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令和8年2月6日(第4366号)
「20秒間、自分に優しく触れる」とストレスが緩和する
ー米カリフォルニア大学バークレー校の研究ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3230字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
明日は、いよいよ「さいたまマラソン」です。
強烈な寒波がやってきて、気温は0度の予報。
またそもそも雪が積もったら開催も危ういですが、
なんだかんだ練習を重ねてきたので、なんとかチャレンジできるといいな、と思っております。
サブ3が行ける可能性は、ケガでの練習不足などで30%程度ではないかとみています。
いずれにせよ、自分が今持てる力を出し切りたいと思います。
*
さて、本日のお話です。に
本日も論文の紹介です。
テーマは「セルフ・コンパッション(自分への思いやり)」です。
心理学的な介入には、これまでも効果的なアクションが数多く開発されてきました。
たとえば、坐禅、瞑想、カウンセリングなどもそうですね。
その効果は科学的にも示されていますが、実際に取り組もうとした時に大きな障壁になりうるのが「所要時間」。
忙しい現代人にとって、毎日30分や1時間のワークを確保するのは、なかなかにハードルが高いもの。
そこで今、注目されているのが「マイクロプラクティス」という考え方です。
これは、実践の最も効果的な要素だけ抽出し、最小限の負担で実施するという方法です。
今回は、このマイクロプラクティスの一環として、「セルフコンパッション(自分への思いやり)」をわずか20秒間のアクションで高める手法について、その効果を検証した論文を取り上げます。
習慣化が必要ですが、たしかにやってみると、効果を感じることができます。
ということで、早速中身をみてまいりましょう!
■今回の論文
タイトル:Daily micropractice can augment single-session interventions: A randomized controlled trial of self-compassionate touch and examining their associations with habit formation in US college students(日常的なマイクロプラクティスは単発の介入を補強できる:セルフコンパッショネート・タッチのランダム化比較試験および米国大学生における習慣形成との関連の検討)
著者:Eli S. Susman / Allison G. Harvey
ジャーナル:Behaviour Research and Therapy、2024年
所属:カリフォルニア大学バークレー校 心理学部(University of California Berkeley, Department of Psychology)
■30秒でわかる論文のポイント
・1日わずか20秒の「自分に優しく触れるワーク(セルフ・コンパッショネート・タッチ)」の効果を検証した研究です。
・1ヶ月間、毎日継続して実践したグループでは、自分への思いやりが高まり、ストレスや精神的苦痛が軽減しました。
・一方で、時々しかやらなかった人には明確な効果が見られず、「毎日の継続」が鍵であることが示されました。
・自分を温かく包み込むような物理的な触れ合いが、心理的な安定に寄与する可能性を提示しています。
■研究の背景と目的
現代の若者、特に大学生の間では精神的な不調を訴える割合が急増しており、60%以上が何らかのメンタルヘルスの問題を抱えているという報告もあります 。しかし、既存のセルフコンパッション・プログラムは、数週間にわたる長時間のセッションが必要なものが多く、時間や費用の面でアクセスが困難でした。
そこで本研究は、「マイクロプラクティス(超短時間の練習)」が、こうした障壁を取り除き、メンタルヘルスを改善する有効な手段になるかを検証することを目的に行われました。
◯セルフコンパッション(Self-compassion)とは
自分の苦しみを認識し、それが人間共通の経験であることを理解した上で、自分に対して親切に接し、その苦しみを和らげようと行動することを指します 。
■研究の方法
本研究は、事前登録されたランダム化比較試験として実施されました 。
◯参加者: 米国の大学生135名(人種・社会経済的に多様なグループ) 。
◯デザイン: 参加者を以下の2つの条件にランダムに割り当て、1ヶ月間の追跡調査を行いました 。
・介入1(SCT群): セルフコンパッショネート・タッチを実践。片方の手を胸に、もう片方の手を腹部に当てるなど、自分自身が温かさや親切さを感じられる方法で20秒間触れる練習 。
・比較条件(AC群): フィンガータッピング(指を順番に合わせる動作)。SCT群と同じ時間・形式で行うが、心理的な要素を含まないアクティブ・コントロール群 。
◯測定ツール: 自分への思いやり尺度(SOCS-S)、ストレス尺度(PSS)、精神病理指標(DSM-5 Cross-Cutting Measure)などを使用 。
◯分析手法: 意図した通りの全参加者を対象とする分析(ITT)と、指示通りに月28回以上実践した参加者に絞った分析(PP)の両方を実施しました 。
■主な結果(わかったこと)
◯わかったこと1:毎日継続して実践すれば、確かな効果が得られる
・毎日20秒の練習をほぼ欠かさず(月28回以上)行った人たちにおいては、比較群と比べて「自分への思いやり」が有意に向上しました 。
統計的にも、自己慈愛の向上(B=0.71)、ストレスの減少(B=-0.62)、精神的苦痛の軽減(B=-0.61)が確認されています 。
◯わかったこと2:単発や不定期の実践では効果が限定的
・全参加者を対象にした分析(たまにしか練習しなかった人も含む)では、介入群と比較群の間で有意な差は見られませんでした 。
つまり、このワークの恩恵を受けるには、短時間であっても「日常の習慣」にすることが不可欠であると言えます 。
◯わかったこと3:ポジティブな感情が習慣化を助ける
・探索的な分析により、練習を通じてポジティブな感情(Positive Affect)が高まった人ほど、その練習が自動的に行われる「習慣(自動性)」になりやすいことがわかりました 。
■応用可能性(実践に活かすヒント)
この研究結果は、忙しい私たちの生活に以下のヒントを与えてくれます。
・「歯磨きの後」など既存の習慣に紐付ける: 研究では参加者に、特定の行動(例:歯磨き)を合図(キュー)にするよう指示しました 。ビジネスパーソンであれば「PCの電源を切った直後」などを合図に、20秒だけ自分に触れる時間を作ることが有効かもしれません。
・物理的なアプローチを味方につける: 難しい理屈を考えるよりも、まず「手を当てる」「自分を抱きしめる」といった身体的なアクションの方が、初心者には心理的な変化を起こしやすい可能性があります 。
・完璧主義を捨てて「20秒」でいいと割り切る: 1時間の瞑想が無理でも、20秒なら誰でも捻出できます。「これだけでいい」という心理的なハードルの低さが、長期的には大きなメンタル改善につながります 。
■まとめと感想
以前、ある人気アーティストのボイトレをしている先生が、あるテクニックを教えてくれました。
それは、「自分なんて…」という気持ちや不安がもたげたときに、「I’m Amazing!(私はすごい!)」とつぶやきながら、左胸を拳で叩く、というものでした。
曰く、人は思考のスキマが生まれると、ついネガティブな事を考えがちになる。
その直後に、すかさず「I’m Amazing!」なる言葉を唱えると、そのスキマを埋めることができる、とのこと。
まさに、今回の「セルフコンパッショネート・タッチ」は、これと同じメカニズムじゃあないか、と膝を打っておりました。
物理的な刺激と、自分を慈しむ意図を組み合わせることで、脳のスイッチを切り替えるわけですね。
あんまり人前で大々的にやるとちょっと恥ずかしいのですが、デスクの下やトイレの個室、あるいは寝る前など、誰にも見られない場所で実際にやってみると、あながち侮れません。
ただ、論文でも強調されていた通り、習慣にしなければ効果が見られにくいとのことですので、
朝起きたときなのか、夜寝る前なのか、生活の導線にルールとして組み込むことが何より大事なのだろうな、そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:25km
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