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令和8年1月25日(第4354号)
今週の一冊『文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか?』
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1456字/読了時間2分)
■こんにちは。紀藤です。
毎週日曜日は、最近読んだ本の中から一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。
今週の一冊はこちらです。
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『文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか? 』
三宅香帆/著 (サンクチュアリ出版)
https://amzn.asia/d/bzZfc9E
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■本書の概要
今注目を集める文芸評論家・三宅香帆さんによる「文体」という謎に迫る一冊です。
なんとなく読んでしまう魅力的な文章は、どのように作られるのか…を、
さまざまな著者の事例をもとに徹底解説する一冊です。
たとえば、村上春樹は「読みたくなるリズム」を操っているとか、
俵万智は「カタカナ」で惹きつけているとか(サラダ記念日というタイトルもまさにそう)とか、
さらには清少納言の短歌では秀逸な「音合わせ」を用いているなどなど…。
月並みですが、「あなた」という言葉を用いることで、文章がぐっと近く感じるなどのテクニックも、たしかになるほどな、と思いました。
数多くの著名な著者それぞれの文体の工夫を、三宅さん独自の視点で、
事例をもとに解説をしながら、「文体のテクニック理論」として打ち出しているところに、
「よくそんな法則に気が付くな…」と驚かされます
■文体は「アート」である
この本を読みながら思ったこと。
それは「文体とはアートである」ということです。
リズムや音など、聴覚から伝わる心地よさ。
漢字とひらがな、カタカナのバランスによる読みやすさや違和感。
単語を並べて、確かに意味は伝わるかもしれない。
しかし論理が伝わっても、感情が震えるとか、惹きつけられるという感覚はありません。
情報を伝えることと、心を動かすことは、別物である。
そして、それを分かつものが「文体である」と私は感じました。
まさにこれは感性のはなしであり、アートの領域であると思います。
■AIにチェックをさせることで失われたもの
いつからか、私も自分のnote記事の誤字脱字を、ChatGPTにチェックしてもらうようになりました。
とても便利で、「表現としておかしなところ」を徹底的に洗い出してくれます。
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「する事」は「すること」のほうがよい。
「様々な」は「さまざまな」のほうがよい。
この表現はフランク過ぎるからなおした方が良い。
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正しい日本語の「取扱説明書」に沿って、実に細かく指摘してくれます。
でも、そうすることで「言葉の独自性」も消されてしまいます。
本書で紹介されている、俵万智の『サラダ記念日』に収録されている短歌、
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「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの
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も本書では「カンチューハイ」とカタカナで書くからこそ、
この言葉に注目が集まり、魅力的になると解説をしています。
でも、AIに言わせれば「缶チューハイ」になるでしょう。
…しかし、そこに削ぎ落とされたところにこそ、こだわりがあり、ざらつきが生まれて、優れたメッセージにしている。
こうした言葉に対する感度は、もしかするとAIに頼ることで失われていっているのではないか……そんなことも思うのでした。
■まとめと感想
あらためて、この解説の一つ一つを見る中で、三宅さんの言葉の感度の高さに唸らされるばかりでした。
そして、本書に紹介されるような「文章のワザ」を、少しでも学ぶことができたら、
以前よりも魅力的な文章に形作ることができるような気がします。
今、私も、書籍を執筆していますが、まさに抜けていたところが「文体」であることに気付かされました。理論的な話を、滔々と語っても、面白くはありませんので…。
そうした技術は一朝一夕に身につくものではないかもしれませんが、一つずつ意識しながら、また本書も読み返しながら、自分の言葉をつくっていきたい、そんなことを思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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https://note.com/courage_sapuri/n/necb909859a3d?app_launch=false
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【編集後記】
◯今月のランニング:218km
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