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令和8年2月12日(第4372号)
問題解決の5段階プロセスとは?
―ニューヨーク州立大学の研究からわかった「人生の難問」への向き合い方ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3254字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日も、執筆活動。
MBTI®を活用したチームビルディング研修の準備などでした。
その他、子どもと遊びなどなど。
祝日でしたが、適度に働いております。
夕方からは、大学院の博士後期過程に行かれている方、
また進学を検討している方とのお食事会。
アラフォーのキャリア戦略の考えなど深く、興味深い話がたくさんあって、
実に楽しい時間でした。改めて立教大学大学院(LDC)は、つながりが最も多いな資産だったのかもな、と思った1日でした。
*
さて、本日のお話です。
今日もある論文のご紹介です。
皆さま、最近は「問題(お悩み)」、抱えていますでしょうか?
(なんだか急に妙な質問、すみません…)
さて、私たちは日々、大小さまざまな「問題」に直面しながら生きていますね。
「問題解決」と言っても、パズルを解いたり数学のテストに挑んだりするような学習上の課題もありますが、どちらかというと頭を悩ませるのは、職場の人間関係、あるいは自分自身のキャリア、あるいはメンタルヘルスの不調といった現実での課題かと。
こうした後者の問題を「社会的問題」と呼ぶそうです。
では、こうした日常の問題に対して、私たちはどのように向き合い、解決していけばよいのか?
そんなことを思って論文を調べていたところ、ある論文を見つけました。
D'Zurilla(ディズリラ)らが提唱した「社会的問題解決モデル」なるもので、彼らがこの領域の第一人者であるようです。
「問題解決って、この5つの要素を整えれば確かにうまくいきそうだ」と、予感させ、また実践と紐づけてイメージできる内容でした。
本日は、この理論をまとめた2009年の論文をベースに、そのエッセンスをご共有できればと思います。
それでは、早速まいりましょう!
■今回の論文
タイトル:Social Problem Solving: Theory and Assessment(社会的問題解決:理論とアセスメント)
著者:Thomas J. D'Zurilla / Albert Maydeu-Olivares
ジャーナル:Social Problem Solving: Theory, Research, and Training、2009年
所属:ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校(Stony Brook University)
■30秒でわかる論文のポイント
・「社会的問題解決」とは、日常生活で直面する「リアルな問題」に対して、効果的な解決策を見つけ出すための自己主導的なプロセスです。
・問題解決には、具体的な「スキル」だけでなく、問題に対する「姿勢(マインドセット)」が極めて重要であることが示されました。
・最新のモデルでは、「5つの次元(ポジティブ・ネガティブな姿勢、合理的スキル、衝動性、回避)」で能力を測定します。
・単に「解決策を知っている」ことと「それを実行できる」ことは別物であり、両方のトレーニングが必要です。
■研究の背景と目的
「問題解決」の研究は古くからありますが、多くは実験室の中のパズルを対象としたものでした。しかし、D'Zurillaらは「現実世界」で起こる問題に注目しました。
◯「社会的問題解決」とは
ここでいう「社会的な」という言葉は、対人関係だけに限定されるものではありません。
たとえば、以下のような、個人の適応に影響を与えるあらゆる「リアルな悩み(問題)」を含みます。
・個人的な問題(感情、健康、仕事など)
・対人的な問題(職場の人間関係、家族の不和、パートナー間の葛藤など)
・社会的な問題(経済、犯罪、差別など)
この研究の目的は、1971年から積み上げられてきた「社会的問題解決モデル」を整理し、それをいかに正確に測定するかを明らかにすることにあります。
■研究の方法
本論文は、これまでの理論的展開と評価手法をまとめた総説的な内容です。
◯理論構成: 1971年の初期モデルから、2002年の改訂版5次元モデル(SPSI-R)への進化を詳述しています。
◯測定ツール:
・SPSI-R: 52項目の自己記入式質問紙。5つの次元を測定。
・PSI(問題解決インベントリ): 自分の能力をどう捉えているか(自己効力感)を測定。
・MEPS(手段-目的問題解決手続き): 物語の結末に至るまでのステップを記述させる記述式テスト。
◯分析の視点: 因子分析(探索的・確認的)を用いて、問題解決能力がどのような要素で成り立っているかを統計的に検証しています。
■主な結果(わかったこと)
◯わかったこと1: 「問題解決の5段階プロセス」がある
D'ZurillaとGoldfriedは、効果的な問題解決を以下の5つの論理的なステップに分解しました。以下、1971年のオリジナルモデルです。
ーーーーーーーーーーーーーー
⑴問題志向(Problem Orientation)
問題に対する「マインドセット」です。問題を「脅威」ではなく「挑戦」と捉え、自分には解決できると信じる姿勢が、プロセスの原動力となります。
⑵問題の定義と公式化(Problem Definition and Formulation)
何が問題かを具体化する段階です。事実を集め、障害を特定し、現実的な目標(何が解決か)を設定します。
⑶さまざまな解決策の案出(Generation of Alternatives)
ブレインストーミングです。判断を保留して、可能な限り多くの、そして多様な選択肢を出し、解決の確率を高めます。
⑷意思決定(Decision Making)
各選択肢のメリット・デメリットや長期的な結果を予測し、最も効果的なものを選び出します。
⑸解決策の実行と検証(Solution Implementation and Verification)
実際に試し、結果を評価します。目標が達成されなければ、再び前のステップに戻ってやり直します(リサイクル)。
ーーーーーーーーーーーーーー
◯わかったこと2:「姿勢」と「スキル」の両方が重要である
問題解決の成否は「解決スキル」だけでなく「取り組む姿勢」に大きく左右されます。
ポジティブな姿勢(挑戦と捉える)は、合理的なスキルを促進し、良い結果をもたらします。
逆に、ネガティブな姿勢(脅威と捉え、自信がない)は、衝動的な行動や回避を招き、結果を悪化させます。
◯わかったこと3:「解決策を見つけること」と「実行すること」には乖離がある
「どうすればいいか解る(問題解決)」と「それを現場でやる(解決策の実行)」は別個のスキルです。
頭では最高の解決策を思いついても、実行する度胸やコミュニケーション能力がなければ現実は変わりません。
そのため、両方のトレーニングを組み合わせることが重要です。
■応用可能性(実践に活かすヒント)
この研究内容は、私たちの日常生活にこう応用できます。
・ビジネス場面: トラブル発生時、すぐに「誰のせいか」を探すのではなく、まずは「問題の定義」に立ち返り、目的を「事態の好転」に再設定する。
・家庭・育児: 子供がトラブルに遭った際、すぐに答えを教えるのではなく、「他にどんな方法があるかな?」と解決策を出す(=案出)練習を一緒に行う。
・セルフケア: 悩みがループするときは、自分が「回避スタイル(先延ばし)」になっていないかチェックし、まずは小さな「意思決定」から始めてみる。
■まとめと感想
この問題解決のステップで「問題解決に対する姿勢」がポジティブかネガティブか、というところがさらりと書かれていますが、この部分の重要性は極めて高いと感じます。
後ほど続く論文でも、この「構え」こそが新しいテクニックの肝として語られていました。
いずれにせよ、問題が起こったときに、衝動的にならない、あるいは回避しないという選択をするために、一度立ち止まって「どのような方法が考えられるのか」を検討し、実験してみる。
こうした「立ち止まる訓練」こそが、成熟した大人としての問題解決のセオリーなのだと改めて学びました。
他にも、これを適用した「小中学生のトラブルに対処する力を育む研究」なども日本の教育場面で複数論文が出ており、非常に興味深い領域です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:85km
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