配信日時 2026/01/29 23:21

「職場で声をあげる」ことはポジティブな自己評価を高める ーニューヨーク大学らの研究ー【カレッジサプリ】

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令和8年1月29日(第4358号)


「職場で声をあげる」ことはポジティブな自己評価を高める
ーニューヨーク大学らの研究ー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2551字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

昨日は、開発した「強み診断」について、
外部パートナーとして関わらせていただいている人事チーム向けに、
実施をさせて頂く機会をいただきました。

効果もだいぶ良好であり、早く形にしたい!
と思っている今日この頃です。

研修が落ち着く来週以降、一気に頑張りたいと思います。



さて、本日のお話です。

突然ですが、皆さまは「職場で声を上げる」ことは、得意でしょうか?

思うに、「いいことでも耳の痛いことでも、職場で提言するのは躊躇する」という人は、おそらく少なくないのではないかな、と思います。

その理由は、たとえば「会議でアイデアを発言する」「問題や課題など、触れづらい点を口にする」などの行為は、ときに「角が立つ」ものとして受け取られてしまう可能性があるからでしょう。

こうした行動のことは、研究では「ボイス行動」と呼ばれています。
そして、これまでの研究では、このボイス行動はリスクとして受け取られていました。

その中で、こうしたリスクという見方に対して、「ボイス行動は、周囲からの尊敬や社会的地位を高める可能性がある」ことを示した研究があります。

そのメカニズムに光を当てた論文を、今日はご紹介したいと思います。
実践的かつ、勇気をもらえる内容でしたので、ご参考になれば幸いです。

それでは、どうぞ!


■今回の論文
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・タイトル: Speaking Up and Moving Up: How Voice Can Enhance Employees' Social Status(発言し、上昇する:ボイス(提言)行動が従業員の社会的地位をいかに向上させるか)
・掲載誌と出版年: Journal of Organizational Behavior(2018年)
・著者: Mona Weiss & Elizabeth Morrison
・所属機関: ニューヨーク大学、ライプツィヒ大学(Mona Weiss)
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■30秒でわかる本論文のポイント

・本研究は、ボイス行動が周囲からの評価にポジティブな影響を与え、社会的地位を高める可能性があることを示しました。

・地位獲得理論と、社会的知覚の基本次元である「エージェンシー(有能さ)」と「コミュニオン(他者志向性)」という概念があります。

・これらに基づき、「ボイス行動→ エージェンシー/コミュニオンの知覚が高まる→社会的地位が高まる」という媒介プロセスを、調査と2つの実験によって実証しました。



■「ボイス行動」とは何か

さて、職場で声を上げるという「ボイス行動」ですが、次のような意味を持ちます。
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組織の現状を改善しようとする意図を持って、アイデア、懸念、あるいは意見を建設的に表明すること
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単なる不平不満とは異なり、組織をより良くしたいという動機に基づいた、自発的行動である点が特徴です。


◯ボイス行動の「2つの側面」

ボイス行動は性質によって主に2つに分けられます。
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・促進的ボイス(Promotive Voice):新しいアイデアや効率的な仕事の進め方を提案する行動であり、「プラスを生むための発言」と位置づけられます。

・禁止的ボイス(Prohibitive Voice):現在の慣行における欠陥、有害な慣習、倫理的な懸念などを指摘する行動で、「マイナスを防ぐための発言」とされます。
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本論文では、特にこの「禁止的ボイス」であっても、能力(エージェンシー)の高さとして評価され、社会的地位の向上につながる可能性が示唆されている点が重要なポイントです。


◯ボイス行動の「リスク」

一方で、多くの研究において、ボイス行動は「リスクを伴う行動」とも位置づけられてきました。リスクの理由としては、
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・現状維持の打破:現状への批判を含むため、「扱いにくい」「和を乱す」と受け取られるリスクがある

・イメージへの脅威:「無能だと思われるのでは」「批判的だと思われるのでは」という不安が起こる。
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よって、「心理的安全性」が確保されていないと、人は沈黙を選びやすいことがわかっていました。


■研究方法
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研究1(調査):155名の従業員を対象とした2時点の時間差調査
研究2(シナリオ実験):368名の社会人を対象に、ボイスの有無を操作
研究3(ラボ実験):132名の学生による3人1組の意思決定課題(対面実験)
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■主な結果

◯(1)社会的地位の向上
3つの研究すべてにおいて、発言した従業員は、しなかった従業員よりも高い社会的地位(尊敬、称賛、威信)を与えられました 。

◯(2)エージェンシー(有能さ)の媒介:
発言は「この人は自信があり、有能で、自立している」という主体性の認識を高め、それが地位の向上に直結することが確認されました(全研究で有意だった)。

◯(3)コミュニオン(他者志向)の媒介:
研究1と2では、発言が「この人は組織を助けようとしている」というコミュニオン(他者志向性)の認識を高めることも確認されました 。ただし、対面で行った研究3では、コミュニオンの影響は統計的に有意ではありませんでした。

◯(4)チームへの影響:
研究3では、立場の低いメンバーが発言したチームの方が、より革新的な意思決定を行う傾向が見られました 。


■考察
ボイス行動は、現状に挑戦するという「非同調」の性質を持つため、周囲の注意を強く引きつけます。この注目が、その人物の能力や集団への貢献意欲を際立たせ、結果として地位を高めると考えられます。
特に注目すべきは、リスクが高いとされる「禁止的ボイス(懸念や問題の指摘)」であっても、単なる批判ではなく建設的であれば、主体的な人物として高く評価されるという点です。


■応用可能性
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・個人: 自分の専門性や貢献意欲をアピールし、インフォーマルな影響力を持ちたい場合、建設的な提案や懸念を積極的に口にすることが有効な戦略となります 。
・マネジメント: 発言がポジティブな印象につながるという実証データを示すことで、従業員の沈黙を打破し、心理的安全性の構築を支援できます 。
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■まとめと感想

「ボイス行動は、尊敬と社会的地位を高める」

こうした研究結果(報酬のようなもの)が明確に示されることで、声を上げることへの心理的ハードルは、少し下がるようにも感じました。
会議などで、「何かありますか?」と言われた際に、敢えて口に出してみる。そうすることが、自分にとってポジティブな印象に繋がります。

改めて、声を上げる行動の大切さを実感した論文でしたし、私も, 大事だと思うコミュニティにおいて、「促進的ボイス」「禁止的ボイス」いずれも発言できるようにしたいものだ、そんなことを思った次第です(もちろんいい方は大事ですね)。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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 【編集後記】
◯今月のランニング:246km


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