律に上げる年功賃金がうまく機能していました。
しかし、バブル崩壊後の低成長期は、限られたパイを分け合う「ゼロサム」の時代に変わりました。
「誰かの給与を上げるには、誰かの分を据え置くか下げるか、あるいは生産性を劇的に上げる」という厳しい選択が必要になりましたが、
多くの日本企業は痛みを伴うこの配分ルールの変更(抜本的な成果・職務主義への移行)を先延ばしにしてきた側面が述べられていました。
■2. 労働費用の管理:企業性と社会性のバランス
企業にとって、給与や賞与、退職金などは「労働費用」というコストです。この水準をどう決めるかには、2つの視点が必要です。
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・企業性(支払い能力): 付加価値に対する労働費用の割合である「労働分配率」を、経営の健全性を保てる適正水準に維持することです。
・社会性(世間相場と法的義務): 賃金の世間相場や、政府が決める「法定福利費(社会保険料)」などを無視することはできません。
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近年、日本企業にとって深刻なのは、「現金給与以外の労働費用」、特に社会保険料や退職金の負担増です。
1985年と2016年を比較すると、労働費用の増加分の約5割弱を退職金と法定福利費が占めており、これが企業の大きな負担となっています。
■3. 日本型賃金の決定メカニズム:春闘とベア
日本の賃金総額管理において重要な役割を果たすのが「春闘」です。
◯賃上げ率の構成
春闘で決まる賃上げ率は、通常「定期昇給(定昇)」と「ベースアップ(ベア)」から構成されます。
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・定期昇給:年齢や習熟による賃金上昇。
・ベースアップ:物価上昇や生活改善を目的とした、賃金表そのものの書き換え。
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決定要素の変化として、「物価動向」が重視されましたが、近年は「企業業績」を第一の決定要素としつつ、雇用の維持や労働力の確保を考慮して決める傾向が強まっています。
■4. 個別賃金と賃金制度の設計
賃金総額を個々の社員にどう配分するか。そこには「内部公平性」と「外部競争性」という2つの原則があります。
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<配分の2つの原則>
・内部公平性:社内の等級や仕事の重要度に対応しているか。
・外部競争性:外部市場の相場と比較して、人材を確保できる水準か。
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また、給与についても、基本給のタイプ、長期給と短期給などいくつかの観点から、その設計には論理的な枠組みが設けられています。
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<長期給と短期給の組み合わせ>
・長期給(基本給):社員の長期的価値や生活の基礎を支える。
・短期給(賞与・一時金):短期的な成果や業績を反映させる。
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◯長期給(基本給)の3つのタイプ
日本の基本給は、以下の要素を総合的に勘案した「総合給」の形をとることが多いです。
1.職務給:職務の価値で決まる。
2.職能給:職務遂行能力で決まる。
3.属人給:年齢・学歴などの属人的要素で決まる。
◯短期給(賞与・一時金)の機能
日本の賞与は、他国に比べて給与に占める比率が非常に大きいのが特徴です。これによって弾力的な対応が可能になっています。
1.利益分配:業績に連動させて弾力的に支払う。
2.短期報酬:個人の短期的な成果を反映させる。
3.コスト節約:基本給を上げるよりも、固定費としての労働費用膨張を抑える効果があります。
■5. なぜ「年功賃金」は続いてきたのか?
「年功賃金は古い」と言われながらも長く続いたのは、経済的な合理性があったからです。本書では2つの仮説が紹介されています。
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⑴生計費保障仮説:年齢とともに増える生計費に合わせて賃金を上げることで、社員が安心して働けるようにし、忠誠心を高める。
⑵熟練仮説(人的資本論):社内教育(OJT)を通じて、その企業でしか通用しない「企業特殊能力」を長期間かけて身につけるため、長く勤めるほど能力(=賃金)が上がる。
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特に、他社へ転職するとこの「企業特殊能力」が評価されない(一般能力のみの評価になる)ため、社員は今の会社に留まるインセンティブが働き、結果として年功的なカーブが成立するのです。
■まとめと感想
今回の「報酬管理」を学んで思ったことは、2つです。
1つ目が、経営的な視点で見たときに「合理的な設計で報酬は決められている」ということです。
そして、その報酬は、日本経済、業界の労働分配率、企業の業績など様々なバロメーターが関わっていきます。
なので、報酬の高い・低いだけを、価値基準にするのは難しいと思いました。(頑張ってなくても、ある場所にいけば、相当の報酬がもらえる例は多々あります)
2つ目が、組織行動的な側面で、「人は公平性によってモチベーションが左右される」ということです。
頑張りに報いられている感覚があること。それは適切な差を付けられているという意味も含みます。それが働く上でのモチベーションに関わります。
その中で、内部市場における自分の価値の証明としての報酬、外部市場における自分の価値の証明としての報酬を、客観的に見るための指標が「報酬」でもあります。
「プラス・サム」から「ゼロ・サム」へのゲームになった中で、そうしたルールに納得ができるかどうか。
こうしたルールづくりを経営は求められているのだな、そんなことを感じた次第です。
そして同様に、こうした報酬の仕組みを理解することで、より客観的に自分が受け取っている報酬も理解できるようになる、そんなことも感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
※ 本日のメルマガは「note」にも、図表付きでより詳しく掲載しています。よろしければぜひご覧ください。
https://note.com/courage_sapuri/n/n48a6cd49cc34?app_launch=false
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【編集後記】
◯今月のランニング:128km
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