配信日時 2026/01/20 11:25

「人と人を仲介する人」は、なぜ業績が高く、評価をされるのか? ー673名のマネジャー調査からわかったことー【カレッジサプリ】

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令和8年1月20日(第4349号)


「人と人を仲介する人」は、なぜ業績が高く、評価をされるのか?
 ー673名のマネジャー調査からわかったことー


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 1764字/読了時間2分)\

■こんにちは。紀藤です。

昨日は3件のアポイント。
その他、執筆等でした。



さて、本日のお話です。
本日は論文のご紹介です。

「社会関係資本」という人のつながりがもたらす価値については、知られるようになって久しいです。

いわゆる「ハブになる場」にアイデアが生まれるという考え方は、「メディチ・エフェクト」としても知られていますね。
ちなみに、メディチ・エフェクトとは、ルネサンス文化の発端が、メディチ家が、芸術家・科学者・建築家・哲学者などを支援し、様々な人が交流する「ハブ」をつくったことがきっかけだった……という話で知られています。

新しい人々が出会う。
文化が交流する。知識が交わる。

そうすると、そこにいわゆる「イノベーション」が起こるということですね。個人単位で言えば、「越境学習」もその知識の交流・交配を自ら促しにいく活動とも言えそうです。

▽▽▽

さて、そんな話を前フリにして、今日はある論文をご紹介したいと思います。

それは、「ハブになっているマネジャーほど、高評価であった」
→「そしてその理由は、情報のハブになることで『良いアイデアの創出』をしやすくなるから」

という、”なぜハブになると成果につながるのか”というメカズムを示した点が新しい論文です。

ということで、早速中身をみてまいりましょう!



■今回の論文
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タイトル:Structural Holes and Good Ideas(構造的な穴と良いアイデア)
著者:Ronald S. Burt
ジャーナル:The American Journal of Sociology, Vol.110, No.2
発行年:2004年9月
所属:シカゴ大学(University of Chicago)
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■30秒でわかる要約

・本研究は、「異なるグループの間をつなぐ立場(ブローカー)」にいる人ほど、価値の高いアイデアを生み出しやすいことを示した実証研究です。

・アメリカの大手電子機器企業のマネージャー673名を対象に、ネットワーク構造とアイデアの質・評価・報酬との関係を分析しました。

・その結果、構造的な穴(structural holes)を橋渡しする人ほど、良いアイデアを出し、高く評価され、報酬や昇進にも結びついていたことが明らかになりました。


■研究目的/背景

社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)は、「誰とつながっているか」「どこに位置しているか」によって生まれる資源です。
先行研究では、異なる集団をつなぐブローカレッジ(仲介する業務やそのサービス)が、業績や報酬にプラスの影響を与えることは示されていました。

しかし、「なぜブローカレッジが有利なのか」「有利な理由は何か」については、十分に説明されていませんでした。
本研究の目的は、ブローカレッジが「良いアイデアの創出」を通じて成果に結びつくという、視覚の優位性仮説を検証することでした。




■方法
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・研究デザイン:組織内ネットワークの横断的調査
・対象者:2001年当時、アメリカの大手電子機器企業でサプライチェーンを担当していたマネジャー673名
・データ収集:
 ーWebベースのアンケート(回答率68%)
 ー名前生成法(Name Generator)により、業務上よく相談する相手、アイデアを議論した相手を特定した
・主な指標:
 ーネットワーク制約(Network Constraint):低いほど、構造的な穴を橋渡ししている状態
 ーアイデアの質:サプライチェーン改善のためのアイデア455件をシニアマネジャー2名が1〜5点で匿名評価
 ー成果指標:給与、業績評価、昇進(人事記録より取得)
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■主な結果(わかったこと)

◯1.仲介するマネジャーほどアイデアの質や量が高い
構造的な穴を橋渡ししているマネジャーほど、アイデアを提出する確率が高く、「価値がある」と評価されやすい。またアイデアを却下されにくい。
同僚とアイデアを議論する頻度が高い、という傾向が確認されました。

◯2.報酬・評価につながる
ネットワーク制約が低いほど、「給与水準が高い」「業績評価が良い」「昇進や平均以上の昇給の確率が高い」ことも統計的に示されました。

◯3.人的資本より影響が強い
学歴・年齢・職務経験よりも、ブローカレッジという社会関係資本の方が、アイデアの価値を強く予測していました。



■まとめと感想

「一人でできることなど、たかだか知れている」。
人と協働することの大切さを、そんな言葉を持って戒めることがあります。

自らがハブになることで、自分を通じて情報が通る。
その中で、人との繋がりも強化され、おそらく信頼も得ていく。
そして、その結果「脳内メディチ・エフェクト」のようなことが起こり、良いアイデアが生まれる。
ハブになっているという”つながりの資産”の影響もあり、さらに評価されやすくなる。

質の高いアイデアを生み出すために、様々なことを自分自身で学び、そして知識を広げていくという方法もあるでしょう
。しかし、そういうのが得意でなかったとしても「自分自身が人と人のハブになる」ことによって、良いアイデアを創出することも可能である。
そんな実に社会関係資本を成果に繋げることができるという、「思考の強み」ではなく「関係性の強み」を武器にしている人にとって、励まされる論文でもある、そんなことを感じた次第です。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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 【編集後記】
◯今月のランニング:152km


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