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令和8年1月5日(第4333号)
願いを現実にする「WOOPの法則」の4ステップ ーニューヨーク大学らの研究
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3856 文字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
昨日は25kmのランニング。
その他、執筆などでした。
ランニングでまたペースを速く負荷をかけたら、
今度は足首の内側への痛みが出てしまい、
これまた、練習の継続が難しい状況になってしまいました(涙)
本当に、目標達成は「故障との戦い」だと感じます。
なんとか復活すればよいのですが、骨や腱はなかなか治らないので、
非常に心配なこの頃。できることをやっていきたいと思います。
*
さて、本日のお話です。
本日はある論文のご紹介です。
キーワードは「WOOPの法則」。
なんだか、また新しいキーワードだぞ…と思われるかもしれませんが、内容を聞くと、知っている人もいるかと思います。
どんな話かというと「ポジティブ思考の副作用」のお話です。
楽観的に考えると願いが既に叶ってしまったと脳が誤解してしまいエネルギーが湧いてこなくなる。よって、願いを実現する実際の行動(努力や忍耐など)ができなくなる、というもの。
たしかに、明るい未来を想像すると“短期的に”満たされた感じがします。すると、努力ができなくなる。結果、「ポジティブな空想」で終わってしまい、「現実には何も実現できていない」したら、”長期的に”は、真の満足感は得られません。
ゆえに、”未来の願い”を大事にしつつも「まだできているわけではない」と“現実的な障害”を考える。このことで、願いを現実に近づける。そんなアプローチが「メンタル・コントラスティング(Mental Contrasting)」であり、それを実践的に4ステップとして整理したのが「WOOP의 法則」です。
この手法は、学業成績、健康、職場での成果など、さまざまな分野でポジティブな行動変容を促すことが明らかになってきています。
今回ご紹介するのは、このメンタル・コントラスティングと行動変容に関する代表的なレビュー論文。ニューヨーク大学のオッティンゲン博士らが執筆したものです。
楽観的に考えすぎて努力が積み重ねられない方にも、逆にシビアに考えすぎて願いを描けない方にも、「理想と現実を対比させる」ことの意義を教えてくれる論文だと思います。
それでは、どうぞ!
■今回の論文
・タイトル:The power of prospection: mental contrasting and behavior change(展望の力:メンタル・コントラスティングと行動変容)
・著者:Gabriele Oettingen / Klaus Michael Reininger
・ジャーナル:Social and Personality Psychology Compass、2016年
・所属:ニューヨーク大学(New York University)、ハンブルク大学(University of Hamburg)
■30秒でわかる要約
・ポジティブ思考は一見良さそうに見えますが、実は未来の空想だけに耽ると、かえって行動のエネルギーが削がれてしまうことがわかっています。
・本論文では、理想の未来と現実の障害を意図的に対比する「メンタル・コントラスティング」が、どのようにしてモチベーションを高め、行動変容を促すのかを示しました。
・WOOP(Wish-Outcome-Obstacle-Plan)という具体的なアプローチにより、自己調整が促され、学業、健康、仕事など多様な場面で成果が上がることが実証されています。
<研究の概要>
■研究目的/背景
人はしばしば望ましい未来について空想にふけりますが、こうしたポジティブなファンタジーは、逆に行動の動機づけを弱めてしまうリスクがあります。なぜなら、脳が「もう達成したかのような錯覚」に陥り、努力が停滞するから。
そこで本論文では、「未来の空想」と「現実の障害」をセットで考える「メンタル・コントラスティング(MC)」という自己調整戦略に注目し、その効果と心理的メカニズムを、過去の実験・介入研究をレビューする形で整理しています。
■方法
本論文はレビュー論文として、複数の実証研究の知見を統合的に整理したものです。比較対象として以下4つの思考法が取り上げられています。
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1.メンタル・コントラスティング(MC)※WOOPの法則
2. 耽溺(Indulging:未来のみ想像する)
3. 沈潜(Dwelling:現実の問題だけに囚われる)
4. 逆コントラスティング(現実→未来の順に思考)
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測定指標には、自己報告、収縮期血圧(エネルギー状態の生理指標)、潜在連想課題、実際の行動(禁煙成功、体重管理、成績向上など)などが含まれます。
未来だけ想像するのは「耽溺」であり、現実の問題だけ見るのは「沈潜」。
現実から考えて願いが見えなくなるパターンもあるそうで、この整理は興味深いと感じます。
■主な結果
論文のレビューの結果、以下のことが、メンタルコントラスティング(MC)の特徴や効果としてわかりました。
