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令和8年2月9日(第4369号)
「チェックリスト」という地味で最強のツールの使い方 ーハーバード大学の研究ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2917字/読了時間3分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は、全国的に雪でしたね。
東京も変わらず雪。
朝から家族で公園にいき、雪だるまなどを作ってみました。
その他、午後雪が止んでからは30kmのランニングでした。
本当はフルマラソンの予定でしたが、
実際に走ってみると、身体のダメージが抜けていないことに気づき、
結果的に中止になってよかったかもしれない…などと思った次第です。
(たぶん、自己ベストは難しかったです)
次は3週間後の本命である東京マラソン。
ここに向けて、コンディションを整えていきたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
今日はある研究のご紹介をしたいと思います。
テーマは「チェックリスト」です。
なんとも地味で当たり前のツールなようですが、ある書籍から秘めたるパワーを感じ、地味に興奮をしております。
私ごとですが、自分が割とせっかちであるため、社会人になりたての頃から、尋常じゃないほどの多くのミスがありました。
守るべきステップを「順守する」ことはとても苦手な人でした。
そんな中、ある書籍で「チェックリストこそが、ミスを最大限に減らし、正しい決断力を保つ最強の方法である」と紹介されており、その内容が非常に面白いものでした。
今日は、その中で「チェックリストを使うことの効果」を示す要約版の文書から、そのポイントをお届けしてみたいと思います。それでは早速まいりましょう!
■今回の文献
・タイトル:The Checklist Manifesto: How to Get Things Right(チェックリスト・マニフェスト:物事を正しく進める方法)
・著者:Atul Gawande(アトゥール・ガワンデ)
・ジャーナル:Summaries.Com (Book Summary)、2011年(原著は2009年) 所属:ハーバード大学医学部およびハーバード公衆衛生大学院(Harvard Medical School and the Harvard School of Public Health)
■30秒でわかる本著のポイント
・現代の仕事は極めて複雑化しており、個人の記憶や能力だけでは避けられるはずのミスを防ぎきれなくなっている。
・航空業界の知恵である「チェックリスト」を導入することで、医療や建設、金融などあらゆる分野で致命的なエラーを劇的に減らすことができる。
・チェックリストは単なる「やることリスト」ではなく、チームの規律とコミュニケーションを促し、専門家の判断力を支える強力なツールである。
・実際にミシガン州の集中治療室(ICU)で導入したところ、18ヶ月で1500人以上の命が救われ、多額のコストが削減された。
■背景:複雑すぎて、失敗が避けられない
現代社会において、私たちは膨大な知見を蓄積してきました 。しかし、その知識があまりにも複雑で専門分化しすぎたために、
どれほど経験豊富で勤勉なプロフェッショナルであっても、日常的に「避けられたはずの失敗」を繰り返しています 。
例えば、医療現場では一人の患者に対して1日に178もの個別アクションが必要な場合があり、わずか1%のミスが命取りになります 。
背景には、情報の爆発による「超専門化」があり、全体像を見失いやすい環境があります 。
本書の目的は、この「人間能力の限界」を補い、複雑な状況下で確実に成果を出すための戦略として、「チェックリストの有効性」を検証し、その役割を広く伝えることです。
■研究の方法
ガワンデ博士は、自身の外科医としての経験に加え、以下の分野における事例調査と実証実験を通じてチェックリストの効果を分析しました。
・航空業界: ボーイング社のModel 299(B-17)の墜落事故調査と、その後のチェックリストによる180万マイル無事故記録の分析。
・医療(ICU): ジョンズ・ホプキンス病院のピーター・プロノボスト博士による、中心静脈カテーテル感染防止チェックリストの導入実験。
・医療(世界規模): WHO(世界保健機関)による、世界8都市の病院での「安全な手術のためのチェックリスト」の試験導入。
・建設業界: 超高層ビルの建設現場における、数千のタスクを管理するスケジュール管理とコミュニケーション・プロトコルの調査。
・金融・投資: 著名なバリュー投資家たちの投資判断におけるチェックリスト活用術
実際は、この本に書かれている1つ1つのエピソードがインパクトがありすぎて面白いのですが(リアルな救命行為の現場などが事細かに事例として書かれている)、
航空業界や医療業界で、様々な効果を発揮していることが述べられています。本著書
ちなみに、B-17の墜落事故調査については、「B-17フェーズ」と呼ばれています。1935年に登場した新型爆撃機B-17が、あまりに複雑すぎて「一人の人間が飛ばすには多すぎる」と言われました。
しかし、パイロットたちが「チェックリスト」を作ったことで、驚異的な安全性を実現しました 。現代の多くの産業も、この「B-17フェーズ=自力では管理しきれない複雑な段階(フェーズ)」に突入していると言われています。
■本書のポイント
◯ポイント1:極めて単純なチェックで死亡率が激減する
ミシガン州のICUで「手を洗う」「皮膚を消毒する」といった5項目の単純なチェックリストを導入したところ、感染率は66%減少し、18ヶ月で1,500人以上の命が救われました 。
◯ポイント2:世界中の手術現場で合併症が3分の1減少した
WHOが開発した19項目の手術チェックリストを8つの病院で試した結果、重大な合併症は36%減少し、死亡率は47%(435人から277人へ)も低下しました 。
◯ポイント3:専門家の「慢心」と「記憶の欠落」を補完する
チェックリストは、プレッシャー下でルーチンワークを忘れてしまうミスや、「今回は大丈夫だろう」とステップを飛ばしてしまう心理的誘惑を防ぐ「規律」として機能することが証明されました 。
■チェックリストの2つの型
効率的に活用するために、ガワンデ博士は2つの形式を使い分けることを推奨しています 。
ーーーーーーーーーーーーーー
⑴「読んでから、実行する」(READ-AND-DO): リストの項目を一つ読み、それからその行動を実行する方法です。初めての作業や、手順を絶対飛ばせない複雑なガイドに最適です。
⑵「実行してから、確認する」(CHECK-ONCE-DONE): 一連の作業を行った後、重要なポイントが漏れていないか最後に点検する方法です。慣れた作業でヌケモレがないかを確認するのに向いています。
ーーーーーーーーーーーーーー
作成のポイントは、 項目を増やしすぎず、「致命的なミスに繋がる必須項目」のみに絞ることです。迅速かつ簡潔に網羅することが重要です。
■まとめと感想
本書で紹介される、人命が関わる医療行為や航空業界とは重みが全く違いますが、私も本業の「研修実施」に際してチェックシートを運用しています。
「研修運営確認表」というチェックシートで、当日の研修時間、入り時間、昼食の有無、アンケートの有無などをまとめて、これを埋めながら当日に向けて各項目をチェックするというもの。これを運用してから、研修運営時のミスが圧倒的に減りました。
起業してから9年間で一度だけ、「研修会場に行ったら実施日は明日だった、というミスがありましたが、その時を思い出すと、このチェックシートを使っていなかったことが思い出されます。
本書でも語られていますが、「プロフェッショナルほど自分はできる」という自負があり、チェックリストを「初心者向けのもの」「恥ずかしいもの」と感じがちだそうです。
しかし、大切なのは「チェックリスト」という地味で謙虚な道具を使いこなし、確実に失敗をゼロに近づけることなのだと痛感した次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:55km
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