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令和7年12月15日(第4312号)
「40歳を過ぎると、実年齢より20%若く感じる」という法則 ーデューク大学らの研究ー
株式会社カレッジ 紀藤康行
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(本日のお話 3354文字/読了時間4分)
■こんにちは。紀藤です。
突然ですが、皆さんに質問です。
皆さんは、自分の年齢を「実年齢通り」だと感じていますか?
それとも「気持ちはもっと若い」と感じているでしょうか?
さて、本日はある論文のご紹介です。
その論文とは、記憶と認知心理学の権威であるルービン博士らによる、「主観的年齢(Subjective age)」に関する研究です。
テーマは、「人は何歳くらいから、どれくらい若く自分を感じるようになるのか?」というものです。
そして、結論を先に言ってしまうと、「25歳を境に人は自分を若く感じ始め、40歳を過ぎると一貫して実年齢より20%若く感じる」という法則が発見されました。
いつからか、「若いつもりなのに、年齢だけ増えていく乖離感あるよなあ」と感じていたものを、一つの研究から人間の発達プロセスと捉えたこの研究、めちゃくちゃ興味深い…、と興奮してしまいました。
ということで、早速中身を見てまいりましょう!
■今回の論文
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・タイトル:People over forty feel 20% younger than their age: Subjective age across the lifespan (40歳以上の人は実年齢より20%若く感じる:生涯にわたる主観的年齢)
・著者: David C. Rubin / Dorthe Berntsen
・掲載誌・出版年: Psychonomic Bulletin & Review, 2006年
・所属機関: Duke University (USA) / University of Aarhus (Denmark)
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■30秒でわかる本論文のポイント
・デンマークの代表的な成人サンプル1,470名(20歳~97歳)を対象に、面接調査で「主観的年齢(自分は何歳だと感じているか)」を測定しました。
・その結果、平均して25歳未満の成人は実年齢より「年上」だと感じ、25歳以上の成人は実年齢より「若く」感じていることがわかりました。
・特に注目すべきは、主観的年齢と実年齢のズレを「比率」で計算した場合、40歳以降はそのズレが増大することはなく一定になり、高齢の回答者は実年齢よりも「20%若く」感じているという事実でした。
・ちなみに、性別、収入、教育といった人口統計学的変数は、主観的年齢の変動にほとんど影響を与えないことも明らかになりました。
■背景/研究の目的
これまで、多くの成人が自分を実年齢より若いと感じる現象は、「老化の否定(Age-Denial)」という観点で説明されてきました。
つまり、老いることへのスティグマ(不名誉)から逃れるための防衛的な反応であり、高齢になるほどその乖離が大きくなると考えられてきたとのこと。
しかし、著者はこれに対し、「生涯発達的視点(Lifespan-developmental view)」という別の見方を提案しています。これは、人は一生を通じて、人生の最盛期とされる「人が心理的に引き寄せられる、最も心地よく感じる年齢(Attractor age:アトラクター年齢)」に気持ちを近づけようとする傾向がある、という説です。
本研究の目的は、大規模なデータを用いて、主観的年齢の変化が「老化の否定」モデルと「生涯発達」モデルのどちらを支持するのかを検証し、具体的な「アトラクター年齢」や「乖離の比率」を経験的に特定することでした。
■研究の方法
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◯参加者: デンマークの一般人口から抽出された代表サンプル1,470名(20歳から97歳)
◯手順: 調査員が回答者の自宅を訪問し、対面インタビューを実施しました
◯測定内容: 以下の質問を行いました。
*比較年齢: 「自分の中身を、実年齢より若いと感じるか、年上と感じるか、それとも同じと感じるか」 。
*感覚年齢(Felt Age): 実年齢と違うと感じる場合、「中身は何歳くらいだと感じるか」を具体的な年数で回答。
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分析では、実年齢との単純な差(年数)だけでなく、実年齢に対する比率(比例的な乖離)も計算し、性別や社会的地位などの要因との関連を調べました。
■主な結果
◯わかったこと1:分岐点は「25歳」だった
25歳までは、多くの人が「実年齢より年上」だと感じていました。しかし25歳を境に逆転し、それ以降は「実年齢より若い」と感じる人が圧倒的多数派になりました。
これは、人々が「25歳」という年齢を理想的なポイント(アトラクター年齢)として意識していることを示唆しています。
◯わかったこと2:40歳以降は「ずっと20%若い」
単純な「年数」で見ると、年齢を重ねるほど実年齢と主観的年齢の差は広がっていきました。
しかし、これを「実年齢に対する比率」で計算し直すと、40歳以降、その数値は見事に横ばいになりました。
40代でも、70代でも、90代でも、人々は一貫して「実年齢の約20%分、若い」と感じるということです。
◯わかったこと3:属性による違いはほぼない
また興味深いことに、性別、収入、教育レベル、社会的地位といった要因は、主観的年齢にほとんど影響を与えていませんでした。
たとえば、「女性の方が若く見られたがる」といった通説があるかもしれませんが、本研究では性別による有意な差は見られませんでした。
■考察
◯「人生のピーク時期」に自己像を近づけようとする説
もし単なる「老化の否定」であれば、若者は実年齢と同じように感じるはずですが、実際には若者は「年上」だと感じていました。
これは、人々が特定のピーク時期(25歳付近)に自己像を近づけようとする「生涯発達的視点」の方が、データの説明として妥当であることを示しています。
◯25歳という「アトラクター年齢」がある説
25歳付近は、人生の重要なイベントが多く、認知機能や記憶の想起もピークになる時期です。人々はこの時期を基準点(アトラクター)として、そこから離れるほど(年をとるほど)、比率的に引き戻されるような感覚を持っていると考えられます。
ただし、本研究はデンマークの1470名を対象としている実験であるため、文化的に「アトラクター年齢」が異なっている可能性も否定できません。この点については、研究の限界として指摘されています。
■まとめと感想:「20%引き」の世界で生きる
今回の論文を読んで、「めちゃくちゃわかる…!」と私のように感じた人も、いらっしゃったのではないでしょうか。
これを「普通の感覚である」と思えることで、若ぶっている、とか幼いと感じる、とかそうしたものを一般的なものとして捉えて、少し安心できるのかもしれません。
個人的な感想として、私は現在43歳ですが、33歳くらいに感じていました(まさに約20%引き)。
ただ、そう思う理由は「人生のピーク年齢(アトラクター年齢)に近づけたい」という自覚はなく、「まだまだ精神的に未熟で、実際の年齢ほど成熟していない」とも感じるのが理由です。
でも、無意識で「人生のピーク年齢に近づけよう」と思っているのかなあ、などと考えていました。
また余談ですが、妻に聞いたら、「ぶっちゃけ25歳くらい」(約40%引き)と答えていました。気持ちが若いのは、素晴らしいことです。たぶん。
▽▽▽
また、「主観的年齢は、高齢者の寿命や健康と相関がある」という研究もあります。
先日、日本ポジティブサイコロジー医学会という学会に参加したのですが、ある研究者の方が「高齢者の主観的年齢は、高くなると脳梗塞などの症状が出やすくなる」「そして地域の交流が多い人ほど、主観的年齢が低い傾向がある」と述べていました。また、その方いわく「日本の高齢者を対象におこなったら、-9歳くらいが差分だった」とのこと。
「主観的年齢」を軸に、それを若返らせる施策を通じて健康促進を行う。
「主観的年齢」を軸に、マーケティング施策としてビジネスに繋げる。
そのように概念から発展させて、実生活に紐づけることもできる、実に興味深い研究だと思った次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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【編集後記】
◯今月のランニング:115km
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