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<メンタル・コンストラクティグ(MC)の効果>
(1)成功への期待値との連動する:MCは、成功への期待値が高いと努力とコミットメントを高め、逆に期待値が低い場合はその目標を諦める判断を助けます。
(2)目標に向けた行動が促される:MCは、障害とそれを克服する行動の結びつきを強め、意識せずとも目標に向けた行動が促されます。
(3)エネルギーの増加を促す:MCは、期待値が高いときに身体的エネルギー(収縮期血圧の上昇)を高める効果があるとされています。
(4)ネガティブ・フィードバックへの耐性がつく:失敗しても、それを建設的に受け止め、自尊心を損なわず次に活かすようになります。
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■メンタル・コンストラクティングの4ステップ:「WOOPの法則」
では、メンタルコントラスティングを実践に移すために、どんなことができるのか?それが「WOOPの法則」(Wish-Outcome-Obstacle-Plan)です。
誰でも実践可能な4ステップの行動設計フレームとして設計されています。
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<WOOPの法則 ーメンタル・コントラスト法の4ステップー>
1. Wish(願い)
自分が実現したい、やりがいのある「願い」を一つ決めます。
ポイント: 「ちょっと頑張れば達成できそうだが、今の自分には少し難しい」くらいのレベルが最適です。
(例: 「来月のプレゼンを大成功させたい」)
2. Outcome(結果)
その願いが叶ったときに得られる、最高のポジティブな結果を具体的に想像します。
ポイント: 結果が実現したとき、自分はどう感じるか、周りはどう変わるかを五感を使ってイメージします。
(例: 「上司に褒められ、チームの信頼を勝ち取り、自信に満ち溢れている自分」)
3. Obstacle(障害)
最も重要なステップです。願いの達成を阻んでいる「自分の中にある」障害を特定します。
ポイント: 「時間がない」「予算がない」といった外的な要因ではなく、自分の感情、習慣、思考の癖(例:ついダラダラしてしまう、失敗が怖い)に焦点を当てます。
(例: 「準備を始めるのを先延ばしにしてしまう癖がある」)
4. Plan(計画)
その障害が現れたときにどう対処するか、「If-Thenプランニング(もし〜なら、その時は〜する)」の形式で計画を立てます。形式: 「もし(障害)が起きたら、私は(行動)をする」
(例: 「もし『明日でいいや』と先延ばしにしたくなったら、すぐに椅子に座ってタイマーを5分だけセットする」)
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■「WOOPの法則」が機能する理由と注意点
従来の「ポジティブ・シンキング(楽観的な空想)」だけでは、脳が「すでに目標を達成した」と勘違いしてしまい、行動するためのエネルギー(血圧の微増など)が低下してしまいますが、メンタル・コントラスト法を行うと、脳内で以下の変化が起こります。
・期待と現実のリンク: 「願い」と「障害」を対比させることで、脳が「この願いを叶えるには、この障害を乗り越えなければならない」と認識します。
・コミットメントの選別: 実現可能性が高い目標に対しては、エネルギーが劇的に高まります。逆に、実現不可能な目標に対しては、賢明に諦める(リソースを他に回す)決断を促します。
・無意識の自動化: 「If-Thenプラン」を立てておくことで、障害に直面した際、意志の力を使わずに反射的に行動できるようになります。
ちなみに、注意点として、「順番が非常に重要」となります。必ず「ポジティブな結果」を先に考え、その次に「障害」を考えるようにしてください。
逆の順番(現実→未来)では、十分なモチベーション向上の効果が得られないことが研究で示されています。(逆コントラスティング)
ちなみに、この方法の応用範囲は非常に広く、学業(成績・時間管理)、健康(運動・食習慣)、職場(意思決定・目標達成)、人間関係(許し・偏見の軽減)まで多岐にわたる、とのこと。
ただし、「限界点」としては、自発的にMCを用いる人は15%程度と少なく、教育的介入が不可欠であるようです。
また、元々の「成功への期待値」が極めて低い人に対しては、WOOPだけでは行動変容が起こりにくい可能性があるとも触れられていました。
■まとめ:「楽観的に考え、悲観的に行動する」
私自身、振り返ると「結構やっているな…」と感じました。たとえばフルマラソンでも、「きっとできる…!」と思いつつも、同時に「このままじゃできない」と思うほうが、実際には達成確率は高まると感じます。
京セラ創業者の、稲盛和夫氏は「楽観的に考え、悲観的に行動する」と京セラフィロソフィで提唱し、目標達成のための理想的な姿勢と述べました。
WOOPの法則は、まさにこのことを実証した研究と言えます。
このWOOPの法則は、まさに「願いと現実の対話」だと感じました。楽観的になりすぎず、かといって現実に縛られすぎない。
まさにバランス感覚を持った目標達成へのアプローチだと感じた次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:56km
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