配信日時 2025/12/28 10:25

今週の一冊『なぜ、あなたのチームは疲れているのか? 職場の「心理的リソース」を回復させるリーダーの思考法』【カレッジサプリ】

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令和7年12月28日(第4325号)


今週の一冊『なぜ、あなたのチームは疲れているのか? 職場の「心理的リソース」を回復させるリーダーの思考法』


株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 2546文字/読了時間3分)


■こんにちは。紀藤です。

毎週日曜日は、最近読んだ本の中から一冊をご紹介する「今週の一冊」のコーナーです。

今週の一冊はこちらです。

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『なぜ、あなたのチームは疲れているのか? 職場の「心理的リソース」を回復させるリーダーの思考法』
櫻本 真理 (著)
https://amzn.asia/d/hYVla0m
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数々の組織のリーダーの支援をしてきたコーチェット代表・櫻本さんによる、リーダーのための思考方法です。
「心理的リソースは有限である」という観点から、働く上での”心の大切さ”を、感情論ではなく論理的かつ、わかりやすく教えてくれる一冊。

ぜひリーダーだけでなく、多くの人に読んでいただきたい一冊だと思いました。

それでは、中身をみてまいりましょう!



■働く上で「心」は無視してはいけない

本書を読みながら、心のなかで「首がもげるほど頷いてしまった」という箇所がいくつもありました。

私の個人的な話ですが、20代の頃、職場の様々なことにビビっていた記憶があります。そのときのことを、読みながら思い出していました。

新規の営業電話をしていたときに、隣で聞いていた先輩が「あのトークはあんまりよくないね」と助言をしてくれた後に(色々指摘されそうで、営業電話がしにくいな…)と、ひっそり声を落として電話するようになった記憶。

あるいは、上司からかかってくる電話には、「ミスや失敗の指摘」が多かったことで、電話がかかってくるたびに緊張していた記憶。(会社員から離れても、電話がかかってくるとドキリとしていた)。上司に相談するときにも、「相談していいのだろうか」と声をかけることを躊躇していた記憶。

「仕事の役割を果たさなければならない」という気持ちは頭ではわかっている。また先輩や上司の指摘も、助言だし、当然のことをしているだけとわかっているつもり。そう、自分に言い聞かせようとする。

それでも、「また指摘をされるんじゃないか」「叱られるんじゃないか」という不安や恐れが、無意識に自分の体を縮こまらせる。そして、その心理で頭が逡巡として、何もしていないのに疲れてしまう。

そうした”心”はあっても、その気持ちは「仕事なんだから」「結果を出さないといけないから」という言葉に封じられ、そうした”心”を言葉にするのが「甘え」のように捉えられていた…、今振り返ると、そんな風にも思えます。



■「心理的リソース」という大切な視点

そして、こうしたことを感じている人は、実は見えないだけでたくさんいる。
職場では、声が大きい”ますらお”的な存在が目立つかもしれないけれど、そうした苦しさを感じながら、でも頑張ろうとする人は、少なくないのだと思います。

そこに、著者が本書で述べられている「心理的リソース」という概念が登場します。見ないふりをしていた”心”に光を当てます。

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「心理的リソース」とは”「面倒くさいけど、やるぞ!」と奮起する心のエネルギーのこと”です。
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これが枯渇してしまうと、なかなか動き出すことができなくなってしまう…、と述べます。

それは、ガソリンのように、何かを選択するときに使い、減っていくものです。体力のように、筋力のように、使えば減る。

そして、それを形作るものが「頭・心・体の充実」であり、「職場の雰囲気」であり、それを作り出している「リーダーの影響力への自覚」であったりすると述べています。

たとえば、先程述べた私の過去の体験では「こう思われるんじゃないか」という不安が、私の心理的リソースを削っていたわけです。これは自分自身の問題でもあるかもしれないけれど、周りの関わり方の影響もやっぱり存在していました。

ある人と接する時は「チャージされる」けれど、ある人と接する時は「消耗してしまう」。その濃淡は、間違いなくありました。

特に本書で注目すべきなのが、「心理的リソースがただ大事である」と述べるだけではなく

「なぜ大事なのか?」「なぜ働く上で重要なのか?」が、論理的に、また具体的な事例を持って、たいへん丁寧に説明されていることです。

ゆえに説得力があり、大事にしなければならないんだ、と腹落ちさせられるのでした。



■リーダーが「心理的リソース」をマネジメントする本

また、こうした「心理的リソース」について、具体的な方法も「レッスン」として指南されています。

リーダー自身の、心のエネルギーを高めるためにはどうすればよいか?
リーダーが、自分の影響力に気づくために何に意識を向ければよいか?
チーム全体で、心理的リソースを高めるために、何を行えばよいのか?

こうしたことを、順を追って説明してくれます。

リーダー自身から始まり、個々のメンバーへの向き合い方、チーム全体への取り組みと、少しずつその影響の範囲を拡げていきながら、具体的なアクションを提案してくれています。

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第1章 心理的リソースとはなにか
第2章 リーダーが、まず自分を見つめ直す
第3章 個々のメンバーと向き合う
第4章 チームのサイパを上げる
第5章 チームの心理的リソースを増やす
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■まとめと感想

話が全く変わるようですが、ある生物学系の研究職の方がこんな話を教えてくれました。

ーーーーーー
「心は脳のファンクションである」。
ーーーーーー

「心の動き」があると、それによって、脳内物質が化学的に放出される。

それは、オキシトシンだったり、コルチゾールだったり、アドレナリンであったりするけれど、それによって体に”物理的な変化が引き起こされる”。
ぼーっとしたり、集中したり、ワクワクしたりして、それは結果に影響を与える。だから「心は脳に影響を与えるファンクション(機能)である」と。

”心”を丁寧に扱うことは、私たちのパフォーマンスに、”物理的”にも影響を与える。
そうした意味で、心のエネルギーに目を向けることは、やったほうがよいのではなく、やらねばならないことである。私はそんな風にも感じます。


本書のすごいところ。

学術的にも重要だと言われている概念を「心理的リソース」という言葉を扱いながら、多くの人が受け取りやすいことばへ翻訳されているところ。

現場での支援があるがゆえの、リーダーの失敗経験を含めて、納得感の高い事例を随所に挟み、なるほどと自然と思わされること。

具体的なアクションとして、一つ一つ何に取り組めばよいのかを、実践書としても描いているところ。

難しい概念なのに、すごく簡単な言葉で編み上げていることに、経験の重みと知識の深さを感じた一冊でした。ぜひ多くの方に手にとっていただきたい一冊です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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 【編集後記】
◯今月のランニング:199km

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